「タイミングを図る」は間違い?! 使い分けできたらスゴい漢字6選
【漢字クイズ】vol. 11
「タイミングを図る」は間違い?
では、問題です。「タイミングを図る」の「図る」は正しい? 間違い? どっちでしょう?
正解は、
「タイミングを計る」が一般的です。
「計る」の使い方は、大きく分けて2つ。まずは、数や時間を計算する場合の使用例です。
【例文】
・時間を計る
・速度を計る
次は、何かを考えたり、見積ったり、計画するときの使い方です。
【例文】
・企業の利益を計る
・国の将来を計る
・タイミングを計る
・お取り計らいくださいますよう、よろしくお願いいたします
・頃合いを見計らってご連絡します
「図る」の使い方は?
では、「図る」はどんな場合に使うのでしょう?
何かを企てたり(企図)、考えたり(意図)するときや、工夫して何かをうまく処理する場合にも使われます。
【例文】
・詐欺を図る
・便宜を図る
・身の安全を図る
・合理化を図る
特に「考える」という意味で使うとき、「計る」と「図る」で迷いますよね。そんなときは、「計る=計画する」、「図る=意図する」をイメージして選ぶとよさそうです。
「測る」、「量る」の使い方は?
その他の「はかる」もご紹介。まずは、ちょっと似ている「測る」と「量る」。
「測る」……長さや高さ、深さ、面積、程度の高低を「測定する」ときに使用。
【例文】
・距離を測る
・身長を測る
・血圧/体温を測る
また、「推測する」という意味もあるので、「真意を測りかねる」などの場合も「測る」を使えます。
「量る」……重さや容積を「計量する」ときに使用。
【例文】
・体重を量る
・量り売りの店で購入する
ほかに「推量する」という意味での「推し量る」があります。
「推測」と「推量」の違いもなかなか微妙ですよね。「測量」という言葉を見てもわかりますが、両者はとても似ています。使い分けに迷ったときは、平仮名で逃げるのが正解です!
「諮る」、「謀る」の使い方は?
最後に、「はかる」のなかではちょっとマイナー系の「諮る」、「謀る」をご紹介!
「諮る」……意見を求めたり、たずねたりするときに「諮る」を使用します。
【例文】
・役員会/委員会/審議会に諮る
「謀る」……だましたり、あざむいたり、「謀略する」という場合に「謀る」が使えます。
【例文】
・暗殺/悪事を謀る
・企業の乗っ取りを謀る
ドラマのセリフで「お前、はかったな!」というときは「謀る」になるんですね。この「謀る」は「たばかる」とも読めて、計略を用いて相手をだます、という意味もあります。「計る」と書く場面でうっかり「謀る」を使うと、なにかウラがあるのかと誤解される可能性もアリ。やはり、漢字の使い分けは大事です!
以上、6つの「はかる」をご紹介しました!
参考資料:
・「異字同訓」の漢字の使い分け例(文化庁 文化審議会国語分科会)
・『広辞苑』(岩波書店)
・『日本国語大辞典』(小学館)
※異字同訓は、時代や書き手により使い分けの基準が異なる場合があります。