人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。80歳を迎えても、出演依頼が途切れない俳優・茅島成美さん。声がかかり続ける理由をご自身はどう考えているの? そして、読者世代に伝えたいことを話してくれました。第4回目をお届けします。
otome

“年相応”であることが、実は大事なんだと思います。

50歳くらいのとき、ある有名な監督さんに、「茅島さんは、そのままの外見でいてね」と声をかけられたことがあって。頬のたるみなど、加齢を感じ始めていた頃だったから、正直「えー?!」という感じだったんですが、その方が「年齢を重ねてこの仕事をするならば、年相応であることはとても大事」と言ったのが、すごく頭に残っていて。

年を取るって、正直いいことばかりではありません。足腰は重くなるし、膝は痛いし、気持ち的にもフットワークが重くなる。外見だって、若いときに比べれば当然衰えてきます。誰だって醜くなるのはいやよね。でも、私のこの顔は、私の人生の積み重ね。今の私の顔だからこそキャスティングしてくれる人がいるんです。なのであるときから、“年相応でありたい”と思うようになりました。そのおかげか、私は長い間、年相応の女性の役をいただけています。この先も、ありのままを受け入れながら年を取っていきたいです。

好きなことを一つ持つ。それが人生を支えます。

私は戦中戦後を生きてきた世代ですが、そんな私からしても今は大変な時代です。世界ではウクライナ戦争があり、日本は一生懸命働いてもお給料が全然上がらない厳しい社会になってしまった。私の大学生と高校生の孫にもよく言うんですが、なにか一つ、“私はこうなりたい、こうありたい”と思うものを持ってほしいし、それを捨てないでほしい。なにか辛いことがあったときに、きっとそれが、自分を支える糧になると思うんです。私にとってはたぶんお芝居がそれだったんだなと、今振り返って思います。

私が20~30代を生きた時代と比べると、今は情報が多いし、世界はとても複雑になっていますよね。だからこそ、ときにはスマホから指を離して、思考を単純化することも大事な気がします。人生はどんどん長くなっているからこそ、たまにはスピードを落としてみては? 80歳の私からできるアドバイスは、そんな感じでしょうか。

かやしま・なるみ 俳優。1942年生まれ、東京都出身。子役を経て17歳で東映ニューフェイス6期生として映画界へ。代表作に『3年B組金八先生』『大好き!五つ子』など。現在『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)に、広瀬すず演じる浅葱空豆の祖母役で出演中。

※『anan』2023年3月8日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line
エンタメ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
【web限定】長谷川あかりが語る 20年来の親友・FRUITS ZIPPER鎮西寿々歌との『たべるししゃべるし』共演で見えたふたりの“素”
【web限定】長谷川あかりが語る 20年来の親友・FRUITS ZIPPER鎮西寿々歌との『たべるししゃべるし』共演で見えたふたりの“素”
Entertainment
Today's Update
自分らしい性愛について学ぶ、最新エンタメガイド
自分らしい性愛について学ぶ、最新エンタメガイド
Entertainment
Today's Update
心に傷を負ったファムファタール、 ほとばしる感情の行き着く先は…。漫画『今際の際のファムファタール』
心に傷を負ったファムファタール、 ほとばしる感情の行き着く先は…。漫画『今際の際のファムファタール』
Entertainment
CUTIE STREET・梅田みゆ、ぼる塾・きりやはるか「私たちがカプセルトイに沼る理由」
CUTIE STREET・梅田みゆ、ぼる塾・きりやはるか「私たちがカプセルトイに沼る理由」
Entertainment

Movie

ムービー

Regulars

連載