15周年に相応しい、今の最高到達点を示す一枚。
「元々は自分が幸せになるために、と思って生きてきたんです。でも、そうじゃないなって。僕は周りの人が喜んでいることが大事なんだと、41歳にして気づけました。その人にとってのHAPPYとは何かにすごく興味があるし、みんなと幸せを共有し合える作品にしたかった。アルバムの方向性を決める上で、決定打となったのは『リアルタイムシンガーソングライター』。〈あぁ幸せだな〉で始まるこの曲を書いたことで、幸せにフォーカスした一枚にしようと思いました」
「リアルタイム・シンガーソングライター」は1stアルバムのタイトルであり、デビュー当時のキャッチコピー。
「このキャリアで、自分のデビュー時と直面する曲を書く人は珍しいですよね。振り返ると、昔の僕は感情のままに歌っていて、『オナニー』とかドギツいタイトルの曲もいっぱいあったので、みんなに嫌われてもおかしくなかった。でも『高橋優を売っていこう』と思ってくださったスタッフさん、僕の音楽を聴きたいと思ってくださるお客さんがいてくれたから、今日までやってこられた。感謝の気持ちでいっぱいです」
感謝の念を強く抱くのは、音楽活動を始めた頃の経験が影響しているかもしれない。
「札幌・すすきので路上ライブをしていた時代は、歌っている最中に酔っ払いの人に蹴られたり、顔に唾を吐かれたりしたことが何度もありました。名も知らない人間の音楽なんか聴きたくない、という人もいて、『ここで歌うな!』と怒鳴られながらも、必死にライブをしていました」
苦い経験をしながらも、懸命に歌い続けた理由は?
「僕は“路上ライブの木”になろうと思ったんです。何もない更地にいきなり一本の木をドンと植えたら、最初は『邪魔だよ』と文句を言われる。でも、ずっと立っていれば、そこに木があるのが当たり前になり、木を切ることになったときには、寂しがる人が出てくる。路上ライブを始めた当初は、邪険にされたこともあったけど、毎日同じ場所で歌い続けた結果『いつもの声が大きい人ね』と、みんなの身近な存在として捉えてもらえた。メジャーの世界でも『福笑い』や『明日はきっといい日になる』の人だ、と世間の方に認知してもらえるようになったのは、ずっと歌い続けてきたからだと思うんです」
今年メジャーデビュー15周年を迎える高橋さん。札幌の路上で逆境の中で育った無名の木は、今や多くの人に愛される大木となった。
「『HAPPY』は15周年に相応しい自信作になりました。高橋優の枠を広げ、もはやどんな音楽が飛び出るか予想できない域に達した一枚。このワクワクをぜひ感じてください」
PROFILE プロフィール
高橋 優(たかはし・ゆう)
1983年12月26日生まれ、秋田県出身。2010年にシングル『素晴らしき日常』でメジャーデビュー、今年7月21日にはデビュー15周年を迎える。2月22日の山梨公演を皮切りに全国ツアー「ARE YOU HAPPY?」を28会場30公演で開催。
INFORMATION インフォメーション
9thアルバム『HAPPY』。「キセキ」「spotlight」を含む全12曲。【初回限定盤A(CD+2BD)】¥9,900 【初回限定盤B(CD+DVD)】¥5,280 【初回限定盤C(CD+DVD)】¥5,280 【通常盤(CD)】¥3,520(ワーナーミュージック・ジャパン)