優しく抱かれても信じちゃダメ! 男性が本命には絶対しない「ピロートーク」

文・三松真由美 — 2022.3.24
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、高卒後お金を貯めて上京してきた21歳女性。大家族のために家計を支えていた地元時代を経て、東京では憧れのぴえん系ファッションに身を包み、順風満帆に過ごしていたが、ある時美容師だという男性と一夜を共にして…。三松先生が、絶対に注意したいセックスでのピロートークを教えてくれます!

琴音(21歳)時間レスを逆手にとって、即断即決でサクサク生きるが、詰めが甘いよ

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【レスなひとびと】vol. 152


「ん〜、やっぱかわいい!」

厚底靴にMCMのリュック、きれいに巻いたツインテール、赤系のアイシャドウで囲んだ目。もちろん困り眉。琴音はいわゆる‟ぴえん系”だ。

琴音は福岡出身の21歳。8人家族で、高校卒業から2年は家計のために飲食店でバイト漬け。自分の時間はまったくない時期をすごした。負い目を感じた両親が、二十歳を境に一人暮らしを勧めてくれたのだ。

親には申し訳なかったけど、家を出たあと即稼げるセクキャバに即入店。お金を貯めて即上京。

そしてTikTokやポコチャで見て憧れていた、ぴえん系ファッションに身を包み、歌舞伎町に来たというわけ。

2年という時間のロスを埋めるべく、即断即決が琴音のモットーだ。

「琴音ってどこのサロンでヘアメしてるの? いつもめっちゃかわいいよね」

同じく歌舞伎ぴえん系女子、リコに聞かれる。

リコは推しのホストに会いにいく時、サロンでヘアメイクをしてくる。一方琴音はホスクラには行かないが、かわいい髪型が好きで毎日自己アレンジをしていた。

「えっ、自分でやってるよ」

「まじで! 今度リコにもやってほし〜」

「いいよ〜」

リコにヘアアレンジを施すうちに、琴音の器用さはインスタで評判に。今では琴音にDMを送り、アレンジしてもらいに来る子も出てきた。

お礼として食事をおごってくれたり、アマギフをくれたりもするので、生活もだいぶ楽になった。

自分がぴえん系ファッションをするのも好きだけど、ヘアアレンジはもっと好き。美容の専門に通って、美容師になるのもいいかも!!

龍司が声をかけてきたのは、そんな時だった。

「インスタによく出てる琴音ちゃん、だよね? おれ、龍司っっていうんだけど。ヘアサロンで働いててさ」

美容師?  もしかして、龍司と仲良くなればいろいろ聞けるかも…。淡い期待を胸に連れ飲みに。

「琴音ちゃん、もうおれベロベロ…。タクシーで送ってくんない?」

「えーしょうがない先輩だな」

龍司は酔い潰れて、自宅まで送ることになる。

「ねえ、来てくれたってことは、いいってことだよね?」

家に着くなり豹変。酔ったふりして琴音のほうによろけてベッドイン。

ぎゅっぎゅっ、ずんずん。

シてしまった。

でも、なんだかんだいい人だし、このまま付き合うのもいいかも。

明け方、目が覚めて。可愛い寝顔を見ていると、龍司も目を覚ます。他愛ない話をポツポツするうち、マジメな話に。

「おれ、来年自分の店出したいと思ってて。琴音はヘアレンジ上手いし、一緒に働いてくれたらと思ってるんだけどどう? 専門学校も行かせてあげる」

願ってもない誘いに即「えっ、働きたい!!!!」

店を借りる頭金に使うからということで、即50万円貸した。どうせ、即付き合うしと思って。

そのあと…音信不通。

だ、だまされた。

こんなド級ぴえんなこと、あっていいのか。
東京って怖いぜ。


【三松さんからのコメント】

琴音さん、21歳とまだ若いのに「時間は有限」と自覚していて、すばらしい思考力です。家族のことで苦労したぶん、考え方が大人ですね。即断即決即行動だって、なかなかできることじゃない。「先送り」「あとまわし」「据え置き」「様子見」系のひとびとが多い世の中なのに。

ぴえん系ファッションに憧れて、真似するところまでのスピードもよいです。いわゆるぴえん系に染まりきらないのもいいところ。ホスト通いは合わないと割り切って、自分だけの‟好き”を見つけられたのも自立しててよし。

そんな琴音さんにつけ込む龍司さん、許せない! こんなぴえん案件にはまらないよう、気をつけるべきポイントがあるのです。

「エッチ前後の言動には要注意」ということ。

特に女性は一度素敵なエッチをしてしまうと、情がわきやすい。そこを利用して、エッチ後にお願いごとをしてくる悪魔のようなメンズがいるのです。
エッチな行為に持ち込むため「好き」「かわいい」を連発するメンズもいます。

疑心暗鬼になりすぎてはダメだけど、関係づくりには信頼が必須。お金が絡むならなおさら。エッチ前後にお金の話になったら、即帰れ。

「会ってその日の即エッチ。セックスまでに時間かけろとは言わないが、お金の話をするやつは‟金レス悪魔”と思って間違いなし」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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真由美所長、フェムテックの新会社Gladでinsta開始
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