藪前さんがくれた言葉をDIVA人生で証明します♪
この連載で対談すると距離が縮まり、急に一緒に仕事をして、記事よりも早くそっちが世に出てしまう……という現象の2回目が藪前さんでした(1回目は柴田聡子さん)。
藪前さんとの対談をしたのは10月下旬のとある平日だったのですが、藪前さんはその前日、急に「11月頭に歌舞伎町で開催されるアートフェスのイベントで、ゆっきゅんと写真家の須藤絢乃さんで何かやってくれませんか」とDMをくれたのでした。それならば! と私は考えました。早速君島大空くんのスケジュールを確認し、絢乃さんに撮影してもらった「プライベート・スーパースター」のビジュアルを展示して、イベント内で2人でライブをすることを提案しました。そこから会場の下見、作品の選定、印刷、告知の文言作成、グッズ考案と生産、フライヤー作成、セトリ組み、音響打ち合わせ、ライブ予約開始、搬入もろもろ……そして展示開始&ライブ本番2回とも大盛況に終わるまでたったの1週間。こんなことを実現できたのは藪前さん(と絢乃さん)の“しごできDIVA”っぷりによるものなのでした。あのスピード感と、初めてとは思えない我々のチームワークは、一生忘れることがないと思います。
私は対談の中で藪前さんに、きっと対立することもあるだろうあらゆる意見の中で、たくさんの人と関わって、どのように仕事することを心がけていますか、というようなことを聞きました。想像を絶するような苦難を乗り越えてこの展覧会が出来上がってるんだなってこと、いつもわかるからです。そしたら藪前さんは「楽しくやるってことくらいですかね」と笑うのでした。いや、かっこよすぎるて! 私はその言葉を胸に刻みました。私も(?)“1人では何も完結できないDIVA”なので、楽しくみんなで共同制作をやっていくぞと改めて誓わされました。自分が楽しむのもそうだけど、関わってくれる人みんなに楽しい気持ちでいてもらえるようなプロジェクトがやっぱり理想です。
11月の展示初日。藪前知子によるキュレーションだという触れ込みで展示を観にきた人たちに、藪前さんが作品の解説をする場面がありました。ああ、私たちの作品には元々価値があったけれど、それでも今この瞬間に、客観的に批評的価値が保証されていっている、そんな感覚になりました。そして藪前さんは私のことを“文化のハブ”と形容しました。その言葉が過大評価でなかったことを、これからのDIVA人生をかけて証明していきたいです。
PROFILE プロフィール

ゆっきゅん
1995年、岡山県生まれ。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。セカンドフルアルバム『生まれ変わらないあなたを』とそのリミックスEP『生まれ変わらない私を!?』が配信中。インスタ、Xは@guility_kyun
anan 2429号(2025年1月8日発売)より