パン大好き、運動不足…「月経前に調子が悪くなる人」の特徴と対策 #219
最近、月経前の不調(PMS)が酷くなっていませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 219
大きな雨粒が冷たく感じることもありますが、季節は夏のスタートである夏至を迎え、本格的な夏への扉を開けました。低気圧に高温多湿、室内の冷房、紫外線の強さに私たちのカラダは、てんやわんやしてしまいますよね。
ジトっとしたべたつく汗は、蒸発しづらく体温調節に苦戦し、自律神経を乱してしまうこともあると思います。特に女性の場合には、月経前のほてり、のぼせ、寝汗、過食などで熱症状や爆発的な感情の波を感じることもあります。また、普段運動していない人の汗は、よりべとつきやすく、汗臭さが、ひときわ増してしまいます。
爽やかな汗をかいで、余分な熱がカラダにこもらないようにするためには、自律神経を乱さないようにする食事や睡眠習慣、さらっとした汗をかくための運動習慣も大切です。ということで、今週は月経前の不調に対抗する食薬習慣を紹介していきます。
今週は、月経前の不調に対抗する食薬習慣
春分・夏至・秋分・冬至と四季の切り替わりとなる日には、その季節の気候特性をはっきりと感じるようになります。それとともに、今年も半分以上過ぎてしまったんだなと時間の過ぎるスピードに驚いてしまいますよね。そして、月に1度やってくるのが、月経です。何も不調がないという方もいらっしゃいますが、PMSや月経痛、排卵痛などに当たり前のように悩まされている人は多いようです。
とくにこの時期、月経前の不調を強く感じることはないでしょうか。体温調節のためにかいている汗はうまく蒸発できず、水分やミネラルの補充は間に合わず、寝苦しくて睡眠不足になり、低気圧で頭痛やむくみにイライラし、強い紫外線で活性酸素は増え…自律神経やホルモンバランスは乱れてしまいます。
そのため、カラダに熱がこもりやすくなり、月経前には微熱がでたり、のぼせたり、手足が暑くて眠れなくなったり、過食になったり、猛烈にイライラしたり、落ち込んだりと不調が増えてしまうかもしれません。
漢方医学では、この状態を『肝胆湿熱』、『陰虚火旺』などと表現します。そこで今週は、カラダを潤し余分な熱を冷ますように『補陰』をして、『清熱』する食薬習慣を取り入れていきます。食べるといい食薬は、【ササミのバンバンジー】です。そして、今週のNG行動は、【総菜パン】を食べることです。
食薬ごはん【ササミのバンバンジー】
バンバンジーといえば、清熱作用のあるキュウリ、カラダを潤すゴマをふんだんに使う料理です。また、PMSを感じやすい人は、糖質を好んで食べ、タンパク質が不足しているケースもあるため、高タンパク食材の代表ササミを使います。体調がすぐれないPMSの時期でも、ポリ袋を使ってすぐに完成する手抜きレシピです。
<材料>
ササミ 2本
味噌・みりん・酒 各大さじ1
すりゴマ 大さじ2
きゅうり 1本(細切り)
<作り方>
ササミと調味料、ゴマを耐熱ポリ袋に入れレンチン。ササミ2本なら500Wで2分目安です。袋の上から手で調味料を和えながらササミをほぐす。きゅうりの上にササミをのせ、ゴマをまぶしたら完成。
NG行動【総菜パン】
まず、総菜パンは栄養価的に食事の代わりにはなりません。焼きそばパン、コロッケパン、カレーパンなどの総菜パンは満足感もあり美味しいですが、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルは少なく、糖質や脂質ばかり摂取してしまうことになります。自律神経やホルモンバランスを整えたいときには、なるべく定食スタイルの食事を選び、バランスよく栄養をとっていきましょう。
毎月PMSに心とカラダを乱されていては、時間がもったいないですよね。心とカラダを整える習慣は、月経前だけではなく、日ごろから行い、カラダの土台作りをしていきましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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