RIKACOさんは「みんなのお母さんのような存在」新星・高橋璃央が明かす

写真・園山友基 文・田嶋真理 — 2023.11.21 — Page 1/2
いつもドラマや映画に注目しているこのコラムですが、今回は話題の舞台をご紹介! 新進気鋭の総合芸術制作集団、等々力帝國劇場(とどろきていこくげきじょう)の初プロデュース舞台『薄羽集魚灯』(うすばねしゅうぎょとう)で舞台初主演を務める、高橋璃央さんにお話をうかがいました。

「舞台では、3Dで動く僕を見ていただきたいです」


高橋璃央 RIKACO 渡部樹也 哀川翔 福地展成

【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 165

等々力帝國劇場は、人気タレント・RIKACOさんの長男で、脚本家・演出家・俳優として活動する渡部樹也さんと、Vシネマの帝王の異名を持つ個性派俳優・哀川翔さんの三男で俳優の福地展成さんがタッグを組んだ総合芸術制作集団です。

等々力帝國劇場初のプロデュースとなる舞台が『薄羽集魚灯』。有名スタイリストの馬場圭介さんが衣装・スタイリングを手掛け、ポスタービジュアルには多くの雑誌やミュージックビデオなどで活躍する写真家・久野美怜さんが参加。

音楽は2000年生まれのアーティスト・hinaさんが担当し、この舞台のために、電子音楽や和太鼓などを用いて楽曲を制作。独自の世界観を持つ音楽が、物語により深みを与えています。

主演は、俳優やMEN’S NON-NO専属モデルとして活躍する高橋璃央さん。紅一点のヒロインには下田彩夏さんが抜擢され、出演映画『ガールズドライブ』が2023年11月10日に公開されたばかりの若林拓也さん、戦隊ヒーロー出身のイケメン俳優・横山涼さんも出演。さらに、脚本・演出の渡部樹也さんや制作統括の福地展成さんも俳優として重要な役を演じています。

舞台『薄羽集魚灯』の物語が展開するのは、薄羽島。北海道の北部、稚内市の西方11kmの日本海上にあり、またの名を「霙の浮島」と呼ばれる孤島。

ある日、ふたりの若者たちは、とある人物から宝石サンゴで飾られたかんざしを探すミッションを課せられ、この島を訪れます。実は、彼らが詳細を知らされずに探していた宝石サンゴは、島を異界たらしめていたキーアイテムだったのです……。


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ーー舞台初主演が決まったときのお気持ちを教えてください。

高橋さん これまでに二度、僕が所属する事務所が主催する劇団番町ボーイズ☆の舞台を踏んだことがありますが、そのときは育成のような立場で出演させていただきました。外部の舞台でがっつり出演させていただくのは初めてで、しかも主演を務めさせていただける。ストレートの舞台でド真ん中を張ってみたいと夢見ていたので、素直にうれしかったです。

僕はお芝居を早く上達させたいと思っています。舞台はひとつの役を約1か月間じっくりと考えることができます。経験値として大きな財産になるので、あまりプレッシャーは感じず、共演する5人の方々のお力をお借りしながら作っていきたいと思いました。


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ーー『薄羽集魚灯』は、どのような舞台ですか?

高橋さん 異界に迷い込んで不思議な体験をする物語です。僕は、舞台を観る方と一緒に異界に迷い込む役どころなので、観る方の気持ちを代弁したり、共感を得たりしながら、演じたいと思っています。

ーー役作りとして心がけたところは?

高橋さん 台本をいただいてから稽古に入るまでの時間は、2~3週間ありました。その間にセリフを覚えて、初稽古に挑んだのですが、セリフを覚えて発した状態の、僕の素の表現や雰囲気がイメージにぴったり合っていたと、「それで良い」と樹也くんに言われたんです。

初回にOKをいただいて、正直不安な気持ちもありました。それから、観る方にきちんと届くように声のボリュームに気を配ったり、演技に動きを付けたりしながら、みんなで少しずつ役の中身を作っていき、良い舞台にしたいと思いました。


高橋璃央 RIKACO 渡部樹也 哀川翔 福地展成

ーー渡部樹也さんと福地展成さんと初めてお会いしたときの第一印象を教えてください。

高橋さん 樹也くんは、すごく個性的な方です。本を書く方ということもあり、ボキャブラリーの豊富さが半端ではありません。ご両親から遺伝もあってか、雰囲気や話し方、発する言葉が独特の世界を持っています。

展成くんはポスタービジュアルを見ると一見怖そうな雰囲気ですが、稽古場を誰よりも広い視野で観てくださり、とても優しくて気遣いのできる方です。樹也くんの独特の世界観を、展成くんが長年の付き合いでフォローされていました。

ーー渡部樹也さんと福地展成さんのご両親とお会いしたことは?

高橋さん RIKACOさんは何度か稽古場にいらっしゃいました。みんなのお母さんのような存在でした。みんなが喉が痛いときにはお手製のはちみつレモン、疲れたときにはスイーツ、カツサンドやお寿司など、たくさん差し入れしていただきました。日付は決まっていませんが、RIKACOさんと一緒にご飯を食べに行く約束をしているので、楽しみにしています。

稽古の終わりに、展成くん行きつけの下町の中華料理店へみんなでご飯を食べに行ったんです。そのとき、展成くんの携帯に哀川翔さんから電話がかかってきて、慣れた様子で哀川翔さんの分のテイクアウトを注文していました。親子の距離の近さが垣間見えた瞬間でした。


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ーー最後に、舞台の見どころを教えてください。

高橋さん 幻想的な物語に入り込むための仕掛けのひとつとして、SEを効果的に使っています。船をとめる音、宝石を持ったときの音などのほか、BGMは僕と同い年の方が書き下ろししてくださった曲を必要なところで流して、観る方に緊張感を与える工夫をしています。セットがシンプルな分、音と演者のセリフと動きで物語を理解していただけるように心がけています。

僕は素に近い、クールな役を演じるんですが、展成くんが演じる役は快活でユニークなキャラクターなんです。展成くんとの掛け合いは遊べるシーンになっていて、実年齢では年上の展成くんを相手に、僕が上から目線でタメ口でセリフを言うこと自体が楽しいです(笑)。

ポスタービジュアル同様、衣装は馬場圭介さんがスタイリングしてくださいます。まだ舞台本番で着る衣装をフィッティングしていないのですが、馬場さんが稽古を見て、それぞれのキャラクターに合わせた衣装を用意すると聞いているので、どのような衣装になるのか、楽しみにしています。

舞台では、3Dで動く僕を見ていただきたいです。誌面やCMで想像されていた僕のイメージを良い意味で裏切ることができたら、うれしいです。

インタビューのこぼれ話

この日の高橋さんは、ヘアメイクもスタイリングもご自身でされたもの。「モデルをやらせてもらっている以上、最低限の知識は持っていなければならないと思っていますが、僕は同じような色しか使えないんです。本当におしゃれな方は、いろんな色を混ぜてスタイリングを楽しんでいますよね。いつか僕もいろんな色が使えるようになりたいです」(高橋さん)。

Information


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舞台『薄羽集魚灯』produce by 等々力帝國劇場
日程:2023年11月23日(木)~11月26日(日)
会場:池袋シアターグリーン BOX in BOX
脚本・演出:渡部樹也
出演:高橋璃央、下田彩夏、若林拓也、福地展成、横山涼、渡部樹也
料金:全席自由席 ¥6,500 当日券 ¥6,500
協賛:金谷港 岡沢釣具店 光進丸、トランジット、プレミアアンチエイジング株式会社、NATTY SWANKYホールディングス
衣装・スタイリング:馬場圭介
音楽:hina
舞台監督:川畑信介(obbligato)
音響:丸山慶将(tone pocket)
音響オペレーター:沖田幸平(tone pocket)
照明:赤田智宏(ALOP)
照明オペレーター:坂元千晃(ALOP)
企画・総指揮:渡部樹也(等々力帝國劇場)
制作統括:福地展成(等々力帝國劇場)
制作:本田雄大(HANDS UP)、濱田百合子(HANDS UP)

公式サイト:https://www.acepad.biz/

写真・園山友基 文・田嶋真理