Who's Hot?

〈WHO’S HOT〉見取り図「ゴールデンで自分らの名前がついた冠番組を引き寄せたい」

エンタメ
2025.01.28

結成19年目のお笑いコンビ・見取り図のお二人が登場。昨年の“福男”・リリーさんと、“ロン毛”でお馴染みの盛山晋太郎さんが、お笑いへの想いや現在地について語ります。

運のみが試される「福男ゲーム」で、見事、2024年の“最優秀福男芸人”となったリリーさん。

左から、盛山晋太郎さん、リリーさん

――昨年は福ある一年でしたか?

リリー:福男になったけど、正直1か月後にはもう忘れてました。

盛山:福男にあやかるもなにも、これまでで一番何もない一年でした。なんならレギュラー番組の『ジョンソン』終わってるし、仕事減ってますから。

リリー:まあ番組が終わるのは、俺の福男ではどうにもならない巨大な組織が絡んでますから。いろんな福の形があるんでしょうね。

盛山:福って何? 俺らスピリチュアルみたいなものにアンチやから。でも逆に、九死に一生みたいなものもなかったしな。

リリー:危ないことが何もなかったということが福かも。

――盛山さん今、肋骨骨折されているそうですね。

盛山:はい、草サッカーでキーパーと衝突して。俺、めっちゃ男の子なんで。でも骨折は毎年恒例。前の年は尾てい骨で、さらにその前の年も肋骨で。これもある種縁起もんです。あ、今年も無事折れたな、って。

――結成19年目ですが、コンビ運は良かったと思いますか?

リリー:芸人の仕事だけで食えているから、運は強いんじゃない?

盛山:それはそうやね。『M‐1グランプリ』(以下M‐1)の決勝にも3回も出させてもらって。何を面白いと思うかは人それぞれですけど、おもろくて埋もれている人なんていっぱいおるよな。昔から、売れるにはおもろさだけじゃなくて半分は運やで、とか言うけど俺らは100%運やと思ってる。

リリー:俺は昔からくじ運もいいし、ほんま運だけで生きてきた感じはします。でも運って、いいと思うから良くなってくるんだと勝手に思い込んでるとこもある。

盛山:引き寄せの法則やな。

――なるほど。賞レースで結果を残したいみたいな若手時代とは違い中堅どころに入ってきたかと思いますが、今の見取り図さんはどの辺にいらっしゃると思いますか。

盛山:たまに吉本の序列を考えるんですけど…どの辺やろ。

――序列というのは?

盛山:芸歴だけじゃなく会社からどれだけ必要とされているとか?

リリー:定義はないから難しい。

盛山:でも、完全に中堅にはなりましたね。僕いま39歳なんですけど、松本(人志)さんは38歳ぐらいで『M‐1』の審査員始めたんちゃう? 時代も違うし、そもそもダウンタウンさんと自分らの経歴を比べるのもナンセンスなんですけど、『ごっつ(ええ感じ)』始まったんはいつやとか、どうしても指標になるんです。近いとこで言ったら、3年先輩のかまいたちさん。でも中堅って一番広いよな。

リリー:大御所とか師匠と呼ばれるまではみんな中堅で、中堅と呼びにくくなったらベテランと呼ぶ感じ? 蛍原(徹)さんとか、くりぃむ(しちゅー)さんとか。

盛山:まあだから中学までが若手で高校から中堅とするなら、僕らはまだ中堅高校の1年生って感じですかね。中堅高校はエスカレーター式で中堅大学4年まであるので、まあ先は長いですよ。

今に生まれたらお笑いは死んでもやらない。(盛山)

――コンビ結成から今日までを折れ線グラフで表すとしたら?

盛山:ずーっと折れてて、やっと緩やかに上向いてきてるのかな。

リリー:自然な流れちゃう?

盛山:世間はレギュラーの本数で測りたがるけど、それで言うなら一昨年が一番だったんです。でも焦ってもいなくて。この年になると、別に卑下しているわけじゃなく、自分の能力の限界がわかるんです。その中で何ができるか。

――それまでの能力は?

盛山:若い時はもう自信満々。

リリー:わからんことも、やってないこともいっぱいあったからな。

盛山:俺は高校生ぐらいが一番ピークやったんで。

リリー:ピーク早いな(笑)。

盛山:俺が大阪の高校で一番おもろいんじゃ! って(笑)。でもNSCに入っていろんな人を見て、どんどん折れていきました。

リリー:俺は、NSCは試しに行った感じ。大阪の人がどんだけ面白いかとか、お笑いを目指す人がどういう人なのかとか。だから日々勉強で、やりながら気づいていった感じがします。でも地方出身のヤツなんて、みんなそうだと思うけどね。

盛山:逆に大阪人のほうが凝り固まってるもんな。ノリとはこうで、ツッコミとはこういうことでって。まあイタい高校生でしたわ。

――でも“吉本イズム”みたいなものを感じます。

盛山:昔はそうでしたね。でも今は、芸人はろくでなしがやる仕事じゃなくなった。賞レース文化のせいで、憧れられる職業になってしまったんで。

リリー:ネットがあるし、教科書もありまくるから。昔はそんなものなくて、漫才の仕組みなんてわからんかったんです。

盛山:今のNSC生、ほんまにネタ上手いですよ。

――もし今の時代に生まれていても、お笑いをやりましたか?

盛山:絶対やらないです。もう死んでもやらない。こんな時代でしょ。コンプライアンスだなんだって楽しくなさそう。俺が憧れてた昔の芸人さんって、おねえちゃん遊びとか喧嘩とか当たり前で、ロックンローラーみたいな感じで。それが、今一番まともな生活を送っているのが芸人。芸人に品行方正を求められる時代やし、吉本の芸人よりも社員のほうが遊んでるんちゃう?(笑) 話ちゃうやないか! って芸人みんな言ってます。

リリー:5年ぐらい前から、本格的に話違ってきましたから。

盛山:俺はネタでめちゃくちゃやりたかったわけじゃなくて、私生活をめちゃめちゃにしたかったんですよ(笑)。それに、それでも今やるネタと変わらないと思うし。

リリー:俺は、吉本に入らんかもしれんけど芸人として『M‐1』には出たいと思うかも。こんなにカッコいい職業ないと思うから。

――盛山さんは、もし今の時代に生まれていたら何に?

盛山:俺が今ティーンやったら? ガキみたいなこと言いますけど、サッカー選手目指します。まあ、芸人は今世で十分やらしてもらってるし、これからもやるんで。だから悔いのないようにお笑いをやりたいですね。

――お互いに相方のどんなところがすごいと思いますか。

リリー:常に100%のサービス精神でいるところ。俺なら頭おかしくなるぐらい周りに気を使ってて、ほんまそこは尊敬してます。

盛山:サービス精神だとは思ってなくて、もともと俺ってそんなヤツ。『べしゃり暮らし』の上妻(あがつま)みたいな。こいつは逆で0%。

リリー:20%ぐらいはある。

盛山:びっくりしたのが、リリーが出身地の岡山県和気町のPR大使になった時、就任式に二人でお呼ばれしたんです。で僕は5~6分喋ったのに、こいつは文章にしたら2~3行しか喋ってなくて。腰抜かしそうになりましたもん。

リリー:記憶にないですけど。

盛山:政治家か!

――盛山さんは人情深く、リリーさんはドライなんて言われてもいますが、お二人のバランスは?

リリー:俺、人情深いですよ。

盛山:こいつ表情1.2種類ぐらいしかないです。0.2は口角がちょっとカクッと上がるぐらい。

リリー:でも、近い芸風のヤツらがコンビ組んだら仲悪くなるっていうイメージあるんですよ。逆だからこそ俺らはそこまでぶつからないし、揉めもしない。

――普段、二人でごはんとかは?

盛山:コンビで飯食いに行くヤツおらんでしょ。10年ぐらい前、時間が空いて昼飯に行くヤツ誰もおらんかったから、初めてこいつ誘ってちょっと並ぶラーメン屋に行ったんです。でも食い終わるまでの合計40分、お互い一言も喋らなかった。伝説のランチです。

リリー:覚えてないんよ、それ。ほんまに俺か?

盛山:お前以外に誰がおんねん。色白い金髪おらんやろ! こんなヤツに人情ないですよ。(差し入れの大福を食べ始めるリリーさんに)ほんでどこで食うてんねん!

リリー:美味しい。

――こちらのどらやきもどうぞ。

盛山:ほんならいただきます。何これ、今実家ですか?

――あははは(笑)。ちなみに今ハマっていることを教えてください。

リリー:1か月ぐらい前から始めた筋トレです。40歳になったし、一回、男としてやってみたくて。目指すのは、ラッパーの般若さん。

盛山:こいつ始めて3日ぐらいで、打ち合わせ中に服脱ぎ出して「俺変わったわ」って。中学生やん。でも少しポジティブになってきたし、心の栄養が満たされてる感じ。適度に続けてほしいです。俺は去年イギリスにサッカーを観に行った時、適当な英語でもめっちゃ楽しくて。それから英会話にハマって、アプリとかで勉強してます。

――噂どおり仲がいいですね。

盛山:引き寄せの法則でこのままいきますわ。次何引き寄せる?

リリー:正月休み。で、ハワイに行きたい。

盛山:いつの時代の芸能人や! 俺は憧れの反町隆史さんと共演できて木村拓哉さんにも散歩中に会えたから、だいぶ引き寄せてるんで、次は浅野忠信さんに会いたい。イチローさんと中田英寿さんにも。

――会いたい人になってます(笑)。コンビとしては?

盛山:やっぱりテレビ全盛期の芸人に憧れてたから、ゴールデンで自分らの名前がついた冠番組を引き寄せたいですね。そのためにはまずは清潔感を身につけて、あいつ清潔やぞ! ってMCの仕事をもらいたい。今、襟足を切ろうと思ってるんですけど、実は昔はあゆのジャケ写ぐらい髪長かったんです。それをちょっとずつアハ体験じゃないけど短くしてって。

リリー:俺は序列を引き寄せたい。高い序列になって休みを取って、ハワイに行きたい。全ては序列。

盛山:序列って言葉、いややな。ほんで早くハワイに行かさんと!

PROFILE プロフィール

見取り図

みとりず 左・盛山晋太郎(もりやま・しんたろう) 1986年1月9日生まれ、大阪府出身。ツッコミ担当。右・リリー 1984年6月2日生まれ、岡山県出身。ボケ担当。NSC大阪校29期生で、2007年5月にコンビ結成。’18~’20年の『M‐1グランプリ』ファイナリスト。冠番組『見取り図じゃん』(テレ朝)ほか、『ラヴィット!』(TBS系)などレギュラー出演多数。

INFORMATION インフォメーション

公式ファンクラブ「見取り図ポッセ」の会員になると、本人たちのブログやYouTubeチャンネルでも見られない特別映像の配信、単独ライブや主催ライブへのチケット先行応募など、盛りだくさんの特別なコンテンツが楽しめる! 会費は月額980円/年額9800円。詳細は公式サイトから。

詳しくはこちら

写真・吉松伸太郎 インタビュー、文・若山あや

anan 2431号(2025年1月22日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2431掲載2025年01月22日発売

冬のご自愛旅へ。

野沢温泉、白浜、奥飛騨、会津、ポロト、軽井沢…それぞれに温泉、パンダ、絶景、美食…と個性的な“癒し旅”の要素が詰まった旅の目的地をananが厳選。“餃子とビール、ときどきサウナ”のととのい旅やリモートワークをしながらリフレッシュもできる宿など、いまどきな“ご自愛旅”も提案。この冬おすすめの旅スタイルが詰まった一冊です。

詳しくみる マガジン一覧

NEW MAGAZINE最新号

No.24322025年01月29日発売

最新ボディメイク 2025

FOCUS ON注目の記事

RANKINGランキング

もっちぃ占い

PICK UPおすすめの記事

MOVIEムービー