
5月15日より全国公開がスタートする映画『チェイサーゲームW 水魚の交わり』でW主演を務める菅井友香さん、中村ゆりかさんにインタビュー。ドラマから7年後を描いた本作をふたりはどのように演じたのか。
お互いに意見を出して、信頼し合いながら撮影できました
女性同士の恋愛を繊細に描き、国内外で熱い支持を集める「チェイサーゲームW」シリーズが待望の映画化。“いつ×ふゆ”として愛されてきた樹(いつき)役を菅井友香さん、冬雨(ふゆ)役を中村ゆりかさんが続投。舞台はドラマから7年後、恋人から家族へと関係が変わった樹、冬雨、娘・月の暮らしを描く。作品を大切に育ててきたふたりは、家族になったいつ×ふゆの葛藤と再生、ふたりが再び歩み寄る姿をどう演じたのだろうか。
中村 恋人時代の冬雨は愛が重たいタイプだったのですが、結婚して一緒にいることに慣れてしまい、家事育児は樹にお任せ。甘えから樹とすれ違ってしまうという、リアルな関係性の変化を大切に演じました。
菅井 樹は冬雨への愛と職場のリーダーとして仕事の両立を目指していましたが、キャリアを諦めて家族を守ることに決めます。ですが、体調の変化による不安定な感情の中で、冬雨との関係性や夢を諦めたことに葛藤する。映画版ならではの悩みにぶつかっていて、私自身も自然と感情が入りました。
中村 自分だけで考えているよりも、樹と現場に入るとフィーリングで感じ取れることが多いんです。監督も瞬間的な感情を大事にしてくださるので、お互いにいろいろな意見を出して、和気あいあいとした雰囲気で、信頼し合いながら撮影できました。
菅井 お気に入りのシーンは、家族でDIYをしたところ。関係性が変わりつつある状況で“ぷんぷん”しながらも、お互いが素直になり始めている段階が愛らしかったです。
中村 娘と3人のシーンがあまりなかったので、家族旅行は思い出深いです。実際にたくさん写真を撮って、リアルに楽しんでいました。

Ⓒ2026映画『チェイサーゲームW 水魚の交わり』製作委員会
── 歩み寄って暮らすために、大事なことは何だと思われましたか?
菅井 基本的なことですが、樹は感謝の言葉がないことに不満を溜めていたので、「ありがとう」「ごめんなさい」は大事だと思いました。あとは、梢さん(伊藤歩)のような第三者の存在も大きい。パートナー以外にも相談できる人がいると、気持ちが整理しやすくなりますよね。
中村 樹と冬雨はお互いを傷つけないように、遠回しな物言いだったことで逆にややこしくなっていました。大切な相手だからこそ、本音を打ち明けることが大事だと思いました。
菅井 ゆりかちゃんもハッキリ気持ちを言ってくれるよね。
中村 感情を溜め込むのが苦手なので、モヤモヤはその日中に解決して翌日に持ち越さないようにしているんです。ただ、それぞれのペースがあると思うので、無理をせずに歩み寄れたらいいですよね。私たちの場合は気持ちが顔に出やすいので、毎日一緒にいると小さな変化にも気付けるようになりました。
菅井 私はゆりかちゃんが撮影中に「この曲がいいから聴いて」と、流してくれる音楽に癒されていました。言葉じゃないコミュニケーションも大事だなと思います。
── 現実でもいつ×ふゆが安心して暮らせるような社会になるために、どのようなことを願いますか?
中村 このシリーズを通して学ぶことがたくさんありましたし、もっと当事者に寄り添いたいという気持ちが強くなりました。ふたりがたくさんの壁を乗り越えられたのは、認めてくれる環境が大きかった。お互いが寄り添い合う世界線が整えば、より生きやすくなると思います。だからこそ、物語を通していろいろな暮らしを知っていただくことが何かのきっかけになるのかなと思います。
菅井 同性同士の恋愛にイメージがない方も、作品をきっかけに知ってもらうことによって、世界が優しくなる第一歩になると私も思います。この物語が、少しでも誰かの背中を押したり、力になると嬉しいです。
Profile
菅井友香
すがい・ゆうか 1995年11月29日生まれ、東京都出身。アイドルグループ櫻坂46を卒業後、俳優としてNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』や、『水曜日、私の夫に抱かれてください』(テレビ東京系)などに出演中。
中村ゆりか
なかむら・ゆりか 1997年3月4日生まれ、神奈川県出身。2011年、映画『5windows』でデビュー。出演作に、「賭ケグルイ」シリーズ、ドラマ『ギルティ』など。'22年に音楽活動を開始し、「Aishiteru」が本作のW主題歌に。
information
『チェイサーゲームW 水魚の交わり』
家族となった春本樹(菅井)と林冬雨(中村)は、中学生の娘と静岡・伊東で暮らす。関係がマンネリ化し、少しずつすれ違っていた愛を再び見つめ直す、大人のラブストーリー。監督/太田勇 原作/松山洋 脚本/アサダアツシ 5月15日より新宿バルト9ほか全国公開。
写真・田上浩一 スタイリスト・福田亜由美(crêpe/菅井さん) 奥富思褒里(中村さん) ヘア&メイク・カワムラノゾミ(菅井さん) 澤田梨沙(中村さん) インタビュー、文・羽佐田瑶子
anan 2495号(2026年5月13日発売)より






















