人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは、レジェンド級の作家からもリスペクトが絶えない、83歳のマンガ家・水野英子さん。最終回となる今回は、先生の人生を支えたモットーと、子育てのお話を。
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自分を信じ、進むこと。それが私を支えてきました。

’60年代の終わりから’70年代初頭、若いマンガ家から仕事に関して相談を受けることが増えました。そんな中で〈著作権〉という概念があることを知り、詳しい方を招いて勉強会を開いたことも。でも出版社はそんな私の動きを警戒したので、結果、不利なこともいろいろありました。その後、私は未婚で子供を産み、子育てのために執筆の時間も機会も減り…。40歳を越えようやく時間に余裕が出たときには、時代が変わっていて、もう連載をさせてくれる場所がなかった。でも、ならば自分で描けばいいと自費出版で本を制作。それもとても楽しかったです。

昔から私は、自分のしていることは絶対に間違っていないと信じてやってきました。上手くいかないときも、どうすれば解決できるかを考えました。自分のしてきたことを“失敗”だと思ったことはありません。全ては経験です。物事に対するその考えは、83歳になった今もまったく変わりません。

子育ては大変です。若い皆さん、本当に頑張って!

32歳で子供を産み、シングルマザーとしてひとりで子育てをしました。妊娠がわかったときは、中学生のときからマンガ一筋でやってきた自分に、初めて人間らしい出来事が訪れたと思ったので、何があろうと産んで、ひとりで育てようと思いましたね。でも私は両親を早くに亡くし、兄弟姉妹もいなかったので、子育てを手伝ってくれる人はだれもいない。だから、本当に本当に大変でした。子育ては、当然ですが私がマンガで描いてきたようなファンタジーとはまったく異なり、泣いたらおむつを替えたり食事を与えたり、危険なことがないかひたすら見守っていなくちゃいけない。仕事にどんなに集中していても、子供は待ってくれません。ノッてきたときに中断させられるのが一番つらかったですね。今振り返っても、よくやってきたなと思います。これを読む方の中に、きっとこれから子供を産む人もいますよね。本当に大変ですから、皆さん頑張ってくださいね。

みずの・ひでこ マンガ家。1939年生まれ、山口県出身。’55年、15歳でデビュー。’70年に小学館漫画賞を受賞した『ファイヤー!』が、先日『復刻版 ファイヤー!』上・下として文藝春秋より復刊し、話題に。

※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。写真・内山めぐみ

(by anan編集部)

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⼒ずくで物事を通そうとすると、かえって強い抵抗にあってしまいます。そんな時は⼀度こだわりを⼿放して、基本に⽴ち返ってみること。失ったものや結果を無理に追いかける必要など元々なかったのでしょう。⼼穏やかに今やれることをしていれば、本当に⼤事なものは⾃然と戻ってきます。静かに時が満ちるのを待ちましょう。

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