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結婚後の “プレッシャー”…発達障害の私が「子どもを産む」こと

文・七海 — 2018.4.28
私はアスペルガー症候群。発達障害という言葉が浸透しているとは感じるものの、まだまだ偏見や生きづらさを実感します。人が生きていくうえでの幸せとは何なのか、その答えは出せないままです。

結婚するつもりもなかったし、
子どもを産むつもりもなかった

発達障害は遺伝性だという説は、よくいわれます。アスペルガー症候群当事者として生まれ、当事者として生きてきました。人それぞれなのは重々承知ですが、私は生きづらさを感じてきました。コミュニケーションのうえで成り立つ人間関係はとても難しく、それを築くのが苦手だと痛感しています。比喩がわからず額面通り行動してしまったり、暗黙の了解がわからず不快な気分にさせてしまったり。努力してきたつもりだし、今も努力しているつもりなのですが、知らず知らずのうちに人間関係に亀裂を入れてしまっていたように思います。

学生時代はいじめに遭った経験もありますし、集団行動になじめずクラスでも1人浮いていました。そういった生活のなか、躁鬱病などの精神疾患も併発しました。全てをアスペルガー症候群の特性のせいにするつもりはありませんが、人間関係が基盤になる社会を生きるうえでは、ハンディキャップな障害であるように感じます。

また、発達障害当事者に対する風当たりは非常に強いと実感します。例えば「アスペかよ」といった罵り言葉を聞くことがあります。相手がアスペルガー症候群であろうがなかろうが、当事者を差別しているからこそ出てくる言葉なのではないかと思います。「だってアスペは空気が読めないし面倒だから」と言われそうですが、その考えが偏見や差別の根本なのだと考えています。

アスペルガー症候群は遺伝性の可能性がある、と聞いたとき、私は子どもを産まないと決意しました。ある種のハンディキャップを持って生まれる可能性が高いとわかっているなら、子どもにつらい思いをさせたくないと考えたのです。だから、出産の話につながるような結婚もしないつもりでした。

理解ある男性と出会って結婚。その後のプレッシャー

結婚はしないという前提で交際していたことはよくあります。結婚願望がないことも、最初に伝えていました。そんななか、病気にも私の価値観にも理解がある男性に出会いました。私は彼に、「子どもを産むつもりはないし、一緒にいたいなら事実婚が良い」と伝えました。それでも彼は結婚したいと言い、結婚したときの法的メリットを挙げてくれました。話し合うなかで、結婚という道でともに生きるのも良いものだと理解し、入籍に至ったのです。

しかし結婚についてあまり考えてこなかった私は、入籍後のプレッシャーに悩むようになりました。それは、両家の親から出産を望まれるということです。私のなかで結婚は、私と相手との問題でした。「結婚したら次は子どもがほしいのだろう」と、身内からも自然に思われるのだという感覚が抜けていたため、実親や義親たちが当然のようにそう考えるということを考えていなかったのです。

義親はとても良い人です。主人と一緒に家にお邪魔し、よくお話します。世間話の延長線上で義母からこう言われました。「これから家族を作っていくうえで大切なことよね」と。言われた瞬間、その意味を理解できませんでした。私と主人は入籍していて、もう家族なのに。家族を作っていくって何だろう? しばらくして気づきました。暗に孫を望んでいるのだ、と。多分、それが当たり前なのだ、と。

実親には学生の頃から結婚しないと宣言していました。子どもを作る気がないことも、それで伝わるだろうと思っていました。しかし、いざ結婚すると、孫を望んでいるのではないかという言動が気になるように。「子どもは作らない」と伝えましたが、心根でどう考えているのかはわかりません。

子どもを作らない選択肢を取る夫婦もいるのはわかっていますが、子どもを産むことが幸せだという風潮では、当たり前のように子どもを作りたいのだろうと思われるのだと気づいたのです。義親が良い人なぶん、申しわけなさが増しました。

遺伝性といわれている病気でも産む人は産む。
幸せのあり方はゆっくり考えよう

発達障害以外にも、遺伝性だといわれている病気はたくさんあります。その病気はハンディキャップになり得たり、生きづらさを感じたりするものかもしれません。なかには、発病したら死に至るような病気もあるでしょう。それでも、産みたい人は産んでいるのです。私は決してそれを否定しません。

発達障害から話は逸れますが、私も主人も癌家系です。癌は今のところ完全な予防が難しく、治療も大変で、死亡率も決して低くはありません。癌もすべてではないですが、遺伝性のものがあるといわれているので、彼との子どもは癌に罹患する可能性も高くなるのではないかと思います。私がもし発達障害でなかったとしても、夫婦ともに癌家系であれば妊娠への思いを踏みとどまったのではないかと考えています。しかし、同じ境遇の夫婦でも、子どもを産む人はいるだろうと思います。

私は ”幸せ” が何なのかを、改めて考えてみることにしました。幸せだと言うことは簡単です。不幸だと言うことも簡単です。だけど、私は自分自身の幸せをきちんと理解していないのだな、と感じています。

今のところ、私は「生まれてきて良かった」と思えていません。「生まれてきて良かった」と感じられるとき、私は幸せなのだと断言できるような気がします。自分が幸せだと感じられたときに、初めて子どもを幸せにできる第一歩を踏み出せるような、そんな気がするのです。

アスペルガー症候群当事者として、生きづらさを感じてきました。癌家系に生まれ、いつか私も癌になるのかもしれないな、とも思っています。だけど、それ以上に、生きていて幸せだと感じられることがあれば、きっと子どもにも、幸せを感じてほしいと期待や希望を持てるような気がしています。

幸せのあり方は人それぞれです。出産への考え方も人それぞれです。私は今、自分自身の幸せのあり方と、ゆっくりと向き合っていこうと考えています。正解なんてないんだろうけど、自分と、私を大切にしてくれている人と、生まれてくるかもしれない子どものことを想って。


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