創設5年で日本で最も人気のeスポーツチームのひとつになった「Crazy Raccoon」。代表のおじじさんが、異例のチーム運営について語る。
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Crazy Raccoon(以下CR)は、日本の人気プロeスポーツチームの中でも前例のない挑戦を重ね、独自のポジションを築いているチームだ。

チームおよび所属メンバー45人のTwitterやYouTubeの登録者数は計2000万人超。’22年6月には、チームやメンバーのオリジナルグッズを販売する店舗を日本のチームとして初めて渋谷にオープンし、併設の「CR GAMING SPACE」には、無料で使えるハイスペックゲーミングPC60台以上を完備している。

もうひとつ忘れてはならないのが主催する「CR CUP」だ。チーム内外のプロ選手やストリーマー、VTuberはもちろん、山田涼介さんや『【推しの子】』の原作などで知られる赤坂アカさんなど幅広い出場者が参加するこの大会シリーズは、’19年の初開催から約4年で国内最大級のeスポーツイベントとなった。

最近では自社で格闘ゲームの開発を始めたりと、eスポーツチームとしてはあまりに異例ずくめのCR。思わず「なんと呼ぶのがよいでしょう?」と代表のおじじさんに聞くと、かなり悩んだのちにこう答えてくれた。「一言で言うなら、ゲームがうまい人たちのエンタメ集団…ですかね」

異例なのは、事業の幅広さだけではない。プレイヤーファーストを掲げるCRでは、大会の賞金も配信の収益も100%選手のものだとおじじさんは言う。選手が獲得した賞金や配信の広告収入の一部をチームの収入とする契約を結ぶeスポーツチームがほとんどであることを考えると、CRの言うプレイヤーファーストの本気度が窺える。動画の編集やプロモーションにかかる費用はもちろんチームが負担。チームの主な収入源はグッズの売り上げだという(その利益も選手と折半だ)。

その徹底ぶりの背景にあるのは、おじじさんがチームを結成したそもそもの理由。「焼き肉店のオーナーをしていた時代に、プロゲーマーの人たちから『ゲームだけでごはんを食べていくことが難しい』という話を直接聞いたんです。それなら自分でプレイヤーが第一のチームをつくろうと思って設立したのがCRでした」と振り返る。

「ゲームへの愛なら、ほかのどのチームのオーナーにも負けないと断言できます。だからこそプロや配信者を誰よりもリスペクトしているし、自分の手で環境を変えたかったんですよね」

2018年4月の設立からたった5年で、CRは日本随一の人気チームに成長。チーム全体が人気を獲得し続けている理由のひとつは、おじじさんの“視点”にあるのだろう。「選手の多くは、ゲームのうまさが正義だと思っているんですよ。これは正しいけれど、本質的ではない」と、おじじさん。

「例えば、クリスティアーノ・ロナウドのスニーカーが売れるのは、サッカーがうまいからではありません。人気だから売れるんです。技術が高いことは、人気の理由のひとつでしかないわけです」

eスポーツの世界で、大会の賞金だけで生きていける人はごくわずか。しかし、たとえゲームの技術が一番でなくとも、圧倒的人気のあるプレイヤーなら契約するチームはあるし、お金を稼ぐ手段も増えるとおじじさんは言う。

「まず人気について考えよう、ということはチームのベースになっていますね。『そのためにこれをしろ』と選手に強制することはありませんが、サポートは全力でします」

今年4月には、初の大型ファンイベント「CR FES 2023」を開催したCR。1万8000人のキャパシティをもつ幕張メッセを会場にしたにもかかわらず、チケットへの応募はそれをはるかに上回った。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだが、おじじさんの目標はさらに壮大だ。「日本のeスポーツ業界はまだまだブルーオーシャンだと思います。CRとしては数十億円規模で実施したい企画をいろいろ溜めていますし、いつかは東京ドームをファンで埋めます!」

Crazy Raccoonとは?

“ゲーマーをかっこよく魅せる”というテーマのもと、2018年4月に結成。『Fortnite』『Apex Legends』『VALORANT』『Clash Royale』『Super Smash Bros.』『Brawl Stars』の6タイトルに配信者の『Streamers』部門を加えた7部門を展開。選手のSNSのフォロワーは合わせて900万人、YouTubeの登録者数は860万人を超える。国内最大級のeスポーツイベント「CR CUP」を主催するほか、ゲーミングスペースや実店舗の運営も行う。

おじじさん プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」代表。ラッパーや役者、焼き肉店のオーナーなどを経験し、2018年にプロゲーマーの友人たちと同チームを結成。自身も1日に10時間以上プレイする日もあるという大のゲーム好き。

※『anan』2023年5月17日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) ヘア&メイク・宮坂和典 取材、文・川鍋明日香

(by anan編集部)

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