ゴッホ「ひまわり」が新ビルにお引越し! リニューアルした話題の新スポット
SOMPO美術館オープン!
【女子的アートナビ】vol. 178
SOMPO美術館の前身は、現・損保ジャパン本社ビル42階にあった「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」。1976年から43年間もの長い間、ゴッホや東郷青児の所蔵作品を含めたさまざまな企画展を開催していました。
同館は2020年3月に閉まり、本社ビル敷地内に建設された地上6階建ての新美術館棟に移転。名称もSOMPO美術館に変更し、この7月にオープンしました。
開館記念展では、所蔵作品のなかでも特に人気のある作品約70点を展示。フランス近代絵画や日本画など、多彩なコレクションを楽しめます。
5階からスタート
新しい美術館の展示室は3つ。エントランスを抜けると、まずはエレベーターで5階に上がっていきます。
第1章「四季折々の自然」では、東山魁夷や岸田劉生など日本人画家による作品を紹介。植物や動物、風景を描いた油絵などが並んでいます。
この展示室の出口付近にはSOMPO美術館の建築を紹介したコーナーもありました。新しい美術館は、特に外観のフォルムがころんとしてかわいらしいのですが、解説によると「建物自体をひとつの彫刻のようにとらえた」とのこと。訪問の際には、ぜひ美術館の外観もチェックしてみてください。
ピカソとも交流…東郷青児って?
4階では、第2章「『FACE』グランプリの作家たち」からスタート。『FACE』とは、新進作家を支援するために2012年度から毎年開かれている公募コンクールのこと。そこでグランプリを受賞した現代作家たちによる感性豊かな作品7点がセレクトされています。
続く第3章「東郷青児(1897-1978)」では、昭和時代に活躍した画家、東郷青児の作品が並んでいます。1921年から7年間フランスに留学し、ピカソらとも交流のあった東郷の作品は、幻想的な雰囲気の漂う油彩画や甘美な女性像などさまざま。彼の作品のひとつ、《超現実派の散歩》は、美術館のシンボルマークにも使われています。
ちなみに、SOMPO美術館は東郷青児の作品約240点を収蔵。1930年代、損保ジャパン(当時の東京火災)は、顧客配布用のカレンダーに東郷の作品を載せたことから画家との付き合いがはじまり、最終的に彼の作品や資料が遺族などから寄贈されたそうです。
ゴッホ《ひまわり》が近い!
3階の展示室では、第4章「風景と人の営み」、第5章「人物を描く」、第6章「静物画―花と果物」と題して、アメリカの国民的画家グランマ・モーゼスやフランス近代絵画を紹介。
ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌにルノワールなど、巨匠の作品も次々と登場します。
例えば、ルノワールの《浴女》(写真右)は保存修復された新しい姿で登場。古いニスが除去され、特に肌の部分などかなり明るい色彩になっています。
最後を飾るのは、美術館の至宝、ゴッホの《ひまわり》です。以前、42階にあったときには、ほかの作品と一緒に少し高い位置にあり、見上げるようにして鑑賞したのですが、リニューアル後は一点のみ、目線の高さで展示。作品までの距離も近く、花弁の絵の具がこんもりと盛り上がっている様子や勢いのある筆触など、間近で見ることができます。
鑑賞後のお楽しみ…
鑑賞後は、ぜひ2階のミュージアムショップへ。ひまわり作品のグッズや絵ハガキなどが手に入ります。居心地の良い休憩スペースもあるので、展覧会の余韻を味わいながらひと休みすることも可能。設備も新しいので快適です。
なお、SOMPO美術館は日時指定入場制を採用し、入り口では手指の消毒と検温が実施されています。ご来館の際にはマスクもお忘れなく。
Information
会期:~9月4日(金)
休館日:月曜日(ただし8月10日は開館)
時間:午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分まで)
会場:SOMPO美術館
料金:一般 ¥1,000/大学生 ¥700/高校生以下無料
※日時指定入場制
①10時~11時 ②11時~12時 ③12時~13時 ④13時~14時
⑤14時~15時 ⑥15時~16時 ⑦16時~17時半
※時間入替制ではありません。
美術館公式サイト:https://www.sompo-museum.org/
※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。