不動産会社の女性経営者が教える! 絶対してはいけない「賃貸物件を退去する際のNG行動」

文・市岡彩香 — 2023.9.16 — Page 1/2
「ひとり暮らしはしたいけど、できるだけお金をかけたくない…」という人も多いのでは? 今回は、ひとり暮らしをする上で知っておきたい「賃貸物件の退去時にお金をかけない方法」について、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに教えてもらいました。プロのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 「賃貸物件の退去時にお金をかけない方法」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.26
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――できるだけお金をかけずに、賃貸物件を退去する方法があれば教えてください!

平出さん 入居した時点で、すでにある傷の箇所は必ず確認をしておいた方がいいです。自分がつけていない傷や不具合箇所の修繕費用を退去時に請求されてしまわないように、傷や不具合のある箇所があった場合は写真を撮ってプリントアウトしておきましょう。そうしておけば、もし不用意な修繕費用を請求されてしまった際に重要な証拠になります。

また、火災保険の契約内容によっては修理費用をカバーできることも。保険は、火災や災害時しか使えないと考えている方も多いですが、借家人賠償責任補償がついていて、不測かつ突発的な事故(汚損・破損)が補償内容にあれば、自分の過失でつけた傷であっても費用が補償される可能性は高いです。「物を落として洗面台が割れてしまった」「子どもが物を投げて壁に穴があいてしまった」といった場合でも補償されることがあるので、もし不意に破損が起きてしまった際は退去時ではなく、すぐに保険会社へ連絡するようにしてください。

――退去時に、やっておかないと損をすることやNG行動はありますか?

NG1. 「自分でできる簡単な補修をする」

平出さん 退去時に費用がかからないようにと、壁紙の張り替えや床の補修を自分で行おうとする人がいますが、知識がないままやると、かえって傷が目立ってしまったり仕上がりが悪くなってしまい、余計にお金がかかってしまうことも。過度な修繕は自分で行わず、専門業者に任せるようにしてください。

NG2. 「退去時に掃除をしない」

平出さん 退去時にお金をかけないためには、日頃からお部屋をメンテナンスしてキレイに使うことが大切です。キッチンのカビや油汚れ、壁紙の汚れなどを放置してしまったとしても、自分で掃除して落とせる場合もあります。汚れをそのままにして退去してしまうと、余計な清掃費用や修繕費用がかかってしまうことがあるため、汚れに関しては落とせるところは自身でキレイにしておくことをオススメします。

NG3. 「退去費用をよく確認せずにサインをしてしまう」

平出さん 実際に「退去費用に納得できていないのにサインして支払ってしまい、あとから調べると払わなくてもいいお金だった」と後悔してしまったという人は多くいます。退去費用は、ガイドラインによって入居者の負担する費用と割合が定められていますが、ガイドラインに従わずに支払う必要のない費用を請求されてしまう場合があるので、納得できない場合はすぐにサインしないこと。管理会社やオーナーに交渉をして、それでも解決しない場合は消費者ホットライン、国民生活センター、不動産適正取引推進機構などに相談した方がいいです。

NG4. 「故障した箇所を退去時まで放置する」

平出さん 使っていた設備が壊れてしまった場合も、放置はせずに管理会社やオーナーへ連絡してください。水道からの水漏れを放置した結果、下の階まで水漏れが広がってしまい損害賠償を請求されてしまったというケースもあります。入居者には”善管注意義務”というものがあり、例えば、ジュースをこぼして放置して床がカビてしまったなど、通常の清掃では落ちないカビや汚れになってしまった場合は、管理を怠ったということになり修繕費用は入居者負担になってしまうんです。普段からキレイに使っていれば余計なお金はかかりません。そのため日頃からできるメンテナンスはしておきましょう。


損なくひとり暮らしをするために、できることから確認しよう

いかがでしたか。ひとり暮らしの費用をできるだけ抑えたいという人は退去時も気を抜かないで。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください!


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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