シワやたるみを生む、筋肉の拘縮をほぐす。
筋肉のこわばりと、筋肉を動かす神経信号が減るとできるシワやたるみ。実は老化だけでなく、日頃何気なくやっている顔の使い方のクセも大きな原因に。
「特に最近はマスクの長時間の着用で、口の周りの筋肉を使わない人が増えました。顔には、表情を作るために様々な筋肉がついていますが、1日1mmも動いていない部分が増え、筋肉が拘縮してシワやたるみができやすくなっています」(鍼灸師・土門奏さん)
そこで今すぐやるべきなのが、筋肉の拘縮をほぐし、筋力が低下していた部分を活性化して、元ある位置に戻すこと。今回、土門さんが考案してくれたツボ押しは、時間がある時は1→2→3→4→1の順に行うのが理想。これで美顔を取り戻そう!
マスク疲れに効く! 美顔ツボ押し。
※持病がある方は医師の指示に従ってください。また、症状が続く場合など、気になる時は専門家の診察をお受けください。
1、血流の滞りによるむくみは、リンパを流してスッキリ。
A【下関(げかん)】
耳下腺リンパ節がある場所。耳の穴から指4本分前、頬骨の下の際のくぼみ。口を開けた時にもり上がる辺り。
押し方
ツボに人差し指を当て、頷く際の頭の重みで刺激する。1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。刺激すればリンパの流れが改善し、老廃物が流れてフェイスラインがスッキリ。顔色も明るくなる。
B【大迎(だいげい)】
下顎の角(エラ)から骨に沿って指を前に進めるとある、少し骨がくぼんだ場所。顔面動脈の上なので、指を当てると拍動を感じる。
押し方
人差し指をツボに当て、親指で軽く顎の骨を挟むようにする。1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。顎下のリンパ節が刺激され、血流改善。口元や舌の緊張がほぐれ、口の歪みも解消される。
2、ほうれい線の原因、口まわりの運動不足を解消。
C【顴りょう(けんりょう)】
目尻の端から真下に下ろした線と、鼻の下端の線が交わるところ。頬骨下のくぼみで、奥歯を噛むと盛り上がる場所。
D【迎香(げいこう)】
小鼻の両脇にある、少し凹んだところ。ほうれい線上の小鼻の脇。頬や上唇を上げる筋肉にも関わる場所。
押し方
人差し指を顴りょう、中指を迎香に当てたまま、上の前歯が出るまで口角を上げる。笑顔を意識。指の位置を変えずに、頷く要領で頭の重みを使ってツボを刺激する。1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。口角を上げる筋肉がほぐれて活性化され、頬の高さが復活。
E【禾りょう(かりょう)】
鼻の穴の外縁の下で、鼻と唇の真ん中よりやや上側。指で押した時に、歯ではなく歯茎に当たる位置。
F【夾承漿(きょうしょうしょう)】
下唇と顎の中間、凹んでいる部分から、左右に1.5cmほど外側。口を閉じる時に下顎を持ち上げるオトガイ筋に関連。
押し方
人差し指を禾りょう、親指を夾承漿に置く。アヒル口になるように上下の唇を中央に寄せる。その位置を動かさずに1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。刺激した後、あるべき位置に上唇が上がるのに、鼻の下を伸ばして普段の位置に戻してしまわないよう注意。
3、使いすぎで疲労してたるむ、目まわりの血流を改善。
G【四白(しはく)】
正面を向いた時の瞳の真下。ミッドチークラインの線上にある、頬の骨が凹んでいる場所。刺激することで目まわりの血流を改善できる。
H【瞳子りょう(どうしりょう)】
目尻から5mmほど外側にある骨のくぼみ。疲れ目、充血、目のかすみなどの症状を改善するのに役立つツボ。
押し方
中指を四白に、人差し指を瞳子りょうに置く。目の下に涙袋ができるまで押し上げ、その位置をキープしながら1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。目まわりのクマやくすみも解消。
4、スマホの凝視グセが生む、眉間のシワを薄くする。
I【印堂(いんどう)】
眉間の中央にあるほんの少しくぼんだ場所。眉間のシワが現れるところで、目の疲れを解消し、ストレスや緊張も緩和できるツボ。
押し方
片手の人差し指を置き、1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。眉間のシワをほぐすイメージで刺激しよう。顔全体の疲れやこわばりを感じた時にも行うと効果的。リラックス効果もある。
J【攅竹(さんちく)】
眉毛の内側の端の部分にあるくぼみ。刺激すれば、縮んで固まったままの眼輪筋、前頭筋、皺眉筋の拘縮を改善し、眉間を広げられる。
押し方
人差し指をツボに置き、眉間のシワを指で押し広げ、シワを伸ばした状態で刺激する。1、2で押して、3、4で緩めるをリズミカルに10回繰り返す。ここは骨に近い場所なので、少し強めに刺激してもいい。
土門 奏さん 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。「土門治療院」院長。女性の美と健康をサポートするため、運動やセルフケアも積極的に指導。著書に『美顔鍼 美顔率と解剖機能からのアプローチ』(医道の日本社)など。
※『anan』2022年2月16日号より。イラスト・サヲリブラウン 斎藤ヨーコ 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)