沖縄の玄関口・那覇に息づく昔ながらのライフスタイルと、新しいカルチャーが混在するムードが楽しい、松尾エリア。入り組む路地を散歩しながら、那覇のローカルを楽しんで。

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    見たことがない那覇の、ローカルな一面に触れる。

    美食も買い物も、のんびりもできる。
    沖縄旅行というと、青い海や野性味溢れる森を求める人が多いけれど、実は那覇の路地でしか出合えない“特別な沖縄のローカル”もあるのです。

    常に人で溢れている賑やかな国際通りの近くの街、松尾。第一牧志公設市場に隣接するこの街の周辺は、昔ながらの那覇ののんびりした暮らしを感じられる路地があり、かと思えばモダンでおしゃれなショップや飲食店が点在する、ユニークなエリア。日陰に座って“ゆんたく(おしゃべり)”するおじいさんたちを見かけたり、沖縄にしかないファストフード店でゴーヤーのハンバーガーを食べたり。散歩のついでにナチュラルワインやクラフト酒を一杯いただいて、なんならお店のはしごも…しかも昼間から、なんてことも! まるでそこに暮らしているような気分でのんびり那覇滞在を楽しめる、それが松尾エリアの最大の魅力。

    もちろんお土産を買えるセンスの良いお店も多々。旅のお買い物欲も、しっかり満たせます。

    【Luft(ルフト) shop】沖縄で生まれ、国内で作る。ここにしかない“日用の美”。

    店内に並ぶオリジナルの家具とプロダクト。食器類は、作家物と大量生産品との間のような、絶妙な雰囲気が魅力。

    生活感溢れるアーケード商店街のほど近くに佇む、沖縄を拠点に空間や家具をデザインする事務所の「Luft」が開いたショップ。自ら設計した空間の中に並ぶのは、Luftの真喜志奈美さんと桶田千夏子さんがデザインし、沖縄を中心に国内のさまざまな作り手と共に製作した美しい日用品たち。やちむん(焼き物)の食器や琉球ガラス、首里織といった沖縄の工芸品も、二人のフィルターを通すことで新しい魅力が引き出されていて、旅先ということを忘れあれこれ欲しくなってしまう。

    琉球ガラス独特のぽてっとした形が美しいグラスボウル。

    Luft shop

    Information

    那覇市壺屋1‐7‐16‐103 TEL:098・988・1391 13:00~18:00 日~水曜休(臨時休業あり)

    【食堂faidama(ファイダマ)】店名は、八重山の言葉で“食いしん坊”の意味だそう。

    主菜と季節の副菜2~3種に漬物のfaidama定食¥1,944 この日の主菜は県産麦豚味噌炒めと県産鮪の南蛮。メニューは2週間で替わる。野菜の定食や紅豚とんかつ、鯖干物定食も。

    沖縄本島出身の高江洲(たかえす)毅さんと、石垣島出身の美沙さんご夫婦が営む、定食が人気の食堂。調味料も含め沖縄の食材を多数使っており、ボリュームも美味しさもたっぷり! 特に驚くのが野菜類のみずみずしさ。実は毅さんのお父さんや叔父さんが育てている島野菜を多く使っており、旬&採りたての味わいは絶品。美沙さんは、野菜が届くたびに、どんな料理にしようか考えるのがとても楽しいとか。またもともと和食の板前をしていた毅さんが作る、沖縄県産の魚を使った焼き魚も美味。定食は全部で4種類。毎日通っても飽きない味わいです。

    天井が広く居心地がいい店内。

    食堂faidama

    Information

    那覇市松尾2‐12‐14 TEL:098・953・2616 11:00~18:00(店内飲食は売り切れ次第終了) 月~水曜休

    【ブレーメン】ブルーコーンの本格タコスをテキーラとともにいただきます!

    タコスは1ピースからオーダー可能。上から時計回りに、ヒージャー(ヤギ)¥605 スアデーロ(牛肉のスパイス煮込み)¥495 バルバコア(羊肉の蒸し焼き)¥550 サルサ類はなんと無料サービス! テキーラの種類も豊富。写真はカジェ23のソーダ割り¥990

    ファーマーズマーケットや惣菜店などが軒を連ねる、市民の食を支える施設〈のうれんプラザ〉。1階にあるこちらは、いわゆる“沖縄風”ではない、本格的なメキシコ流タコスのお店。ブルーコーンを使ったトルティーヤ生地は店主の手作りで、上にのせる具材は豚や鶏を使ったメキシコの味もありつつも、人気はラフテーなど沖縄の名物を使ったもの。特におすすめは、塩のみで味付けをしたヤギ肉の〈ヒージャー〉。ヤギ好きは絶賛、ヤギ初心者からは「ヤギってこんな食べやすいの?!」と驚きの声が出る人気メニューなのだとか。ヤギのタコス、ぜひご賞味を。

    店内あちこちに施された、メキシコ風の装飾がかわいい。

    ブレーメン

    Information

    那覇市樋川2‐3‐1 のうれんプラザ1F TEL:098・914・1169 15:00~23:00LO 水・木曜休

    【ツチトイブキ】散歩の途中にフラッと寄って、角打ち的にナチュラルワインを。

    「今日は1軒目ですか? などのやり取りを通して、お客様の好みを伺いおすすめのワインを提案します」(竹内さん)。

    ナチュラルワインを中心にしたワインショップ&沖縄初のワイン角打ち店。セラーにはソムリエである店主の竹内佐織さんが世界中から選んだワインがぎっしり! 店内カウンターとテラスでは選びぬかれたワインを1杯から楽しめ、そのラインナップは毎日30種類以上。竹内さん曰く「狙いは週末に向けてさまざまなワインが抜栓される木金かも(笑)」。1人前量のおつまみはいずれも美味しく、1杯のつもりがいつの間にか…という幸せな危険が待っているので、要注意。

    ツチトイブキ

    Information

    那覇市松尾2‐7‐27 プチメゾンド松尾1F TEL:080・3906・9753 角打ち/14:00~19:00LO 月~水曜休 小売り/12:00~20:00 火曜休

    【LIQUID THE STORE TESIO2×(テシオニカケル)】“飲む”が楽しい場所には、絶品ソーセージも待っている。

    ナチュラルワインは90mlで¥800~ TESIO2×の自家製ハムの盛り合わせ¥1,300 他に日本酒やスピリッツ、クラフトビールなども楽しめる。

    奥にはナチュラルワインが並ぶセラーがあり、中央のL字型テーブルを囲むように、棚にスピリッツやジン、ラムなど、LIQUID主宰の村上純司さんが選んだお酒と、酒器などがズラリ。ここは“飲む”を通して人や体験が交差する、ユニークなセレクトショップ。沖縄市コザの自家製ハム&ソーセージ店〈TESIO〉の支店も併設されており、極上のシャルキュトリーをおつまみに立ち飲みでお酒も楽しめる。はしご酒が楽しい街の口開けに。

    LIQUID THE STORE TESIO2×

    Information

    那覇市壺屋1‐1‐21‐1F TEL:098・988・3607(LIQUID THE STORE) TEL:098・988・3608(TESIO2×) 13:00~19:00 火~木曜休

    【松尾芭商(まつおばしょう)】賑やかなゆんたくの花が咲く、かわいいローカルコンビニ。

    食べ物だけでなく洗剤など暮らしにまつわるものを取り扱う。取材中に農家から新鮮野菜が山盛り到着、一気に店内が華やぎました。

    ON THE SAME HOTEL(オン ザ セイム ホテル)のお向かいにあるこちらのショップは、オーガニック食品や調味料、生活用品に加え、日替わりで採れたて野菜やパンなどが並ぶ、“ニューローカルコンビニエンスストア”。その名称のとおり、絶品のお弁当や唐揚げなどの惣菜も購入可能。オーナーの大湾絵梨子さんをはじめ、スタッフがニコニコと楽しそうに働く店内はとてもいい雰囲気で、熱のこもったポップを読むのも楽しい。商品は全国から揃えているが、オリジナルや沖縄産も多数。沖縄の食にまつわるお土産を探すなら、絶対に訪れたいスポット。

    松尾芭商

    Information

    那覇市松尾2‐19‐32 11:00~19:00 日曜休

    【Jef(ジェフ)サンライズ那覇店】沖縄育ちのファストフード。絶対食べたい〈ぬーやるバーガー〉。

    ぬーやるバーガーとフレンチフライポテト、ドリンクのセットで¥980 沖縄シークヮーサーソーダやルートビアなど沖縄らしいドリンクチョイスも可。またフレンチフライポテトの代わりにゴーヤーリングも選べる。

    沖縄が本土に復帰後の1973年に本店が誕生。1986年に現在の店名になった、ローカルファストフードチェーンの『Jef』。フードのおすすめは、ゴーヤーを卵とじにした“ゴーヤーパティ”と、ポークランチョンミートを挟んだ〈ぬーやるバーガー〉。“何なんだ”という意味の沖縄方言「ぬーやるばーが」をもじって、バーガーとして誕生させたもので、実は現在Jefメニューの不動のNo.1人気! ドリンクやサイドメニューにも沖縄ならではのメニューが多数。現在県内に3店舗ですが、7月下旬に4軒目となる泡瀬店がオープン予定。

    Jefサンライズ那覇店

    Information

    那覇市壺屋1‐1‐5 TEL:098・867・4941 9:00~20:00 無休

    写真・白木裕紀子(白木写真事務所) 取材、文・河野友紀

    anan 2455号(2025年7月16日発売)より
    Check!

    No.2455掲載

    夏の推し旅 2025

    2025年07月16日発売

    海、美食、動物、かき氷、アートなど「大好き」なもの=“推し”を追い求める癒しの旅を案内する特集。夏といえばの沖縄は、那覇&本島西海岸のエリア別解説のほか、久米島、西表島という2つの離島もフィーチャー。他に「大人の夏休み」として、埼玉・長瀞の涼を求めて日帰り旅、栃木・那須で自然に触れる“大人の林間学校”、岡山で今が旬のフルーツとアートを楽しむ旅、北海道・トマムで雄大な自然を満喫する旅など、この夏おすすめの旅先をご紹介します。 ※ anan2455号POPver.(通常版)と、MODEver.(特装版)は表紙・掲載グラビア(Mrs. GREEN APPLE)・バックカバー・価格が異なり、その他の内容は同一です。

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      赤口

    今日は土用入りの日で丑の日ですから「土用の丑の日」に当たります。さらに言えば12日後の31日もそうです。ウナギに限らず、五行思想では「冬(寒冷)・水・夜」と関連する「黒」が夏の暑さに対抗する色ですので、黒ごま、黒豆、黒酢、海藻などもよさそうです。栄養とエネルギーを補充して暑さに負けない体を作りたいですね。

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