不動産会社の女性経営者が教える! 間取り図からわかる「選んではいけない物件の特徴」

文・市岡彩香 — 2023.11.11 — Page 1/2
「賃貸物件を探したいけど、何を基準に選べばいいのわからない…」という人は多いのではないでしょうか。今回は、女性がひとり暮らしを始めるうえで、"間取り図"を見たときに確認すべきこと、注意すべきことを、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに教えてもらいました。

不動産会社の女性経営者が教える! 「間取り図を見たときに確認すべきこと、注意すべきこと」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.30
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――まずは、ひとり暮らしの女性に人気の間取りについて教えてください!

平出さん 1Kが人気です。ワンルームと異なり、1Kであればキッチンと部屋が扉で仕切られているため、キッチンの匂いが部屋まで広がらずお洋服やバッグなどに匂いが移りづらいんです。また、1Kなら玄関の扉を開けたときにすぐ部屋が見えてしまう物件は少ないため、宅配の配達員から部屋のなかを見られる心配もありません。独立洗面台がある間取りも人気。最近は、トイレと同じスペースに独立洗面台が設置してあるタイプが増えてきていて、脱衣所に独立洗面台がある物件よりも賃料を抑えることができるため人気があります。

――初めて賃貸物件を探す際、”間取り図を見たときに確認すべきこと”はありますか?

1. 「部屋タイプの確認」

平出さん 同じ広さでも、部屋のタイプで過ごしやすさや使い勝手は変わります。自炊が多くキッチンにゆとりがほしい場合は1K、ルームシェアする場合は1DKよりも個人のスペースが確保できる2K…、など、それぞれのメリットデメリットを比較してから住みたい間取りを決めるといいです。

2. 「専有面積の確認」

平出さん 畳数だけで比較しても実際の広さとギャップがあることも多いので、畳数だけで判断するのではなく専有面積も併せて確認しておきましょう。例えば”6畳”という表記でも、ワンルームはキッチン部分も含めて6畳なのに対し、1Kはキッチンとお部屋の間に扉があるため、6畳にキッチン部分は含まれません。物件によっては、廊下や収納部分を畳数に入れている場合もあるため注意が必要です。

3. 「収納スペースの確認」

平出さん 収納スペースが少ない物件を選ぶと、部屋が狭く感じてしまうだけでなく、新しく収納家具を設置する必要がでてきてしまい、余計なコストがかかってしまうことも。間取り図の記号をよく見ると、扉がスライド式か手前に開くのかなどもわかるので、家具を置いたときクローゼットの扉が開けられるどうかについても確認しておくといいです。

4. 「部屋の形&柱の有無の確認」

平出さん 部屋の形がいびつだったり、柱が出っ張っているとデッドスペースが生まれて、家具の配置が難しくなることがあります。ロフトつきの場合は、階段下に家具が置けずスペースが有効活用できないケースも。間取り図によっては、柱で使えない部分にも関わらず専有面積に含まれているケースもあるため要注意。同じ専有面積でも柱が出っ張っている部屋は狭いことがあるので住む前に確認しておきましょう。

5. 「方角の確認」

平出さん 方角によって日照時間が変わってくるため、朝日を浴びたい人は東向き、夜勤が多かったり日中家にあまりいない人は北向きなど、生活スタイルや好みに合わせて方角も見ておくといいです。北向きより南向きの方が日当たりがよく、西向きは東向きよりも夕方まで明るいです。また、Googleマップのストリートビューを使えば、より詳細に窓からの眺めや通りの様子などをチェックすることができますよ。

――賃貸サイトや不動産店舗で間取り図を見た際、やらない方がいいことなどNG行動はありますか?

平出さん 間取り図はあくまでも参考資料ですので、絶対に正しいと信じすぎるのはやめましょう。賃貸物件の間取り図は、大家さんや管理会社が作成している場合が多いため、実際の部屋と間取りの表示が異なってしまっている場合があるんです。表示されている畳数が間違っている、窓の大きさが違う、収納スペースの大きさが違う、左右が反転していた、何もないはずのスペースに備え付けの家具があったなど、私も実際に間取り図と異なる物件を見たことがあります。寸法も正確とは限りませんので、図面に定規を当ててサイズを測り、間取り図だけを見て家具の配置を決めるのもやめておいた方がいいです。


快適に暮らすために、賢い物件探しを

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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