【ビジネスマナー】「会食時のNGマナー」正しい乾杯の仕方を知っていますか?

文・能美黎子 — 2023.12.2 — Page 1/2
年末に近づき、今年は久しぶりに忘年会がある! というかたも多いと思います。久しぶりで緊張をしたり、気持ちが高ぶっているというかた、ビジネス会食のマナーには自信がありますか? 実はその行動、NGマナーかもしれません。今さら聞けない身近なマナーを、秘書歴約15年でマナーに詳しい能美黎子さんが説明します。

会食時のNGマナー

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【元社長秘書のマナー講座】vol. 13


年末に向けて、忘年会や会食の場が増えてくるかたも多いのではないでしょうか。最近街中で「久しぶりの大人数での会食だ!」という気分が高まっている声を耳にします。しかし、ビジネス会食の場合には、最低限のマナーに気を付けながら楽しまないといけません。今回は、意外と知らない会食の場でのNG行動についてご紹介をします。久しぶりの忘年会というかたも多いと思います。良かれと思ってやっている行動が、実は間違っている場合もあるので確認してみてくださいね。


NG1. 目上の方のグラスより高くあげて乾杯する

正しいマナー「目上の方のグラス位置が上にくるよう、自分のグラスは下から差し出す」

乾杯時は、気持ちが高揚してしまいついつい気が抜けがちですが、まだお酒を飲んでいない状態のため特に注意が必要な場面です。乾杯の際には、目上の方のグラスよりも自分のグラスを低い位置にするのがマナーとなります。目上の方より上の位置で乾杯することは、見下したことを意味し失礼に当たります。同じ高さの場合も同等と意味するため控えましょう。また、グラスは両手で持つようにしましょう。片手持ちは絶対にNGです! 乾杯の場でも、謙虚な気持ちや相手を立てる気持ちが大切です。


NG2. お互いのグラスをカチンと合わせて乾杯する

正しいマナー「グラス同士をぶつけずに乾杯する」

グラス同士をぶつけて音を立てる乾杯は、グラスが傷ついたり割れたりする恐れがあるため、基本的には避けるようにしましょう。特に、シャンパングラスやワイングラスは割れやすいため、グラス同士を合わせての乾杯はしません。しかし、乾杯をする相手がグラスを合わせてきた場合、同じように合わせるのもマナーです。もしも、グラス同士をぶつけないようにあなたがグラスを遠ざけてしまうと、相手の気持ちをむげにしてしまい相手に恥をかかせてしまう可能性があります。相手の立場に立って行動することもマナーのひとつです。どちらが正解なのと迷うかもしれませんが、相手の立場やふるまい、言葉に応じて、相手に合わせた行動を取ることも大切なマナーです。


NG3. グラスが空いたからと何も言わずにお酒を注ぐ

正しいマナー「お注ぎしましょうか? 次はなにを飲まれますか? と必ずひとこと添えてから注ぐ」

目上の立場の人に対して、お酒を注ぐことも飲み会マナーのひとつですが、グラスが空きそうになったからといって、何も言わずに勝手にグラスに注ぐのはマナー違反です。ビールなどの場合にやってしまいそうな行動ですが、相手のペースもありますし別の飲み物を頼みたい場合もあるため、必ず一言確認をしてから注ぎましょう。


NG4. 食べ終えたお椀の蓋を裏返して重ねる

正しいマナー「蓋を元通り戻す」

椀物を食べ終わった後、蓋を裏返しにしておくと食べ終わりの印になると聞いたことがある方も多いかと思います。実は、器が傷つく原因にもなるため裏返して椀と重ねるのはNGマナーとなります。食べ終わったら、元の状態と同じように蓋はかぶせておくのが和食のマナーと覚えておきましょう。


NG5. こぼれないように手皿をする

正しいマナー「懐紙を使う。もしくは、小皿や口に入る大きさにして食べる」

上品そうに見えるため意外とやっている方が多い、左手を食べ物の下に添える動作「手皿」ですが、実はマナーとしては良くないとされているので覚えておきましょう。垂れそうな場合は、左手を直接添えるのではなく、左手で懐紙を持って受け止めるようにしましょう。懐紙がない場合には、小皿やお椀の蓋を受け皿として使用しましょう。会食に限らず、懐紙を常備携帯している人はなかなかいないため、用意しておくととても好印象です。


おわりに

意外と知らないことも多いと感じたかたもいらっしゃるのではないでしょうか。マナーは、その一つひとつの行動があなた自身の品格につながります。これからは忘年会のシーズンとなり接待や会食など何かと参加する機会が多くなる季節、その場に応じた対応や相手を思いやる行動ができたらとても素敵ですね。自分も相手も互いに気持ちよく同じ時間を過ごすためにマナーを守ることを心掛けましょう。

<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。


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