年末の挨拶メールの書き方【ビジネスNGマナー 】メール例文付き

文・能美黎子 — 2023.12.23 — Page 1/2
年内も余すところわずかとなり、年末年始の休暇に向けて準備をしているかたも多いのではないでしょうか。今年の感謝の気持ちを伝える「年末の挨拶」を、取引先などに送るかたも多いかと思います。送るタイミングやメールの内容について、どのようにしたらよいのか悩みますよね。今回は、今さら聞けない年末年始の休み前の連絡や挨拶やメール対応のビジネスマナーについて、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが説明します。

年末の挨拶メールのNGマナーとは

ビジネスマナー メールマナー 年末年始の挨拶

【元社長秘書のマナー講座】vol. 16


年内も余すところわずかとなりました。12月末日頃から年末年始の休暇に入るかたも多いのではないでしょうか。今年の感謝の気持ちを伝えるほか、取引先や社内での良好な関係を保つために重要な役割となる「年末の挨拶」。近年では、直接ご挨拶にお伺いするのではなくメールですませることが多くなりました。送るタイミングやメールの内容について、どのようにしたらよいのか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、年末の挨拶メールの書き方や注意点などをご紹介します。しっかりとマナーを守った対応をし、気持ちのよい新年を迎えましょう。


「年末の挨拶メール」を送る際の注意ポイント5つ

1. 最終営業日の数日前までに送る

社外向けのメールの場合は、最終営業日や最終出勤日の1週間前~3日前を目安に送りましょう。ただし、年末年始の営業日に関するお知らせメールの場合は、直前ではなく余裕をもってお知らせをするのがマナーです。できれば最終営業日の2週間前、遅くとも1週間前までに伝えるのが理想的です。

2. 挨拶メールとわかる件名にする

件名に自社の企業名や自身の氏名を入れて認識されやすいようにしましょう。年末はたくさんの挨拶メールが行き交うため、見落とされないように具体的に「株式会社〇〇 年末のご挨拶」などと記載すると良いでしょう。

3. 1通ずつ個別に送信する

CcやBccなどの一斉送信ではなく、個別に送信しましょう。一斉送信だとToやCcなど宛先を間違える可能性や、迷惑メールに振り分けられてしまうリスクがあります。

4. 年末年始の営業日を記載する

自社の年末最終営業日と年始の営業開始日を必ず記載しましょう。送信相手が年末年始も仕事をしている場合は、休み中の対応の可否や必要に応じて緊急連絡先も記載しておくと良いでしょう。休業中に対応可能な連絡先がない場合、休業で迷惑をかけることに対するお詫びの言葉を一言添えておきましょう。

5. 送り損ねた場合は新年にメールを送る

不備で送れなかった場合は、新年にメールを送るようにしましょう。新年の挨拶メールで、年末に挨拶メールを送らなかったことをお詫びし、昨年の感謝の気持ちを伝えることがポイントです。また、新年のメールと年末メールを兼ねて送る場合は、新年の営業を開始してすぐに送るようにしましょう。


メールの書き方のポイント

取引先向けの挨拶メールの書き方のポイントと例文をご紹介します。メールの内容には、以下の項目を必ず入れるように構成して作成しましょう。

1. 宛名
2. 挨拶と差出人の企業名・氏名
3. 時候の挨拶
4. 一年の感謝を伝える言葉
5. 年内の最終営業日と休業期間
6. 結びの言葉


時候の挨拶と結びの挨拶で使える文例

時候の挨拶と結びの挨拶の主な文例をご紹介します。

時候の挨拶

1. 年末厳寒のみぎり、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
2. いよいよ年の瀬が迫り、お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
3. いよいよ年の瀬が迫り、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。

結びの挨拶

1. 寒気いよいよ厳しき折、ご自愛専一にてお願い申し上げます。
2. 年の瀬も迫り何かとご多用のことと存じますが、体調を崩されませんようご留意ください。
3. 輝かしいご越年を心よりお祈り申し上げます。


取引先向けの基本的な挨拶メールの例文

件名:年末のご挨拶 【△△株式会社】△△
本文:
株式会社〇〇
○○様

いつも大変お世話になっております。△△株式会社の△△です。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

年の瀬も迫り、何かとご多用の日々をお過ごしかと存じます。
本年も格別のお引き立てを賜り、心より感謝申し上げます。

さて、誠に勝手ながら、弊社は以下の日程を年末年始の休業期間とさせていただきます。
・年内最終営業日:202〇年12月○日(○)○時まで
・新年営業開始日:202〇年1月○日(○)○時より
休業期間中に頂いたお問い合わせにつきましては、1月○日以降、順次対応をさせていただきます。
ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

メールにて恐縮ではございますが、以上をもって歳末のご挨拶とさせていただきます。
寒気いよいよ厳しき折、ご自愛のうえどうぞよいお年をお迎えください。


おわりに

1年の感謝の気持ちを伝える年末の挨拶メールは、つい作業となってしまいがちですが、良好な関係に繋がる大切なものです。マナーを守り、相手に寄り添った一言を添えて、気持ちが伝わる挨拶メールを送ってみてはいかがでしょうか。来年も気持ちよくお仕事をするためにも、気持ちのよい挨拶で1年を締めくくってくださいね。何かと気忙しい時期ですが、体調を崩さぬよう素敵な休暇をお迎えください。

<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。


©Exuberation/Adobe Stock