本当に効果の出るスクワットをやるべき。
誰でも、どこでもできる筋トレとして大人気のスクワット。
「でも、いわゆるスクワットは高齢者には意味がありますが、20~30代のanan読者には負荷が弱すぎて、ほぼ無意味なトレーニングです」(フィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さん)
筋トレの効果を上げるために、必要なポイントは3つある。
「まず目指す体型や改善したいポイントなど、トレーニングの目的が明確なこと。そして、その目的に合わせて、狙うべき筋肉を確実に刺激するフォームを守ること。最後に、その人の年齢や体質に合った運動の負荷があることです」
そこで、読者が望む目的をいくつか想定し、適度な負荷を与えられる、本当に効果の出る新しいスクワット、“シン・スクワット”を考案してもらった。スクワットの正しい知識を下記でおさらいしてから、トレーニングを開始!
「キツいと思えるほど結果が出ます。自分の限界に挑戦しよう」
覚えておきたいスクワットの真実。

1、スクワットで脚は太くならない
「スクワット程度の筋トレで、脚が太くなるほど筋肉を増量できる女性はほぼいません。負荷の高い筋トレ後に太くなって見えるとしたら、それはパンプアップという現象。筋肉の疲労を解消するために血流が増え、筋肉内の水分が増えて起こる一過性の現象なので、太るのとは違います」
2、正しい姿勢で行えば膝を痛めない
「元々膝を痛めている人以外、膝が痛くなるのは正しいフォームでできていない、ということにつきます。原因としては、膝が内側に入っている、つま先重心になっている、股関節や足首が硬いことが考えられます。慣れるまでは、回数より正しいフォームがとれているかに集中してください」
3、数をこなせばいいわけではない
「数をこなせばいいわけではなく、しっかり強度を上げて、できるだけゆっくり筋肉を刺激することが大事。簡単で楽チンなトレーニングでは、体は変わりません。メリハリある筋肉を作るには、辛い! と感じる程度の負荷をしっかりかけ、最初は週2回、理想は1日おきで実践してほしいです」
4、食後30分が効果的
「食後30分ほど経つと血糖値がピークを迎えます。この時に筋肉、特に太ももまわりを刺激すれば、糖を効率よく消費でき、糖が体脂肪になるのを防げます。太りにくい体を維持したいなら、食後30分のタイミングに、スクワットタイムを設けておくといいでしょう」
5、筋肉量アップには糖質も必須
「筋肉=タンパク質と思いがちですが、適度に糖質も摂らないと筋肉は作られません。体は糖質で得たグリコーゲンをエネルギーにして動きます。でも極端な糖質制限などをすると、体内のタンパク質を分解してエネルギーに変換するので、筋肉も分解されてしまい筋トレの効果が得られません」
むくみのない脚へ:フルレンジスクワット【15回×3セット】
主に使う筋肉

大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋

1、足は腰幅より広めに開けて立ち、つま先は若干外に向けて。お尻を引くようにして膝が直角になる位置まで腰を落とす。両足の脇に添えるように両手を置き、指はそっと床に触れる程度。視線は2~3m前方の下辺り。膝はつま先と同じ方向の外側を向き、足指より前に出ないように注意。呼吸は自然に。

【NG】しゃがんだ状態の時、膝がつま先の方向ではなく内側に入ってしまうと膝を痛めやすいので注意。股関節を開いて、膝を外に向けて。
2、両手を前に振り上げるようにしながら、体をゆっくり起こす。視線は体の動きに合わせ前方上に。お尻の筋肉・大臀筋、太もも裏の筋肉・ハムストリングス、太もも前の筋肉・大腿四頭筋、ふくらはぎの筋肉・下腿三頭筋をしっかり使って。腕の勢いで起き上がるのではなく、下半身の筋肉を使うこと。
3、2から連続の動きで両手が頭上に来るのに合わせ、かかとを上げる。両手は肩幅より広めに開ける。なるべく全身を大きく使って上に伸びること。1の姿勢に戻り1~3を繰り返す。下半身の筋肉が刺激され、血流を促進。ふくらはぎなどに溜まりがちな静脈血が心臓に戻りやすくなり、むくみが解消される。
中野ジェームズ修一さん フィジカルトレーナー。メンタルと肉体、両面を指導できるトレーナーとして長年活躍。青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当している。
ブラトップ¥9,790 レオパードレギンス¥13,200(共にスタイルボートマーケット TEL:03・6438・1874)
※『anan』2022年3月16日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・横川莉那(スペースクラフト) イラスト・井上 明 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)