風吹ジュン「日本はもっと、いろんなことが若返っていいと思う」

2023.5.21
人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは、天真爛漫な女性、優しいお母さん、訳ありの隣人…と、幅広い役柄のオファーが絶えない、風吹ジュンさん。最新作ドラマでは、フラダンスに挑戦したそうで…。第2回目をお届けします。
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初体験のフラダンス、素敵な時間でした。

もうすぐ放送されるドラマ『0.5の男』、私の役は、松田龍平さん演じる引きこもりの息子を持つお母さんです。彼女が夢中になっているのがフラダンス。撮影に入る前に経験しておきたいと思い、人生で初めてフラダンスに挑戦しました。フラダンスは、ダンスでありながら、ハワイの人にとってはフラに宿る精神性も重要視されているもの。私は20代からの友人で、フラの先生をしている「サンディー&ザ・サンセッツ」のボーカル・サンディーに、フラの心を教えてもらいました。ドラマでは別の先生に振付していただき、なんとか1曲踊れるようになりました。やってみて感じたのは、フラ文化の奥深さと、現実から自分を切り離す方法としてとても素晴らしかったということ。映画観賞や読書も効果的ですが、フラは心と体の両方に作用がある。短い時間でしたが、とてもいい経験でした。いつかハワイで、「あ、この曲知ってる、踊れる!」って思えたら楽しいですよね。

いろんな場所でもっと、世代交代が進んでほしい。

長い間エンタメの世界に身をおいていますが、最近思うことがあります。それは、いいものや新しいものを生むためには、やっぱり苦しまないといけない、ということ。ネット配信の作品に脅かされている中で、日本のドラマの現場の人たちは苦しみながらも、ものすごく戦っています。その中から徐々に、これまでとは違う作品が出てくるようになった。おそらく少しずつ、現場の世代交代が進んでいて、それが功を奏しているのかな、と思っています。団塊の世代、それからバブルを経験した人たちの一部は、申し訳ないですが、自分たちの楽しみが優先で、人材を育てることが下手だったように思います。でも、そんなバブル世代を見上げてきた人たちは、若手に繋げなければ継続的かつ柔軟な物作りができないことに、気がついている気がしています。日本はもっと、いろんなことが若返っていいと思う。政界もしかり。私は若い世代との作品作り、本当に楽しんでいますから。

ふぶき・じゅん 俳優。1952年生まれ、富山県出身。モデルを経て俳優デビュー。引きこもりの息子の母を演じるドラマ『連続ドラマW 0.5の男』(WOWOW)が5/28スタート。公開待機映画に『658km、陽子の旅』が。

ワンピース¥36,300(ナゴンスタンス TEL:03・6730・9191) イヤリング¥27,500(ドナテラ・ペリーニ/ドレスアンレーヴ TEL:03・5468・2118) 靴、靴下はスタイリスト私物

※『anan』2023年5月24日号より。写真・小川朋央 スタイリスト・岡本純子 ヘア&メイク・高松由佳

(by anan編集部)