毎日のルーティンが“素髪力”を高める!
まだまだ続くコロナ禍。一見ヘアとは関係がないように思えるけれど、思わぬ弊害が。「以前よりサロンに行く機会が減り、髪のダメージがひどくなった、というお悩みはよく聞きます。そこでオススメなのが、自宅でできるヘアケアメソッド。ポイントを押さえて丁寧に行えば、日々のセルフケアで素髪力を鍛えられますよ」(トップスタイリスト・AYAMARさん)
ただ、普段やりがちな何気ない行動を並行して見直す必要も。「例えばバッグを肩にかける時に持ち手に髪を巻き込んだり、洗髪後濡れたまま放置するのも、髪を雑に扱っている行為。髪に優しくする心がけ一つで、ダメージは防げます」。自ら再生することがない髪は特に“大切に扱う”こと、また美髪を目指すべく頭皮から“育てる”意識を持つことが重要。AYAMARさん直伝のメソッドで、健やかな髪と頭皮を手に入れて。
土台を作る鉄壁ルーティンをマスター!
手に入りにくい特別なツールは不要で、どれも今日から実践できるものばかり。ちょっとしたコツを掴んで、自分史上最高の健康的な素髪を手に入れよう。
1日3回のブラッシングで根元立ち上げ&頭皮マッサージ。
朝は絡まりをほどいて根元の立ち上がりをよくし、ドライヤーなどの熱ダメージを軽減するのが主な目的。お風呂前は付着した大気中の汚れなどを落としてシャンプーの泡立ちをアップ、寝る前はリラックス効果も。
point
・タイミングは(1)朝(2)お風呂前(3) 寝る前の全3回。
・朝と寝る前の綺麗な髪用、入浴前の汚れ落とし用でブラシを分けると◎。
各ステップ3回ずつを目安に。これだけで驚きのツヤ美髪に。
1、まず前から後頭部に向かってとかす。基本はブラシを頭皮に密着させて前から後ろに動かすこと(4を除く)。
2、次に側頭部を。耳の上あたりから襟足にかけて、前から後ろに大きくブラッシング。左右それぞれ行う。
3、今度は頭頂部をクロスするように、左前から右後ろ、右前から左後ろにとかす。無理に引っ張らず優しく。
4、次に下を向いて、襟足から前方向に大きくブラッシング。頭の丸みに沿って、力を入れすぎないように。
5、最後に全体を軽くポンポン叩く。各ステップで筋肉がほぐれ、血行もアップ。夜は安眠効果も期待できる。
入浴前は毛先からブラッシング!
朝の素髪の状態と違い、夜は日中の外気の汚れが付着し、髪が絡まっていることも多いので、頭頂部からいきなりとかすと切れ毛などの原因に。まずは毛先から、次に中間部、根元、と3段階ほどに分けて。
外出前仕込みで髪バリケードを作る!
意外と見落としがちな髪と頭皮のUVケア。オイルなどのスタイリング剤を何もつけずに出かけるのは、すっぴんで紫外線を浴びるのと同じくらい無防備でハイリスク! お出かけ前のUV&保湿ケアでガードを。
マルチユースのスタイリング剤でしっかりコーティング。
「ヘアアイロンを使う人は、巻く前に専用のスタイリング剤で熱ダメージを防止。バームやオイルは、天然由来成分配合&全身に使えるマルチタイプがオススメ。UVスプレーは頭皮だけでなく毛先まで入念に。ちなみに朝シャンは、必要な油分を不足させ、頭皮むき出しの状態で外出することになるので絶対NG!」
2品ともAYAMARさんも愛用。シアバターなど天然由来成分のみで安心。上から、N. ナチュラルバーム 45g¥2,200 同 ポリッシュオイル 150ml¥3,740(ナプラ TEL:0120・189・720)
予洗い、すすぎ…正しいシャワーが美髪の絶対条件。
髪を洗う上で、実は最重要ともいうべきなのがシャワー法。シャンプー前にぬるま湯でしっかり頭皮と髪全体を濡らす予洗いはもちろん、最近話題の、お湯のみで汚れを落とす“湯シャン”も正しい知識で実践を。
point
・お湯の温度は、髪や頭皮の負担が少ない38度前後。熱すぎると、乾燥につながるので注意。
・シャンプーの3倍の時間をかけるくらいの意識で行う。
予洗いを侮るなかれ。また、すすぎにも時間を割いてシャワーをとことん丁寧に。
「髪を濡らす時は、根元まで水分を届けるため、シャワーヘッドを直接頭に当てること。入念な予洗いは、表面に付着した汚れを洗い流し、加えて、シャンプーの泡立ちをよくする効果も。泡立ちが悪いからとシャンプーの量を増やすとすすぎ残しの原因に。まずは約1分の予洗いを徹底して。“湯シャン”は毎日スタイリング剤を使うなど、シャンプーの洗浄力が必要な人には△。敏感肌や乾燥肌の人には、肌に合わないシャンプー内の物質を回避し、頭皮トラブルのリスク防止になることも」
細部まで抜かりなくトラブルの防止を。
「どれだけシャワーを意識しても、最後にすすぎ残しがあると髪や頭皮のトラブルに。見落としやすいパーツは、耳後ろやもみあげ、前髪の生え際などの顔まわり。つむじやうなじなど見えにくい後頭部も丁寧に洗い流すこと」
泡が命のシャンプー&毛先集中トリートメント。
泡立ちが弱いと摩擦でダメージを招くのはもちろん、汚れも落ちにくくなるので、必ず泡立てたシャンプーで優しく洗うこと。トリートメントは全体にたっぷり塗らず、毛先に適量と心得て。
point
・シャンプーの追加は、より泡立ちが悪くなるので注意。
・ゴシゴシ洗いは髪のダメージになるのでNG。
・トリートメントの塗りすぎは、洗い残しの原因に。
もこもこの泡で摩擦を軽減&トリートメントは毛先中心に。
「シャンプーは直接頭皮につけず、まず中間部から毛先になじませてしっかり泡立てて。その泡を頭皮につけて指の腹で優しく全体になじませること。トリートメントは、傷みが気になりやすい中間部から毛先メインでOK。ダメージが気になる場合は、実はトリートメントよりシャンプーを変えたほうが効果的」
週に1度のスペシャルデー。2STEPリバースケア。
AYAMARさんが推奨しているのが、週に1回、マルチオイルと、洗い流すトリートメントをシャンプーの前につけるリバースケア。髪悩みを解決してくれる、目からウロコのスペシャルケアなんです!
point
・髪のパサつきが気になった時に。
・入浴前のブラッシング後に行う。
天然成分のみで作られたマルチオイルで頭皮と毛先のケアを。
「まずはオイルを指先で細かく頭皮に塗り込み5分置く。その間にヘッドマッサージをすれば汚れが浮き、血行もアップ! 液だれが気になる人は、コットンの活用を。次に同じオイルをそのまま髪中間から毛先に塗布。10分置く」
上から、さらっとした質感で使いやすい。無印良品ホホバオイル 200ml¥2,490(無印良品 銀座TEL:03・3538・1311) ベストセラーの名品。大島椿 60ml¥1,650(大島椿お客様相談室 TEL:0120・457・178)
オイルの上から洗い流すトリートメントをオン。
「オイルを頭皮と髪に塗った状態で、その上から洗い流すトリートメントを毛先に塗り、目の粗いコームでとかす。こちらは塗ったあと時間を置かなくてOK。すぐに洗い流し、その後、通常通りシャンプー&トリートメントを行う」
お風呂上がりは、徹底キューティクルファースト。
濡れた髪はキューティクルが開き、最もダメージを受けやすい状態なのでいち早くタオルドライ&ドライヤーで乾かして。頭皮の乾燥が気になる人は、とろみのない化粧水(顔用でOK)をコットンに浸してなじませて。
point
・濡れ髪放置が一番NG。ターバンスタイルはすぐにやめること。
即、タオルドライ+コーミングでダメージから髪を守る。
「頭皮も毛先もポンポンとタオルで丁寧に押さえて水気を取ったら、洗い流さないトリートメントを中間から毛先に塗布し、毛先から順に目の粗いコームでとかして。コーミングで髪一本一本に均等に塗れます」
OK
NG
根元から、温風と冷風を交互に当ててオーバードライを防ぐ。
「ドライヤーは地肌から約10cm離し、根元→中間部→毛先の順でドライ。熱風を長時間同じ場所に当てないよう、ヘッドを振りながらセルフで温風と冷風を作るイメージ。キューティクルの広がりを防ぐため、風は必ず上から下に当てて」
AYAMARさん 表参道と池袋にある美容室「aole」代表、トップスタイリスト。登録者数77万人超のYouTuberとしても活躍中。親しみやすい解説が人気。『1分ヘア革命』(KADOKAWA)も話題。
※『anan』2022年5月18日号より。写真・加藤新作 スタイリスト・大島有華 イラスト・green K 取材、文・小林瑞季
(by anan編集部)