恥!「感染症と戦う」は間違い? 使うのに迷う漢字3選
【漢字クイズ】vol. 8
使うのに迷う異字同訓3選!
ネットやテレビでよく見聞きするあの漢字、いざ自分が使うとなると、あれ、いくつか思い浮かぶけど、どれを使えばいいんだっけ? なんてことありませんか。というわけで、使うのに迷う漢字を集めました。あるある3選、胸のつかえが取れますよ!
「感染症と戦う」は間違い!
正解は、
「感染症と闘う」です。
「戦う」は、武力や知力などを使って争う、勝ち負けや優劣を競う時に用い、「闘う」は、困難や障害などに打ち勝とうとする、闘争する時に使います。「闘う」対象はおもに物体ではなく、かつ競おうともしておらず、自分ひとりが打ち負かそうとするもの。ですから、「感染症とたたかう」は「闘う」になります。対して、「戦う」は相手もヤル気満々な時に選択すればいい、と覚えるといいかもしれないですね。
「戦う」の例文
敵と戦う
選挙で戦う
優勝を懸けて戦う
意見を戦わせる。
「闘う」の例文
病気と闘う
貧苦と闘う
寒さと闘う
自分との闘い
労使の闘い
世論を伝えるフレーズ「町の声を聞きました」は間違い!
正解は、
「街の声を聞きました」です。
「町」は行政区画の一つ、人家が多く集まった地域を言い、「街」は商店が並んだにぎやかな通りや地域を指します。つまり、「事件のあったまちの住民の声を聞きました」ならば、具体的なエリアを指すので「町」を使いますが、例文のように多くの人の意見を聞いた、という意味では「街」を使うんですね。また、街はcity、町はtownと頭に留めておくと使い分けしやすいかも!?
「町」の例文
町と村
○○町
町役場
町ぐるみの歓迎
城下町
下町
町外れ
「街」の例文
街を吹く風
学生の街
街の明かりが恋しい
街の声
街角に立つ
「皮のジャンパーを買った」は間違い!
正解は、
「革のジャンパーを買った」です。
そんなのわかってるよ! と総ツッコミを受けそうですが、ではなぜ革が正解なのか、きちんと説明できますか? 単によく目にする印象で選んでいませんか? 実は、「革」は加工した獣の皮を言い、「皮」は、動植物の表皮を指すんです。つまり、加工したかどうかが使い分けのポイントですね。また、「皮」には、本質を隠すもの、という意味もあります。それもあって「化けのかわが剥がれる」は「皮」が用いられているんですね。
「皮」の例文
虎の皮の敷物
木の皮
面の皮が厚い
「革」の例文
革製品を買う
革靴
革ジャンパー
革細工
以上、使うのに迷う漢字あるある3選をお伝えしました。次回もお楽しみに。
参考資料:「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)(文化庁 文化審議会国語分科会)