文・椎原茜
ブルーベリーの魅力をもっと知りたい!
6月から9月を旬に迎えるブルーベリー。冷凍ブルーベリーなどは一年中、親しみやすくヘルシーなおやつとしてよく使われていますが、実は食事にも美味しく取り入れることができるのをご存知でしょうか?
今回は、わかさ生活の書籍「ブルーベリーを愛してやまないわかさ生活がどうしても食べてもらいたくてつくった公式レシピBOOK 100日まいにちブルーベリー」を参考に、同社の管理栄養士である西尾尚子さんのアドバイスのもと、ブルーベリーの栄養と料理への活用法、意外な食事レシピをご紹介します。
ブルーベリーに含まれる注目の栄養素3選
ブルーベリーには、多様な栄養素が含まれていますが、特に知っておきたいのが、以下の3つ。西尾さんに解説いただきました。
1.アントシアニン
西尾さん アントシアニンは、ポリフェノールの一つである青紫色の天然色素です。ポリフェノールとは、紫外線やウイルスなどの外敵から実を守るために植物が作り出した化合物のこと。
アントシアニンによる抗酸化力により、視機能の向上、メタボリックシンドロームや血糖値上昇の抑制などさまざまな効果が明らかになり、サプリメントなどに広く利用されています。
2.食物繊維
西尾さん ブルーベリーは種子も果皮も一緒に食べられる果実です。種子は小さく、1粒中にたくさん含まれています。ブルーベリーの果実には、2種類の食物繊維、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれます。
生果実100g当たり食物繊維は3.3gで、バナナの約2~2.5倍に相当します。
3.ビタミン・ミネラル類
西尾さん 野菜や果物にはビタミン・ミネラルが含まれているものが多いですが、ブルーベリーの果実にも含まれています。
ビタミンは、体内でビタミンAに変化し、視力の維持に役立つβカロテンや、抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンEを含みます。
ミネラルは複数含まれますが、そのうち亜鉛・マンガンは他のベリー類に比べ、特に多く含まれています。
ーーまたブルーベリーは100gあたりの糖質量が9.8gと低糖質なのも魅力だそう。バナナは同19.4g、りんごは同12.4gなので他の果物と比べても低いですね。
ブルーベリーは料理に使える?
ーーブルーベリーの栄養素や糖質の少なさなどを知ると、意識して取り入れたくなりますね。どのように取り入れることができるのでしょうか?
西尾さん 市販のブルーベリーには、生と冷凍とドライがあります。生は洗って、冷凍は解凍して、ドライはそのままいただくこともできますが、どれも料理にも使うことができるんですよ。例えば、パンケーキに混ぜたり、マヨネーズやしょうゆと混ぜて調理料にしたりすれば、爽やかな酸味で美味しく、栄養も補給できます。
ーーぜひ料理に使ってみたいです。ところでブルーベリーは調理によって栄養が損なわれることはあるのでしょうか?
西尾さん ブルーベリーに含まれるアントシアニンは比較的熱によって失われやすいので、レンジ調理など短時間の加熱にとどめることが望ましいとされています。
特にビタミンCは熱に弱いため、ブルーベリーの栄養を丸ごと取り入れたい場合は生で食べるのがおすすめです。
一方でβカロテンやビタミンEなどの脂溶性ビタミンは加熱しても失われにくいといわれています。また食物繊維も加熱により失われることはありません。
そのためブルーベリーは、調理などで加熱しても比較的栄養成分が残りやすい果物であるといえます。
ブルーベリーを使った意外な食事レシピ3選
ーーおやつやデザートだけでなく、積極的に食事にも取り入れたいブルーベリー。3つの意外なレシピをご紹介します。
1.ブルーベリー納豆
©わかさ生活
【材料】(作りやすい分量)
納豆 1パック
ブルーベリーだししょうゆ 適量
【作り方】
納豆にブルーベリーだししょうゆを入れてよく混ぜる。
ブルーベリーだししょうゆのレシピ
©わかさ生活
【材料】 (作りやすい分量)
ブルーベリー(冷凍) 300g
かつお節 10g
しょうゆ 300ml
【作り方】
(1)耐熱ボウルにブルーベリー、かつお節を入れ、ラップをかけて電子レンジで2分加熱する。
(2)(1)にしょうゆを加えてそのまま冷まし、ラップをかけて冷蔵庫で1日おく。
(3)ざるなどでこす
西尾さん 納豆は国民食として親しまれており健康的な食品の代表ですが、においが苦手な方もいるでしょう。ブルーベリーの香りをプラスすることで、フルーティーになりさっぱり食べられます。
2.ブルーベリーごはん
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【材料】(作りやすい分量)
米 1.5合
ブルーベリー(冷凍) 50g
もち麦(丸麦) 0.5合
【作り方】
(1)米はとぎ、炊飯器の内釡に入れる。ブルーベリー、もち麦を加え、2合の目盛りまで水(分量外)を入れて普通に炊く。
(2)炊き上がったらさっくり混ぜる。
西尾さん 視覚は食欲と密接な関係があり、視覚に頼って美味しさを感じているといわれています。ブルーベリーごはんは彩りがキレイなので、食卓が華やかになり、食欲が増します。
またブルーベリーをそのまま入れることで、白米に不足しがちな食物繊維量がアップ。酸味があるので食欲がないときでもさっぱりと食べることができます。
3.ブルーベリーたらこスパ
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【材料】(2人分)
パスタ 160g
〈たらこソース〉
たらこ 1腹(60g)
A ブルーベリーマヨネーズ 大さじ2
A 牛乳 大さじ1
A しょうゆ 少々
青じそ(せん切り) 適量
【作り方】
(1)パスタは塩(分量外)を加えた 熱湯で表示通りにゆでる。
(2)たらこは身を取り出し、Aを混ぜる。
(3)(2)に(1)を加えて和え、器に盛って青じそをのせる。
ブルーベリーマヨネーズのレシピ
©わかさ生活
【材料】(作りやすい分量)
A ブルーベリー(冷凍) 10g
A 無調整豆乳 60ml
A 米油(好みの油でOK) 100ml
A 塩 小さじ1/3
白ワインビネガー 小さじ 2
【作り方】
(1)ボウルなどに Aを入れ、ブレンダーなどで攪拌する。
(2)白ワインビネガーを加え、さらにしっかり攪拌する。
西尾さん 豆乳とお好みの油でつくるブルーベリーマヨネーズは、さっぱりとした味わいです。ブルーベリーに含まれる脂溶性ビタミンであるβ-カロテンは、油と一緒にとると吸収されやすいといわれています。また、たらこの特有の臭みもブルーベリーのさわやかな香りで消されて上品な味に仕上がりますのでぜひ試してみてください。
ーーブルーベリーが納豆やごはん、パスタに使えるとは意外ですよね。ブルーベリーはスーパーやコンビニで手軽に手に入るので、おやつだけでなく料理にも取り入れてみましょう!
Information
西尾 尚子(にしお・なおこ)さん
2009年株式会社わかさ生活入社。管理栄養士の知識を活かし、子どもたちへの目の啓蒙活動「メノコト元気教室」の講師や、お客様相談室でお悩み相談などを担当している。
<筆者情報>
椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。
©いらすとや