不動産会社の女性経営者が教える! 絶対やってはいけない「賃貸物件の更新&解約のNG行動」

文・武市彩花 — 2023.4.15 — Page 1/2
さまざまな物価が高騰している今、できるだけ引っ越しや家賃にもお金をかけたくないですよね。 今回は、働く女性がひとり暮らしをする際に知っておきたい「更新、借り換えのNG行動」について、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです!

不動産会社の女性経営者が教える! プロが絶対にやらない「賃貸物件の更新、借り換え」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.9

※主に東京都内、近郊のワンルーム賃貸物件が対象です。


――賃貸物件の更新や借り換えについて、知っておくべき基礎知識を教えてください!

山手さん 基本的に賃貸物件は2年で契約更新、その際には更新手数料がかかります。短期間で解約すると違約金がかかる物件は多いですし、更新せずに引っ越す際は、申請期限内に申請をしないと引っ越しができません。また、もし自分が住んでいる物件が定期借家の場合は、大家さんの都合で更新できなかったりなどの条件があるので、契約の際は確認が必要です。

――賃貸物件の更新や借り換えをする際に、やってはいけないNG行動はありますか?

NG1. 「退去日を決めないで、引越し準備を進める」

山手さん 退去日を決めておかないとスムーズに物件探しが進まないことはもちろん、元々住んでいるところの家賃と引越し先の家賃を二重で支払うことになってしまう可能性があります。「1か月分、両方の家賃を払っていました…」とお話しされるお客様も多いですから、失敗しないためにはまず退去日を決めること。決めたらそこから逆算して次に住む場所の内見や契約を進めるといいです。ただし、退去申込みをするとキャンセルできない場合も多いため、更新か借り換えかをまだ悩んでいる場合は、退去連絡はオススメしません。引っ越しをすることが確定してから連絡するようにしてくださいね。

NG2.「引越し前に、更新費用と解約費用の計算をしていない」

山手さん 損をしないためには、更新した場合、解約した場合、それぞれにどのくらい費用がかかるのか、事前に計算しておいた方がいいと思います。お客様のなかには家賃を下げるために借り換えを決めたものの、退去費用と初期費用をきちんと見積もっていなかったため、逆に高くついてしまったという人も。一般的には、更新時にかかる更新料は家賃の1.5か月分、引っ越しにかかる費用は家賃の5か月分ですから、大幅に家賃を下げない限りは、引っ越す方が費用がかかります。あらかじめ両方の費用を計算して比較しておかないと「思っていたよりお金がかかってしまった」と後悔してしまうことになりかねません。

NG3. 「更新、解約の申請時期の確認をしない」

山手さん 申請時期を把握していないと、申請がギリギリになってしまい、本来発生しない賃料が二重にかかったり、解約するのに更新料が発生したりと余計な出費に繋がります。解約の申請は退去希望日の1~2か月前に設定されている場合が多く、管理会社によっては3か月前に言わなければいけないところも。そのため更新の3か月前までには、更新するか引っ越しをするかを決めておくとスムーズ。契約時に、何か月前までに退去連絡をするべきなのかを確認して、わかりやすいところに書いておくといいですよ。更新日の3か月前にGoogleカレンダーにアラームを入れておくのがオススメです。

また、注意しておいてほしいのが、解約申請は書面で行うのが一般的なことです。電話で引越し予定を伝えただけですと、正式に受付されていない可能性もあるので要注意。更新内容の書面がポストに入っていることを確認していなくて、気づかないまま更新のタイミングになってしまい、更新のタイミングで引っ越そうと考えていたのに更新料がかかってしまったり。封筒に”重要”と書いていないため、悪気なく書面をスルーしてしまう人が多いのだと思います。

NG4. 「契約内容の変更を確認しないで、更新をする」

山手さん 更新の際、契約内容が変更されていたり、借主にとって不利になっている場合があります。更新は、大家さんに契約内容を相談できる機会でもありますから、更新の際、契約内容の確認は必ずしてほしいですね。もし、賃料をあげたいと言われてしまった場合、納得ができなければすぐに承諾しなくても大丈夫。私の友人は、すぐに家賃の値上げを承諾せずに消費者センターに相談した旨を伝えたところ、家賃が上がらなかったそうです(笑)。まずは大家さんに交渉して、それでも受け入れてもらえず揉めてしまうようであれば、消費者センターや弁護士に相談することもできます。

――更新するか借り換えをするか、まだ検討段階の際に確認しておくべきことはありますか?

山手さん 更新時は自分の生活環境について見直すチャンスなので、理想のライフスタイルを考えてみるといいですよ。今住んでいる物件に不満があっても、少し工夫をすれば引っ越しする必要がない場合もあります。本当にこのままの生活でいいのか、不満を感じている点や理想の生活を書き出して、引っ越す必要があるのかを検討してください。

――その他に、注意すべきことがあれば教えてください。

山手さん 人気の物件に住みたいと思っていても、更新時にタイミングよく募集していないことは多いです。どうしても住みたい物件が決まっている場合は、更新時期を気にせず申込みをするのも手。ですが、隣の芝生は青く見えるということわざがあるように、初めて見る物件はよく見えがち。実際引っ越してみると前の方が良かったという場合もありますので、客観的に条件を比較して判断することを大切にしてほしいですね。


ひとり暮らしを損なく続けるなら、事前の確認は必須

いかがでしたか。女性のひとり暮らしの更新、借り換えは慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!


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