人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは、俳優の多岐川裕美さん。デビュー以来、目の前の仕事をこなしながら、ひたすらに走ってきたという多岐川さん。その経験の後、いま読者世代に伝えたいことを聞きました。第3回目をお届けします。
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立ち止まり、自分と向き合う時間を持ちましょう。

忙しい時期は、ゆっくり自分のことを考える時間を持つのは難しいもの。若い頃の私はまさにそんな感じでした。30代、40代と歳を重ねる中で、どんなふうに生きたい、こんな女優になりたいといったことをほとんど考えずに生きてきてしまった。でも50歳になったときにふと、このままでいいのか、という思いがよぎりました。そこがひとつの節目でした。55歳で初めてまとまった休みを取り、初めて自分と向き合う時間を持ちました。それから少し、人生が変わったような気がします。

立ち止まるタイミングが何歳のときに来るかは人それぞれですが、できれば日々の中で、自分と対話する時間を少しずつでも持つといいのでは、と思います。そのときはぜひ、テレビや音楽を消し、スマホも手放すといいですよ。静かな時間に身を置くだけで、自分の心の声が聞こえてくるものですし、なぜか自然に前向きな気持ちになれる。騙されたと思って、ちょっとやってみてください。

「あとで」「今度」は来ないかもしれません。

若いみなさんに私が伝えたいことの一つに、やりたいと思うことがあったらとりあえずトライを、というのがあります。人間はなにかやりたいことがあっても、いろんな理由をつけてつい後回しにしがちですよね。特に若いときは時間は無限だと思うから、「あとでやろう、今度やろう」と思うもの。でもその“あとで”や“今度”は来ないこともあるし、やろうと思ったときには年齢制限を越えてしまっていることもある。だから、会いたい人にはすぐ会ったほうがいいし、やりたいこともできるだけやったほうがいい。振り返ったとき「あのときああしていれば…」と思う回数は、少ないほうが絶対いいですから。

ただ一方で、何をするにも遅いということもない。私は60歳を越えてからジムに通い始め、すっかりハマってしまいました。目下の夢は縦横の開脚! だいぶできるようになったのですが、まだまだ体が硬い…。1年後? 2年後? を楽しみに頑張っています。

たきがわ・ゆみ 俳優。1951年2月16日生まれ、東京都出身。1974年、映画でデビュー。映画、テレビドラマで活躍。代表作にドラマ『鬼平犯科帳』や映画『いつかギラギラする日』など。昨年放送された連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』への出演も話題に。

※『anan』2023年3月29日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

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