PMSに悩まされないために…“中医学”から知る原因別対処法

ライフスタイル
2020.02.19
憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「PMS」です。
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月経が近づくと体調を崩したり、気持ちが不安定になったりするPMS(月経前症候群)。20代、30代の女性に多く聞かれる悩みのひとつです。

実はPMSは、ある意味では正常な反応ともいえます。なぜなら、月経前は妊娠している可能性がある時期。外からの刺激に過剰に反応してイライラするのは外敵を寄せ付けないためですし、むくむのも妊娠に備えて体が栄養や水分を溜め込もうとしているから。体の自然な防御反応なのです。

とはいえ、そうした不調も度を越すとつらいもの。日常生活に支障が出る前に、体質に応じた対策を講じましょう。PMSはもともとあった不調が月経前の時期に強く出ているケースも多く、普段から自分の体質を把握しておくことが大切です。

血虚? 気滞? どちらの体質か見極めて対策を。

中医学の視点では、PMSの原因は大きく「血虚」と「気滞」の2つに分けられます。血虚は、血(けつ)が足りない、もしくは血の材料が足りないために起こり、よく眠れない、だるい、動悸がするなどの症状が見られます。普段から寝付きが悪かったり疲れやすい人は、血虚である可能性が大。黒ごまや黒豆、きくらげなどの黒い食べ物と、かつお、レバー、牛肉などの赤い食べ物で血をしっかり補って。また、目の酷使も血を消耗します。寝る前のスマホやTVは、普段はもとより、月経前はとくに避けるように心がけましょう。

一方「気滞」は、文字通り気の巡りが滞っている状態。月経前にイライラや偏頭痛、胸がひどく張って痛む、下痢と便秘を繰り返す、などの不調が表れるようなら、この気滞である可能性が大です。気滞はせっかちな人や神経質な人に多く見られ、ストレスで過食しがちなことも。気を巡らせる効果のある、セロリやシソ、三つ葉など香りのよい食べ物を摂り、飲み物もハーブティーなどがおすすめです。また、軽い運動には体内の“気が巡るためのスペース”を広げる効果が。眠る前のストレッチや簡単なヨガを試してみてください。服装も、なるべく締め付けないものがベターです。

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人の体はもともと四季によって変化するものですが、そこに、ホルモンによる変動も加わるのが女性の体。自分でできる小さな工夫で、憂鬱な時期を健やかに過ごしてほしいと思います。

さくらい・だいすけ 『ミドリ薬品 漢方堂』店主、国際中医師。中医学の心得や養生法をゆるくつぶやくツイッターが人気。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書・著書多数。

※『anan』2020年2月26日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子

(by anan編集部)

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