【生理痛】
生理痛改善には血流アップを促すツボへの刺激が一番。毎月訪れるブルーデーも、これさえ知っておけば安心。
手のひらの手首付近「手根のエリア」をもみほぐす。
「ここはツボではなく、下腹部に対応する反射区。この手根のエリアを揉みほぐすことで、下腹部の血流が良くなり、生理痛緩和の効果が期待できます。婦人科系の不調に冷えは大敵。普段からさすって温めたり、手をお湯につける手湯の習慣も取り入れてみて」
薬指の付け根を、逆の親指と人さし指で押す。
「薬指の付け根の両側を、反対側の手の親指と人さし指で捻るようにグリグリと刺激することで、下半身の血流がアップしてきます。生理痛をはじめ、生理不順、更年期障害など、婦人科系のあらゆるトラブルを緩和させることに効果的です」
【ストレス】
忙しくてなかなかストレスを発散できない時も、これなら簡単。イライラした時こそ、ぜひお試しあれ!
手のひらの中央にある「労宮」を親指で押す。
「労宮は自律神経を整える働きがあるツボ。手の指を内側に軽く曲げた時、中指と薬指が触れる間、手のひらのほぼ真ん中に位置しています。ここを親指でさすったり、押し揉んだり、やさしく刺激してあげることで、緊張感やそわそわ、不安感が和らいでいきます」
小指の爪の生え際、薬指側の「少衝」を押す。
「少衝は小指の爪の生え際、薬指側の角から1mmほど離れたところにあるツボ。ここを親指と人さし指で挟むように揉むことで、熱を冷ましたり、鎮静させたりする作用が。脳や心臓、胸とも関わりが深く、頭に血が上ってしまった時や動悸がする時などにも◎」
【免疫力UP】
秋冬にかけて、さらに強化しておきたい免疫力。この2点のツボ押しを習慣にして、菌やウイルスを撃退!
肘の内側、親指側にある「尺沢(しゃくたく)」を押し回す。
「尺沢が位置するのは、肘のシワ上にある親指側から1/3ほど入ったところ。ここを3本の指で軽く押し回してみてください。尺沢は肺と深い関わりがあり、ここを日頃から刺激しておくことで呼吸器の働きを高め、体の免疫力を強化する効果が期待できます」
人さし指の爪の生え際、親指側の「商陽」を押す。
商陽は大腸と深い関係を持つ、大腸経という経絡が始まるところ。ここを刺激することで腸の調子が整い、免疫力がアップします。場所は、人さし指の爪の親指側、生え際の角から1mm外側。急な発熱や頭をシャキッとさせたい時にも役立ちます」
【頭痛】
風邪や眼精疲労、低気圧、筋肉のこわばりなど、あらゆる頭痛に効果テキメン。痛くなったらすぐ刺激を。
親指と人さし指の延長にある骨の間「合谷」を揉みほぐす。
「合谷があるのは、手の甲側の親指と人さし指の延長線が合わさった場所。やや広い範囲で探ってみて、凹んでいたり、痛みを感じたり、一番反応が感じられるところを刺激しましょう。合谷は万能のツボで、体中のあらゆる痛みや目の疲れ、花粉症などにも効果的」
中指の先の真ん中「中衝」を逆の手の親指で押す。
「中衝は中指の先の真ん中。中指の先端は頭のてっぺんに対応する場所で、脳と深い関わりがあります。頭が痛い時は、ここを親指の先端で刺激してみましょう。また眠気覚ましにも効果的なので、頭がぼーっとした時は尖ったものでやや強めに押すのがおすすめ」
【腰痛】
慢性的な腰痛やぎっくり腰。どちらもこの2つのツボをこまめに刺激することで、痛みが和らいでいくはず。
手を握ると出てくる小指側の突起「後渓」を押す。
「後渓は手を軽く握った時に小指側の横にぷくっと飛び出る小山の先端。ポイントが見つかったら、親指を使って押し揉みます。後渓は小指から腕、背中を通る経絡上にあり、腰や背中の痛み、寝違えなどにも効果的。両手の後渓同士をこすり合わせて刺激しても」
人さし指と中指の間、中指と薬指の間にある「腰痛点」を押す。
「その名の通り、腰痛の治療に使われるツボ。人さし指と中指の間、中指と薬指の間をそれぞれ手首に向けて辿った時、骨が合わさる手前にある部分です。左右合わせて4点のうち、最も痛い、あるいは気持ちいいと思う点を重点的に刺激してみてください」
柳本真弓さん 目白鍼灸院院長。カルチャーセンター等で講師も務める。著書は『「手」をもむ、触る、押すだけで、たちまち健康になる!』(小社刊)。
※『anan』2020年10月7日号より。イラスト・momokoharada 取材、文・菅野綾子
(by anan編集部)