木戸大聖「岡田将生さんは、そこにいてくれるだけで安心感があった」 『ゆきてかへらぬ』で共演

エンタメ
2025.03.02

左から、木戸大聖さん、岡田将生さん

文化の花が咲き乱れた大正時代の、才能あふれる若者たちの青春を描く『ゆきてかへらぬ』。木戸大聖さんが詩人の中原中也、岡田将生さんが文芸評論家の小林秀雄を演じ、才能にあふれた人間の個性と秘めた強さを表現している。

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単純には語れない、才能の中で絡まる恋と友情を描く。

木戸:中也は相手の年齢関係なく、誰にでもぶつかっていく青年だったんですよね。大役で不安もありましたが、お芝居の上でも広瀬すずさんや将生さんにぶつかっていくような気持ちで演じました。

岡田:中也は本当に素敵な役で、それを体現した大聖は、もっと胸を張ってもいいんじゃないかな。

木戸:そうですか?

岡田:僕は正直言うと、あと1年撮影が遅かったら、演じていなかった役どころ。小林は、若さもありながら文学者として熟練されている人間。今の僕だと若さと大人のバランスが上手く演じられなかったと思うので、絶妙なタイミングでの巡り合わせでした。

――文化の最前線で切磋琢磨した中也と小林は、お互いの才能を認め合っていた。演じたふたりも、役の関係性のようにリスペクトし合う仲に。

木戸:将生さんは、そこにいてくれるだけで安心感があって。僕が何をやっても全部返してくださる。中也と小林の仲の良さに泰子(広瀬すず)が嫉妬する場面では、ふたりで声を合わせて詩を朗読するのが、楽しかったです。

岡田:あのシーン、すごく良かったね。大聖は中也として生きていて、それを根岸(吉太郎)監督が逃さないように作品の世界観を突き詰めていたから。監督が「中也、中也」って大聖ばかりに夢中な姿には、嫉妬したけどね(笑)。

――中也はマイナスの感情が表現の原動力になっていたが、ふたりはお芝居の世界で生きるにあたって何が原動力なのだろうか。

木戸:僕は目の前の役者さんとお芝居をやれることの楽しさを味わうことに100%全力を注ぐ日々。その結果、観てくださった方にどう届いたのか感想や言葉をいただけることがモチベーションになっています。

岡田:それは僕も同じ。あとは、役者をやっていて、まだ出会えていない方はたくさんいるから、まだまだやっていきたいと思っています。今回の根岸監督と出会えたことも素敵な出会いでしたが、いろんな方と作品を創りたいという想いが原動力になっています。

―― 一筋縄ではいかない関係性を演じ木戸さんと岡田さんは、撮影後もプライベートで交流するほど仲良し。

岡田:撮影期間中はゴルフに行ったし、撮影後もごはんに行ったよね。

木戸:次はこんな役を演じますって近況を報告させてもらってますね。僕、将生さんと旅に行きたくて。

岡田:えっ、なんで?

木戸:遠出じゃなくていいんですよ。近場の箱根や熱海の温泉とか。

岡田:旅行もいいけど、僕は真面目な話、もう一回一緒にお芝居ができたらいいなって思ってるよ。

木戸:嬉しいです…!

PROFILE プロフィール

木戸大聖さん

きど・たいせい 1996年12月10日生まれ、福岡県出身。ドラマ『僕たちがやりました』で俳優デビュー後、映画、ドラマ、舞台など数多くの作品に出演。現在、ドラマ『バニラな毎日』(NHK総合)に秋山静役で出演中。

岡田将生さん

おかだ・まさき 1989年8月15日生まれ、東京都出身。近年はNHK連続テレビ小説『虎に翼』、映画『ラストマイル』など、様々な話題作で活躍。現在、日曜劇場『御上先生』(TBS系)に槙野恭介役で出演中。

INFORMATION インフォメーション

『ゆきてかへらぬ』

天才的な詩人・中原中也(木戸大聖)と恋に落ちた駆け出しの女優・長谷川泰子(広瀬すず)は、中也を通して文芸評論家の小林秀雄(岡田将生)と出会う。監督/根岸吉太郎 出演/広瀬すず、木戸大聖、岡田将生ほか TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中。Ⓒ2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会

木戸さん・コート¥46,200 シャツ¥31,900(共にWhite Mountaineering TEL:03・6416・5381) 岡田さん・コート¥115,500 シャツ¥40,150 タイ¥15,400(以上ポータークラシック TEL:03・3571・0099)

写真・中山京汰郎 スタイリスト・富田彩人(木戸さん) 大石裕介(SIGNO/岡田さん) ヘア&メイク・石邑麻由(WhiteCo/木戸さん) 小林麗子(岡田さん) 取材、文・福田恵子

anan2436号(2025年2月26日発売)より

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