【アイデアをためるための4つの行動習慣。】
アイデアを“ギブ”できる人になるには、自分の中にアイデアの素になる体験や知識を蓄積し、忘れないように活性化させておくことがカギに。自分というアイデア銀行にどんどん“ギブ”できるアイデアを預金していくイメージだ。そのために起こすべき具体的な行動が、「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」の4つ。それらを意識して生活することで、新鮮なアイデア貯金は増えていくはず。そうしてたまったアイデアは、あなたの個性そのもの。直接的には仕事と関係なくても、要素を組み合わせることで関係性が生まれる。
ぶつかる
アイデアと出合える機会はいつでも、どこにでもある!
アイデアの素を増やす最初のステップは、情報素材に“偶然に”出合う=【ぶつかる】こと。
「コンビニで普段選ばない具のおにぎりを買ったり、駅までの道で注目する色を決め、その色の看板や車を探すなど、どんなシーンでも未知のモノにぶつかるチャンスはあります。日常から離れる旅やライブはアイデアの宝庫。少しでも『へえ!』と感じたことは、アイデアに繋がる可能性が大。すぐにメモしたり、自分にメールを送りためておきます。ネット検索では、興味のある分野や好きなことに限定されないよう意識を」(発想法のプロ・加藤昌治さん)。
具体的なアクション
- ネットやSNSサーフィンをする。
- TV、雑誌、新聞を見る、聞く、読む。
- コンビニで初めてのモノを買ってみる。
- 知らない人がいる集まりに参加する。
- 旅やライブなど非日常体験をする。
- 決めた色にだけ注目して街を歩いてみる。
思い出す
会話中の「そういえば…」で、アイデアを再活用。
人と話していて、すっかり忘れていた古いドラマのことを【思い出す】。誰かがカラオケで歌った懐メロに当時の記憶が呼び覚まされる…。
「そんなふうに、ぶつかって得たアイデアのリソースというのは、偶然の会話や出来事によってかき混ぜられると、忘れていたアイデアにアクセスしやすくなります。『そういえば』と思うことは、あなたの中のデータベースを活用すること。自分から積極的に、ぶつかって得た情報を誰かに『そういえばこの間~』と話してみるのも、人との会話からアイデアが広がっておすすめです」
具体的なアクション
- 誰とでも気軽におしゃべりする。
- 自分が得た情報を誰かに話してみる。
- 懐メロ、昔の映画などに触れてみる。
- 昔読んだ本を読み返す。
- 好きだったことをネットで調べ直す。
- SNSのタイムラインをさかのぼってみる。
押さえる
ネットなどで下調べしてアイデアを広げ、深める。
アイデアパーソンになるには、突破するべき課題を鋭く発見すること。
「課題発見力を磨くためには、全体像を自ら【押さえる】ことが必要。興味のあるテーマや人物、事柄にぶつかったり、思い出したら、ある程度調べてアイデアを広げ、深めましょう」。
ここは、あくまでアイデアをためていくための作業。企画に落とし込むところまで細かく調べなくても大丈夫!
「ネットが主なリサーチツールになると思いますが、情報がまとまっている入門書もとても便利。異なる著者の本を何冊か読み、情報源を分散させるとベターです」
具体的なアクション
- インターネットで検索する。
- 各SNSをチェックする。
- さまざまな意見が集まる掲示板を覗く。
- 自分の周辺にヒアリングしてみる。
- テーマを扱った雑誌を流し読みする。
- 異なる著者の入門書を数冊読む。
ほる
好きな分野の専門性を高めて個性的なアイデアパーソンに!
アイデアの領域を横に広げる以外に、情報を縦軸にとことん【ほる】ことは、アイデアパーソンになるために欠かせない。
「ディープな知識を持つ分野があれば、他の人とは違う見方ができたり、強力な武器になります」。
ほる対象は、楽しみながらできる興味のある分野や趣味でOK。
「海外ドラマを例にとると、ランダムに多くの作品数を観るのは、押さえるにとどまります。そこで見つけたお気に入りの作品を何度もリピートして観たり、同じ監督や俳優の作品を網羅したり。それが【ほる】行為です」
具体的なアクション
- テーマに関する専門書を10冊は読む。
- そのテーマの業界誌を取り寄せてみる。
- 記事検索データベースなどで記事を探す。
- テーマに関するイベントや講演会に行く。
- その道に詳しい人と意見交換する。
- とことん趣味に没頭する。
かとう・まさはる 博報堂PR局シニアPRディレクター。マーケティングとマネジメントの両面から企画立案するプロ。著書に『考具』『アイデアはどこからやってくるのか』。
※『anan』2019年7月31日号より。イラスト・中根ゆたか 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)
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