不動産会社の女性経営者が教える! 「ご近所トラブルが起きやすい賃貸物件の特徴」

文・市岡彩香 — 2023.11.18 — Page 1/2
「ひとり暮らしをしてみたいけど不安がある…」という人は多いのではないでしょうか。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに「ご近所トラブルになりやすい賃貸物件の特徴」について教えてもらいました。プロからのアドバイス、ぜひ物件選びの参考にしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 「ご近所トラブルが起きやすい賃貸物件の特徴」

Angry women look out of house windows quarrelling. Furious female neighbors fight or argue living next doors. Vector illustration.

【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.32
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――ご近所トラブルになりやすい賃貸物件、マンションの特徴はありますか?

1.「音が響きやすい物件」

平出さん ご近所トラブルの半数以上を占めているのが、騒音トラブルです。最近ではリモートワークで働くことが一般的になったこともあり、夜中だけではなく日中の音も気にされる人が増えています。オンライン会議の話し声や、動画撮影やライブ配信の音が原因でトラブルになったという人も。部屋で楽器を使用したり、夜中に騒音をたてたりなど、特別なことをしなくても通常の生活音だけでトラブルに発展してしまうこともあるため、音が響きやすい構造の物件には注意が必要です。木造・鉄骨造に比べて、鉄筋コンクリート造の物件のほうが、遮音性が高いです。

2.「掲示板に注意書きが多い物件」

平出さん 掲示板を見ると、マンション内の雰囲気や入居者をある程度想像することができます。例えば、騒音に関する注意書きが貼られていたら、壁が薄い物件である可能性が高いですし、”マンション内禁煙”の注意書きが貼られていたら、実際にベランダや共用部で喫煙をしている人がいる可能性あり。そのため、検討している物件を内見した際に、ルールやマナーに関する注意書きが掲示板にいくつもある場合は要注意。気になる点がある場合、トラブルやクレームが発生していないか担当者に確認しておきましょう。インターネットで物件名を検索すると、マンションの口コミや住んだ人の体験談が見られることもあります。

3.「共用部分が乱れている物件」

平出さん 共用部分が乱れている物件は、管理が行き届いていなかったり、ルールやマナーを守れていない人が住んでいる可能性が高いです。共用部分のゴミ置き場が散らかっていたり、放置されたままの粗大ゴミなどがある場合も、マナーの悪い人が住んでいることが想定されます。自分がルールを守っているにもかかわらず、マナーの悪い人に巻き込まれてトラブルに発展してしまうことがあったら嫌ですよね。住人がマナーをしっかり守っている物件であれば、ゴミ置き場や自転車置き場などの共用部もキレイに保たれているはず。ご近所トラブルにあわないためには、住む前に共用部分のチェックをしておくことが大切です。

4.「入居者層が自分と異なる物件」

平出さん 生活習慣や価値観の異なる人同士がトラブルに発展するケースは多いです。どんな住民がいるかは住んでみないとわからないことではありますが、1Kやワンルームタイプが多いマンションは、ひとり暮らしの人が多いですし、玄関前に子どもの傘があったり、自転車置き場に子ども用自転車があればファミリーが住んでいることが予想できます。動物が苦手なのにペット可の物件に住んでしまうとストレスが溜まってしまったり、ご近所付き合いが苦手なのに住民の交流が盛んなマンションに住んでしまうと苦しい思いをしてしまいますよね。そのため、できる限り自分と近い属性の人が住んでいる物件を選ぶといいです。

5.「管理人がいない物件」

平出さん 管理人が常駐しているだけで、不審者やマナーの悪い住人に対しての抑止力になります。人の目があるだけで、共用部の使い方やマナーもよくなるものです。トラブルが発生した際に、すぐに相談できる人がいるのも心強いですよね。管理人がいない物件ですと、トラブルが発生したときの対処も遅くなってしまいがちですが、管理人がいることでゴミ捨て場や共用部もきれいに保たれますし、身勝手な使い方をしている住民がいる場合は注意喚起もなされるなど、住民トラブルにあうリスクが減ります。

――実際に、ご近所トラブルのある物件に住んでしまったらできる対策はありますか?

平出さん まずは管理会社や管理人に事情を説明して、迷惑がかかっていることを伝えてもらい、貼り紙で注意喚起をしてもらいましょう。特にひとり暮らしの女性は、クレームを入れたことを知られるのもこわいと思いますし、女性が1人で住んでいることを知られただけで嫌がらせにあうリスクもあるので、直接クレームを入れるのはやめておいたほうがいいです。もし今トラブルにあってしまっているのであれば、写真、ボイスレコーダー、メモなどでなるべく細かく状況を証拠として記録しておくことも重要。証拠がないと管理会社も警察も強く注意できませんし、対応してもらえないケースも多いです。

そのためできるだけ、物件の契約をする前に、
・内見時には部屋だけでなく、共用部分も一通り案内してもらう
・契約書と管理規約を確認する
・管理形態、管理人の有無を確認する

この3つは必ず注意して確認しておいたほうがいいです。入居後は、住民と顔を合わせたときには挨拶をしたり、子どもがいる場合には下の階の住人に一言だけでも挨拶をしておくことで、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。ただ、気軽に引っ越しができるのも賃貸のメリットのひとつ。もしトラブルがある物件に住んでしまったら、日々のストレスを考えると、引っ越しを検討してもいいと思います。


楽しい新生活のために慎重に丁寧に

いかがでしたか。物件選びは、住む前にしっかりと確認しておくことが大切です。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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