社会のじかん

複数の本業をもつ前に! 知っておきたい8つのヒント

ライフスタイル
2019.07.28
複数の本業を同時に持つ働き方“パラレルキャリア”を始めるには、まず、本当にやりたいと感じるものを見つけることが第一歩。そのために不可欠な考え方や視点、やるべきことを紹介。また、実際にスタートしたキャリアを成功へと導くためのテクニックもピックアップ。早速、実践してみよう!

新しい居場所を見つける8つのTIPS

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1:自分のことを棚卸しする。

「新しいことを始めたいと思ったら、まずは自分自身と対話をする、棚卸し作業をしましょう。“こんなキラキラした考えを持っていたんだ”“昔、こういうことをしたいと思っていたな”と、自分が好きなものを再認識でき、モチベーションも刺激されて、一歩を踏み出しやすくなります。また、“大勢で飲むことは苦手だけど、サシ飲みには向いているタイプ”のように自分を細かく分析することで、これまで気づいていなかった得意分野や、自分が楽に取り組める方法も見えてくる。それは、新しい居場所を選ぶ時の、大事な指針となります」(ジャーナリスト・堀潤さん)

2:WILLとCANを整理する。

「『WILL』は、今はできていないけど自分がやりたいこと。『CAN』は、過去の経験や得意分野からわかる、自分の持つスキルです。その両方を書き出し、重なるところをもとに新しく始めることを決めましょう。というのも、『WILL』は、やりたいことゆえにモチベーションを高く維持しやすい半面、スキルアップが必要となる。また、『CAN』は今できることだからすぐ始められるけれど、モチベーションが上がりづらい。そんな、両者のネガティブな面を補い合える部分にこそ、楽しく取り組めるテーマのヒントが隠れています」(パラレルワーカーの三原菜央さん)

3:NEEDの視点で見る。

「『WILL』と『CAN』を整理して、自分が取り組むことが明確になったとしても、それが世の中から必要とされていなければ新しい居場所は生まれづらく、仕事であれば報酬に繋がりません。“世の中にどんな需要があるか?”を書き出してみるなど、一度、必要とされていること=『NEED』の視点から考えてみる。それを忘れないようにするのがポイントです。『WILL』『CAN』『NEED』の3つが重なる部分が見つかることが理想ですし、それを複業にすることができたら、きっと、天職になるのではないでしょうか」(三原さん)

4:キーワードを3つ持つ。

「“私といえばこれ”というキーワードや肩書を決めて発信することで、“このテーマといえば○○さんだよね”と、声をかけられやすい状況が生まれます。周りの人に対して、“察して”と受け身で待つのではなく、自発的に伝えていくようにしましょう。キーワードが3つあると、その掛け合わせによって代わりのきかない人材になりやすいです。でも、最初は1つでも構わないので、決めて発信しましょう。また、キーワードを決めることで、そのキーワードに関連する情報が目に留まり、スキルアップにもつながります」(三原さん)

5:尊敬できる人を手伝う。

「どうしてもやりたいことがすぐには見つからない、という人もいると思います。そんな時は、尊敬できたり、共感ができる人、企業、団体などを探してみましょう。見つかったら、その活動のお手伝いをすることから始めてみてください。応援したいとか一緒に何かをしたいと思える人たちの行動の中には、自分がやりたいことのヒントが隠されていることが多く、お手伝いを通じてそれが見つかることがあります。たとえ、求める居場所が明確になっていなくても、少しでもいいから、アクションを起こすことが大切なのです」(三原さん)

6:時間管理をしっかりする。

「パラレルキャリアを始める人に気をつけてほしいことの一つが、時間の管理です。本業に加えて新しいことを始めるわけですから、当然忙しくなるし、そのためにバーンアウトを起こして挫折する人も少なくありません。防止策として、一度、自身の時間の使い方を書き出し、見直してみてください。これまで無駄に過ごしていた時間がきっと見つかるはずです」(三原さん)

「好きなものなら歩きながらでも何かが生まれるし、隙間時間での作業も頑張れる。そういう意味でも、自分にとって無理のないテーマを選ぶことが大切」(堀さん)

7:描写力を磨く。

「自分のビジョンを実現するには、人を巻き込むことがカギになります。その時に大事なのが、思いを人に伝える表現力と、言語化できる能力です。ふんわりとしたイメージで話しても人は共感してくれません。たとえば、『キラキラした社会にしたい』と言うより、『困っている人に“大丈夫?”と声をかけられる、温かい社会にしたい』と具体的に伝える方が、描くものが共有しやすいですよね。まずは、見えているものや音、匂い、感触などを素直に言葉にしてみてください。それだけでも情景を可視化することができ、描写力も磨けます」(堀さん)

8:いろいろなコミュニティに参加する。

「なんとなく生活をしていると、職業や年齢などバックグラウンドが似ている、属性の近い人たちが集まりやすく、環境がタコツボ化する傾向が。新しい自分の居場所を見つけたいなら、人の流動性が高い場所に身を置きましょう。普段の生活では出会えない人が集うコミュニティに参加して話すことで、新しい着想や刺激を得られる可能性は高くなります。また、自分では当たり前だと思っていたことが、知り合った相手にとっては求めていたスキルであることも。思ってもいなかったような、自分の得意分野を知るためにも有効な方法です」(堀さん)

みはら・なお 2016年からパラレルワーカーとなり、今では本業であるPRのほか、3つの肩書を持つ。著書に『自分らしく働く パラレルキャリアのつくり方』(秀和システム)。

ほり・じゅん ジャーナリスト。NPO法人「8bitNews」代表。『モーニングCROSS』(TOKYO MX)ではMCを担当。小誌にて「堀潤の社会のじかん」を連載している。

※『anan』2019年7月31日号より。イラスト・そで山かほ子 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)

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