西野亮廣「今の時代は、役割こそが一番のコンテンツ」 コンテンツをより輝かせる仕掛けとは

エンタメ
2025.03.02

西野亮廣さん

エンターテインメントの在り方を多角的な視点で模索し続けている西野亮廣さん。そんな彼が、コンテンツが持つ力をさらに引き出すために実践している手法とは?

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コンテンツをより輝かせる仕掛け。

1、コンテンツとファンをつなぐ

西野さんの代表作『えんとつ町のプペル』は、クラウドファンディングによる資金調達で制作された絵本。その後も個展や映画化といった展開ごとにクラウドファンディングを実施してきたが、その背景にはある想いが。「こちらが作った作品をお客さんに届ける、という形はどこか前時代的な気が。今の時代は、役割こそが一番のコンテンツ。制作過程を共有してみんなが役割を持つことで、作品に向ける愛情がより強くなると思います」

えんとつ町のプペル
えんとつ掃除屋のルビッチとゴミ人間プペルの交流を描いた絵本。約5年の歳月をかけて分業で制作され、累計発行部数72万部超えのベストセラーに。2020年にアニメ映画化、2021年にミュージカル化され、今年上演される大劇場版のミュージカルは海外公演も予定している。

2、音楽とクリエイターをつなぐ

コンテンツ制作時に西野さんが軸に据えるもの、それは音楽なのだそう。「まず音楽を作ってから、この曲に合う美術を、照明を…という感じでスタッフさんに説明するんです。言葉だと直接的すぎて命令っぽくなりがちですが、音楽は情報量が多いのに想像の余白がある。クリエイターの方々の自主性を尊重しつつ統一感のあるものを目指す指示書として、最適なんです」

2023年に開催された「えんとつ町の“踊る”ハロウィンナイト」。ハロウィンと盆踊りが融合したコンセプトで来場者を熱狂させた伝説のイベントが、今年の11月1日・2日に再び幕張メッセで開催決定!

3、夢を現実へとつなぐ

自らの作品制作に励む一方、上演中のブロードウェイミュージカル『オセロ』の共同プロデューサーに就任。エンタメ界の頂のひとつで存在感を示したことは、世界進出を目指すミュージカル『えんとつ町のプペル』にとっても大きな一歩に。

シェイクスピアが遺した四大悲劇のひとつ、『オセロ』を新たな視点で再解釈。デンゼル・ワシントン、ジェイク・ギレンホールといった名優を迎え、6月8日までブロードウェイ・バリモア劇場で上演中。

4、ファンとファンをつなぐ

短編映画『ボトルジョージ』は、専用劇場で1日1回上映を行うシステムも話題に。「営業前のスナックを劇場に選んだのは、上映終了後にお客さんたちが飲みながら感想を話し合ってくれたら…という想いから。ファン同士のオフラインの交流があると、そのコンテンツへの愛がより長く持続する気がします」

第97回アカデミー賞の短編アニメーション部門のショートリストに選出された『ボトルジョージ』。ボトルに閉じ込められた謎の生き物と少女の出会いを描く。五反田の「ボトルジョージ・シアター」にて上映中。チケットは公式HPで購入可能。

PROFILE プロフィール

西野亮廣さん

にしの・あきひろ 1980年7月3日生まれ、兵庫県出身。’99年にお笑いコンビ、キングコングを結成。2009年に『Dr.インクの星空キネマ』で絵本作家デビュー。映画やミュージカルの制作にも携わり、クリエイターとして国内外で活躍中。

写真・川村将貴 スタイリスト・鹿野巧真 ヘア&メイク・櫻井華奈(HITOME) 取材、文・真島絵麻里

anan2436号(2025年2月26日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2436掲載2025年02月26日発売

つながる世界 2025

“好き“でつながるママタルトの大鶴肥満さん×真空ジェシカのガクさん、井上咲楽さん×甲斐みのりさん、林遣都さん×段田安則さん×浅野和之さんが共通の“好き“を通じてそれぞれの独自のつながりを語るほか、いまや世界で人気の西野亮廣さん、中島美嘉さんが海外で成功するためのヒントを披露。身近なつながりから、スケール感あるつながりまで、幅広く紹介します。

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