SKY-HI「“純粋・優しい・前向き”より強いものはない」 “運を掴む人”について語る

エンタメ
2023.03.19
素直に、ただまっすぐ進むこと。ボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」を手がけ、アーティストとしてだけでなくプロデューサーとしても活躍中のSKY-HIさんが運とチャンスの掴み方について語ります。

純度の高い人に出会えた僕こそ、運を掴んだ一人。

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ご自身の運の良し悪しを問えば、「めちゃくちゃ運はいいと思いますよ」と即答するSKY-HIさん。その運の良さを、自ら手がけたボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」のエピソードとともに語ってくれた。

「どんなに厳しい状況でも、『THE FIRST』は絶対にやると決めていて。コロナの影響で、予定していた自分のライブが流れてしまった際、実家でワンマンライブを行い、そこでオーディション開催についても発表したんです。結果、実家からライブ配信というのが、多くの注目を集めたことは確かなので、自分が絶対に良いと思ったことであれば、思いっきり貫くことが大事だと思います」

やると決めたら突き進む。その純度の高さが、運を掴む重要条件だと、身をもって感じているよう。

「王道から外れて、何でもかんでも目立てばいいというのは違うと思いますが、チャレンジを恐れず、置きにいかないことは大切で。結果、『THE FIRST』は日本テレビさんで取り上げていただくことができた。日テレさんのほうでも、以前に放送していた『Nizi Project』が大きな反響があり、何かまたオーディション企画を放送しようと考えていたところにスポッと入ることができて、『スッキリ』で放送してもらえた。ただ、放送が始まった当初は反響もそれほど大きくはなかったと思います。それでも“置きに”いかずにやり続けたことで、凡庸なものにならず特異性を誇示でき、結果応援してくれる人も増えたし、スタッフ側のテンションもどんどん上がっていった。信念を曲げずに貫き通したことで、雪だるま式に膨らんでいったと思います。結果、最初はMAX3か月程度の放送予定でしたが、最終的には半年ぐらい放送して、みなさんに注目してもらえました」

多くの人を魅了し、熱狂させたこの一大プロジェクトで、「一番運を掴んだのは自分かもしれない」と素直な思いも明かす。

「(プロジェクトから誕生した)BE:FIRSTのメンバー含め、純度の高い方々に巡り会えたので、この上ない幸運ですよね。でも、それは必然とも言えるかもしれない。純度の高い自分でいることで、あのモチベーションで、あの発言をしていたのだから、そういう人が集まってくるのは必然だったのかなって。4次審査の合宿終了時、『なんでこんないい子ばかり集まったんだろう』とボソッとつぶやいたら、スタッフに『そもそも日高くん(SKY-HI)、そういう人しか残してないじゃん』と言われて…確かにって(笑)。残らなかった人が邪念・雑念まみれであるということは全くなくて、残った人たちがたまたまその段階での僕の思いに共鳴し、マッチングしたってことなので、改めて、いいご縁だったなと思いますね」

オーディションでは1か月に及ぶ長い合宿審査も。そこで大事にしていたことは、「邪念・雑念の排除だった」と振り返る。

「自分が生き残るために他の人を蹴落とそうという気持ちが少しでも出てしまったら、グループを結成したとしても、きっとうまくいかない。だから、一緒に生活して、いろんなことを話して、邪な気持ちの排除みたいなことは常に心がけていたと思います。結局、こんな機会は一生に何度もあることではないから、合宿やオーディションでの体験を、この先、何度も振り返るかもしれない。そのときに“あの時間は最高だったな”と思えたほうが絶対に幸運だし、そういう方向性にすることが、自分の一番の仕事だったと思いますね」

さらに、「邪念をなくして、純度の高い人間でいられたら、結果として優しくなれる気がする」と続ける。そういう人にこそ、運が舞い込み、チャンスを掴み取れる。

「結局ね、“純粋・優しい・前向き”より強いものはないと思うんですよ(笑)。愛嬌があって、『あの人がいてくれると楽しいな』と思える人は、いろんな人の意識にポジティブに介在できると思うので、大きなチャンスに繋がりやすいような気がするんです。僕の周りにも、仕事の処理能力が特別高いわけではないけど(笑)、愛嬌があって、発言にも邪さがなくて、彼がいると現場の空気が良くなるようなスタッフがいて。だからこそ近くにいてほしいなと思うし、彼が何かミスをしたとしても誰かが手を差し伸べてくれるんですよね。特に、時代的にも“謀(はかりごと)”の時代ではなくなってきている気がして。昔は、大きな会社であればあるほど、“なんであの人が役員なんだろう”といった、上から気に入られることだけに長けた人が運を掴む傾向が強かったと思うんですけど、今はもっと少年漫画みたいな世界に近い気がしています。そうあってほしいと自分が望んでいるだけかもしれませんが、“純粋たれ”というのはこれからも言い続けていきたいなと思っています。会社のモットーにも、“純粋たれ”を足しておきましょうかね(笑)」

スカイハイ 1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、音楽プロデューサー、経営者。日本テレビとの大型プロジェクト「D.U.N.K. Showcase」がHuluストアで配信決定。東阪アリーナツアー「SKY-HI ARENA TOUR 2023‐BOSSDOM‐」チケットも発売中。

※『anan』2023年3月22日号より。写真・樽木優美子(TRON) ヘア&メイク・椎津 恵 取材、文・関川直子

(by anan編集部)

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