飼い主の夫がライバルです…愛もカラダも重めな猫さま

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.4.22
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第127回目はキジトラのマルセル(Marcel)さま。

独占欲強めの猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.127
猫さまの話をもっと聞かせて!
マルセルさまは6歳の男性猫さま。


猫 保護猫 フランス


マルセルさまが語ります。

僕はリヨンのダウンタウンにあるアパートに住んでいます。石とむき出しの梁が特徴の古いアパートです。僕は完全な家猫です。外出するのが好きではありません。朝は6時半頃に飼い主たちを起こしてまずは朝食です。食べる事が大好きで、食べ過ぎてしまうので、飼い主は特別な食事用のボウルを買わなければなりませんでした。


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それから遊んだり、昼寝をしたり、窓際で人々を観察したりします。そして夕食を食べてから、飼い主と一緒に布団に入ります。魚のカリカリを食べますが、肉や鶏肉はあまり好きではありません。パイナップル、キヌア、そして「喜びのコロッケ」と言われるアヒルの切れはしと、サーモンのパテが好物です。時々飼い主が食べるサーモンのはしっこをもらうこともあります。
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クリスマスパーティーの前には自分用のアドベントカレンダーが用意されて、毎日さまざまなおやつが出てきます。この時期は1年で一番幸せな季節です。
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僕は飼い主のお腹の上にいるのが好きです。毎晩飼い主のお腹の上で寝ています。ハンモックがあって、そこでの飼い主との昼寝は最高ですよ。ひとりだったらキャットツリーや服を入れる引き出しも大好きです。とにかく飼い主だけを愛しています。他の人があまり好きではなく、すべての人から抱きしめられたいわけではありません。性格は、愚かなことをせず、落ち着いていて、やりたいことをやっています。そうでなければ、飼い主と一緒にいます。のどをゴロゴロ鳴らしに行って、飼い主の顔をなめます。飼い主の夫に少し嫉妬していて、二人が仲良くしていると不機嫌になるのです。
飼い主から見たマルセルさまとは。
マルセルは3歳のときに我が家にやってきました。もともとは私たちの隣人の猫でした。ある日、エレベーターで隣人に会った時、猫を飼うつもりがないか、と尋ねてきたので、私は即イエスと答えました。そして翌日、マルセルが私たちの家にやってきました。マルセルの子猫の頃は知りません。彼は2019年11月に私たちの元に来てから、私たちに慣れるまでに数か月かかりました。その後、コロナが蔓延して3か月間家に閉じ込められて、マルセルは私たちと四六時中一緒にいました。私たちが毎日家にいるので、彼は私たちととても親密になり、私たちはずっと彼の世話をしていました。
それから私たちは別のアパートに引っ越しました。彼はそこをすぐに気に入りました。走り回るスペースがあり、隠れ場所が多いからです。
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彼が最初の飼い主に手放された理由は、飼い主が旅行が好きだったからかもしれません。私たちは休暇に旅行に行くのが好きではないのです。彼はいつも見捨てられることを恐れています。 そして彼と私はお互いにとても愛着があります。


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彼の丸顔と大きな青い目が大好きです。フレンドリーでとても表情豊かだと思います。マルセルは私をとても愛していて、私は彼にとって重要な存在なのだと思います。彼は私と一緒に過ごすのが好きで、私を母親のように見たり、しもべのように見たりしています。最高の時間は、彼が私のお腹の上に来てのどを鳴らす毎日の昼寝の時間です。
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マルセルは私にたくさんの愛と甘さを与えてくれます。私は彼と遊ぶのが大好きで、彼は家族の一員であり、彼がお腹に乗っかってくれないと眠れません。また同時に何もしないことが素晴らしいということも教えてくれます。彼は一日中何もせず、とても幸せです。ですから、時間や物事に追われている時、私はマルセルが落ち着いて休んでいるのを見て、私も同じことをします。私を落ち着かせる方法でもあります。
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私にとって、マルセルは地球上で最も完璧な猫です。もしもマルセルが存在しなくなったらマントラを唱えて、小さなタトゥーを入れて、いつも一緒にいようと思います。
――とにかくマルセルさまは飼い主のことが大好き! 飼い主の夫に嫉妬すると聞いて独占欲の強いマルセルさまは飼い主以外は受け付けないのだと知りました。3歳までどんな生活を送ってきたかは不明ですが、この甘えさせてくれる飼い主と出会えて本当に幸せなマルセルさまです。
取材、文・松永学