ロサンゼルス五輪での悲願のメダル獲得を目指し、日本代表が動き出す。女子は6月4日、男子は6月11日に開幕するネーションズリーグが、新生ジャパンの初舞台となる。男子日本代表は、フィリップ・ブラン前監督がパリ五輪を最後に退任し、今年から同じフランス出身のロラン・ティリ監督が指揮を執る。


パリ五輪の悔しさを糧に、新たに踏み出す一歩に注目。

パリ五輪ではメダルを期待されたが、準々決勝でイタリアにフルセットの激戦の末、惜敗。何度もマッチポイントを握っただけに悔しすぎる敗戦だったが、その試合は全競技の中でトップの視聴率を記録するほど多くの人を惹きつけ、心に刻まれた。

イタリア戦直後は代表引退に傾く選手もいたが、時間が経つと「五輪のメダルは、他のものでは代えられない」と五輪への思いが再燃。ロス五輪に向け、再び走り出した。

ただ今年はオポジットの西田有志が代表休養を表明した他、期間限定の参加になる選手もいるため、今まで控えだった選手や若手にはチャンス。ロス五輪のメダル獲得のためにも新戦力の突き上げは欠かせない。オポジットはパリ五輪代表の宮浦健人が中心になりそうだが、若手の西山大翔や高橋慶帆の台頭にも期待したい。セッターは関田誠大が右足の手術のため今大会は不参加。サントリーサンバーズ大阪をリーグ2連覇に導いた実力者・大宅真樹、代表経験豊富な深津英臣、高さが武器の永露元稀といった司令塔候補がどんなトスワークで攻撃を築くのか注目だ。

キャプテンは変わらずエースの石川祐希が務める。1年前にイタリアのトップクラブ・ペルージャに移籍し、今年5月には欧州チャンピオンズリーグで優勝。日本人男子初の快挙を成し遂げ、さらなる自信を日本代表に与えてくれそうだ。アウトサイドでは、サントリーで攻守に躍動しSVリーグ優勝に貢献した髙橋藍や、イタリア・ミラノでスケールアップした大塚達宣、成長著しい身長2mの21歳・甲斐優斗というパリ五輪代表の存在感が大きいが、後藤陸翔など初選出の選手にも逸材が揃う。

予選ラウンド第1~2週で新戦力を試し、千葉で開催される第3週は五輪経験者が多く揃う見込み。ロス五輪へと漕ぎ出す新生日本代表の船出は見逃せない。

髙橋 藍(サントリーサンバーズ大阪)
2024‐25シーズンはSVリーグ初代王者に。ロス五輪のメダルを目指し、代表でもさらに強い柱になっていく。

石川祐希(シル・スーサ・ヴィム・ペルージャ)
代表主将は5年目。欧州チャンピオンズリーグでは攻撃の中心となり、念願の世界タイトルをつかんだ。

宮浦健人
昨年まではスーパーサブ的なオポジットで、彼がいる安心感は絶大だった。今年は先発での活躍が増えそう。

甲斐優斗(専修大学)
パリ五輪にはチーム最年少の20歳で出場。主にサーバーとして活躍したが、今後はレギュラー獲りを狙う。

小野寺太志(サントリーサンバーズ大阪)
クイック、ブロックに加え、守備も器用にこなす安心と信頼のミドルブロッカー。同学年の石川主将を支える。

ネーションズリーグ2025男子

Information

〈日本の主な日程と会場〉

予選ラウンド:6/11~15・中国、6/25~29・ブルガリア、7/16~20・日本(千葉)

決勝ラウンド:7/30~8/3・中国

BS‐TBS+地上波TBS系列で日本戦全試合放送予定

写真・青木絋二、長田洋平、松尾/アフロスポーツ 文・米虫紀子

anan 2449号(2025年6月4日発売)より

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2025.6.
6
FRI
  • 六曜

    先負

  • 選日

    一粒万倍日 月徳日

心に秘めた生き方をしたいという気持ちが高まる日です。時に天啓でも受けたかのように「人生の目的」や「使命感」に燃える人も出てきやすいのですが、それが正しかったかどうかは後にわかります。目的に邁進している本人はいきいきとしますが、たいてい人に自分の思いを押し付けてしまうので、その賛否もはっきり表れます。

Movie

ムービー

Regulars

連載