「自分を大切にする」って何?…“したいことをする”だけじゃない具体的なこと #103
【おおしまりえの恋愛道場】vol. 103
幸せのコツ「自分を大切に扱う」とは、具体的にどういうことなのか?

「幸せになるためには、まず自分を大切に扱っていくことが大事」。なんて、よくいろいろなコラムでも書かれていますよね。でも、自分を大切に扱うって、具体的にどんなことをすれば良いか、答えられるでしょうか。
- 自分の感情に敏感になる
- 自分のしたいことをする
- 自分にポジティブな言葉をかける
などが思い浮かぶかもしれません。これらの行動はもちろん全部やれたほうがいいのですが、多くの人が意外と忘れていることがあります。また自分を大切にできる女性が恋愛でも幸せになれて、周りからも大切にされる仕組みについても、具体的に説明していきます。1年を振り返ったり、新たな計画を立てたりする今の時期に、ぜひ考えてみると良いかもしれません。
なぜ自分を大切に扱う必要があるのか?

そもそも当たり前のように「自分を大切に扱うと幸せになれる」と言われていますが、その仕組みを改めて説明していきます。まず、自分を大切に扱えるというのは1つのスキルのようなものです。これがうまい人は、自分も他人もちょうどよく尊重したり、気遣ったりすることができます。
逆に、自分を大切にするということがわからない人は、他人に対しても気を配りすぎたり横柄な態度を取ったりと、適切な距離感で相手を大切にするのが難しくなりがちです。その結果、体調を壊したり、苦しくなったりします。
また、自分で自分を大切に扱えない人には、もうひとつ問題があります。それは「大切に扱う」という行動を、自分でできないから他人に求め始めるのです。
たとえば仕事で忙しい女性がいたとします。自分を大事にする時間をなかなか取れず、いろんな予定に忙殺されてイライラしていた彼女。そんなイライラを彼に「忙しいんだから、少し気を遣ってよ」と、怒りとしてぶつけていたとします。
カップルであればよくある話かもしれませんが、このシーンも細かくみていくと、まずは自分で、忙しい自分のケアをして、それから彼にもケアを望むべきですよね。
1回ならまだしも、自分を慢性的に大切にするのが下手な人ほど、自分のなかの不足感を他人に要望しがちです。でもそれでは、相手も与え続けることで疲れますし、お互い幸せにはなれません。こうした人とのコミュニケーションを心地よくしていくためにも、自分で自分を大切に扱うことは大切なのです。
「自分を大切に扱う」をより効果的な習慣にするために

自分を大切にできるから彼のことも大切にできる。そうして、いい恋愛関係に発展する。この循環のためにも、まずは自分の辛さは自分で引き受けたり、疲れた時も自分でケアができたりするように生活していきましょう。
ただし、冒頭で紹介したような「自分を大切にする行動」には、多くの人が忘れていることがあります。それはシチュエーションの差です。
- 自分ひとりの時
- 家族の前
- 恋人の前
- 友達の前
- 仕事の場
ざっと5つのシーンにわけましたが、多くの人が「自分を大切にする=自分ひとりのときに適切に自分をいたわる」だと思っています。しかし、自分しかいない時に自分を大切にいたわるのって、そんな難しいことじゃありません。むしろ嫌われたくないなーと思う恋人の前や上司の前でこそ、自分に無理が生じていたらきちんと線を引いたり、本音を主張できたりするほうが好ましいのです。
ちなみに今回5つのシーンを書きましたが、自分を大切にするのが苦手な人は、「自分<家族<恋人<友達<仕事」の順番で本音を隠したりしがちです(恋人の位置は関係性により変化あり)。それは相手と自分の信頼度に関係しており、心を許せないなーと自分が思っている相手ほど、合わせたり空気を読んだりして、その場をとりつくろってしまう傾向があります。
自分を大切に扱って、恋愛にももっと良い効果が出たらいいなーと思ったら、まずは自分ひとりの時に大切に扱うのはもちろん、自分がどんな人の前だと特に無理をしがちになるか、振り返ってみると良いでしょう。
自分を大切にできるから、彼も大切にできる
自分を大切にすることって、慣れてないと自分本位な行動に見えるかもしれません。でも人は、自分にできないことを他人にしてあげることはできません。
彼にもっと愛されたい、もっと彼に大切にされたいと思ったら、「こんな私でよかったら大切にして」というスタンスではなく、「私がこんなに大切にしている私のこと、一緒に大切にして」という堂々としたスタンスが良いでしょう。
謙遜というコミュニケーションが当たり前となり、女性は(我々は、日本人は、現代では)まだまだ自分を後回しにしてその場をやりきるクセがあったりします。それもひとつの奥ゆかしさですが、自分を幸せにしてあげるためにちょっと勇気を出して、そのクセを変えてみませんか。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
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