年上の素敵なお姉様を迎え、お話を伺う「乙女談義」。デザイナー・コシノジュンコさんの第3回目は、ご自身の創作のコンセプトのお話です。なにやら妊娠した際のお腹の変化がきっかけだったとか。
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丸と四角。その対極関係が、創作のコンセプト。

私の創作のコンセプトは、〈対極〉。例えば白と黒、東洋と西洋、そして丸と四角。私の中にこのコンセプトが生まれたのは、1980年に子どもを妊娠したときのことでした。

’78年からパリコレに挑戦し始めて、本当にこれからというときに、お腹がまん丸くなってきて、そのときふと、「なんで丸? なんで四角じゃないの?」と思ったのが一番のきっかけです。そしてお腹の羊水、つまり水の中でなぜ子どもが生きていられるのか…。考えれば考えるほど、妊娠は不思議な経験でした。その前まで私は、世の中がどうとか、どこの国がかっこいいとか、創作のテーマを自分の外に求めていた。でも妊娠で丸と四角の概念に出合って以降は、私のものづくりのコンセプトはずっと〈対極〉。

丸は完璧であり宇宙。一方四角は数字の世界。このコンセプトを持ったことで、クリエイションだけではなく、ブレない生き方をも手に入れられた気がしています。

ポジティブ思考と好奇心が、人生を楽しくします。

今年の3月、トレーニング中にアキレス腱を断裂してしまいました。手術をしたものの、しばらくは動けないし歩けない。でも、こういうときこそおしゃれをしようと思い、無理を言って真っ黒な車椅子を探してもらい(笑)、私らしい療養生活を送りました。断裂したその瞬間は、「なんで私がこんな目に?!」と思いましたが、根本的に私は物事をマイナーに考えないタイプ。実は私、救急車も入院も、この年で初めてだったんです。療養生活のおかげで、街に、人に、自分自身に、新しい気づきがたくさんあった。ネガティブになりそうなときこそ先入観にとらわれず、前向きに、好奇心を忘れないことが大事だと思います。

ちなみにコロナ禍初期の外出禁止令が出ていた時期は、ここぞとばかりに絵をたくさん描きました。高校生のときの“画家になりたい”という夢が、今頃になって叶った! あの2か月は、これまでの人生の中で一番忙しく、精力的だったかもしれません(笑)。

コシノジュンコ デザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。近著にエッセイ集『コシノジュンコ 56の大丈夫』(世界文化社)が。

※『anan』2023年6月28日号より。写真・内山めぐみ ヘア&メイク・上田美江子

(by anan編集部)

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