出町柳を起点に鞍馬山へと続く叡山電車沿線には、古くから人々の信仰を集めているパワースポットが点在している。もっとも知られているのは、鞍馬寺と貴船神社。鞍馬寺は、天狗信仰の地であり、牛若丸(源義経)が修行した場所。山道を登ったところに本殿金堂があり、その前の石畳(金剛床)から空を仰ぐと、願いが宇宙に届くのだとか。貴船神社は貴船川のほとりにあり、雨や水を司る神様として有名。石垣からあふれ出る御神水は、口当たりがよく茶会などにもよく用いられている。出町柳駅から終点の鞍馬駅まではたった30分程度にもかかわらず、壮大な自然に触れられるのも嬉しいポイント。忙しい日常から離れ、神聖な雰囲気を全身で感じたい。
出町柳駅から乗車
下鴨神社からほど近いところにある出町柳駅は、京阪電車と叡山電車とをつなぐ連絡駅。叡山電車は宝ケ池駅を分岐点に、鞍馬線と叡山本線の二手に分かれており、鞍馬線は貴船や鞍馬方面へ、叡山本線は八瀬や比叡山方面へと通じている。茶山駅の北白川疏水や、木野駅の妙満寺は桜の美しさでもよく知られている。
貴船神社で水占みくじをひいてみる
全国にある貴船神社の総本宮。水の神様「高おかみ神(たかおかみのかみ)」を祀っており、昔から朝廷による祈雨などが行われてきた。平安時代の女流歌人・和泉式部が参拝して夫との復縁が成就した逸話から、縁結びのご利益でも知られている。境内の水におみくじを浸して結果を見る「水占みくじ」にもチャレンジしてみて。(※おかみは、あめかんむりに龍)
貴船周辺は京都の街中よりも10°Cほど気温が低いといわれており、夏は避暑地となっている。左京区鞍馬貴船町180 TEL:075・741・2016 9:00~17:00(授与所受付時間) 拝観料無料
鞍馬で守護神・天狗に出合う
天狗が住む山とされ、昔から恐れられてきた鞍馬山。鞍馬駅に着くと大きな天狗の像が出迎えてくれる。鞍馬寺の本殿は、山を30分ほど登ったところにあり、ケーブルカーでも登れるけれど、おすすめは自分の足で登ること。一歩一歩登ることで、山のスケールを体で感じ、御神体である山との一体感を高めることができる。
霊宝殿には、山の豊かな自然生態系にまつわる資料や、貴重な仏像が展示・奉安されている。左京区鞍馬本町1074 TEL:075・741・2003 9:00~16:30(霊宝殿~16:00) 愛山費¥300
雍州路(ようしゅうじ)で精進料理をいただく
参拝後のランチには清らかな精進料理を。鞍馬寺の山門脇にある『雍州路』は寺の修行僧や関係者もよく利用するそう。麦ご飯やとろろ汁、山菜の白和えや胡麻豆腐、さしみこんにゃくなど、旬の食材のもち味を生かし工夫された料理は、肉や魚を使っていなくても十分な満足感が得られる。8品の料理のセット花精進膳¥2,000。
店内はレトロで落ち着いた雰囲気。本わらび粉を使用したわらび餅やコーヒーなど、喫茶メニューもいただける。左京区鞍馬本町1074 TEL:075・741・2848 10:00~18:00 火曜休(祝日は営業)
くらま辻井で牛若丸が食べていた木の芽煮を買う
牛若丸(源義経)は、鞍馬山での修行時代、山で採れた山椒やアケビの蔓を塩漬けにしたものを常食としていたといわれている。それをルーツとし、昆布などを加えて食べやすくしたのが、鞍馬の名産「木の芽煮(きのめだき)」。『くらま辻井』の木の芽煮(¥500)は、昆布の旨味と山椒の風味をぎゅっと凝縮。
木の芽煮の他にも、山椒じゃこや椎茸昆布など佃煮を多く扱う。野ぜりや新芽山椒など、旬の山菜を使った季節限定のものも。左京区鞍馬本町447 TEL:075・741・1121 10:00~17:00 水曜休
実相院門跡で日本の美に触れる
岩倉駅にある実相院門跡では、護摩木に願いを書いて本尊である木造不動明王立像に託すとあらゆる願いが叶うのだそう。日本列島を表現しているという小川治兵衛次期十二代目の小川勝章氏が手がけた石庭や、風光明媚な池庭が心を癒してくれる。築300年以上の見事な客殿や、狩野派の貴重な襖絵なども見どころ。
境内では、四季折々の風景が楽しめる。4月初旬から中旬にかけては、見事なしだれ桜が見られる。左京区岩倉上蔵町121 TEL:075・781・5464 9:00~17:00(不定休) 拝観料¥500
※『anan』2019年4月10日号より。写真・福森クニヒロ わたなべよしこ 伊藤 信 吉村規子 取材、文・大和まこ 木薮 愛 本庄 彩 下川あづ紗
(by anan編集部)
※大野いとさんも走り始めています! 美しいランナーになるために心がけたいこと。
[gunosy]
#男の本音について、もっと深く知る♡[/gunosy]