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AV監督・二村ヒトシが教える“いいセックス”の秘訣

2018.8.19
セックスは誰からも教わらないし、誰に見せるものでもない。そもそも正解がわからない。だからこそ、思い込みや誤解、コンプレックスや不満、焦燥感などがあふれている。二村ヒトシさんは、AV監督でありながら、女性の琴線に触れる恋愛論を発信。二村さんが語る、いいセックスをするために必要なこととは。
二村ヒトシ

いいセックスをするためには、パートナーと“共犯関係”を築くべきだと、僕は思います。

めくるめくセックスに憧れる人は多い。ですが時に女性は、愛させるため、あるいは愛してもらっていることを確認するために、セックスを使ってしまうことがあります(男性にもそういう人はいますが、もっと凡庸な“自分がモテることを証明するために、たくさん女性を口説いてただヤルだけの男”もいます)。そういう人たちは、じつはセックス以外の目的のためにセックスをしている。でも、カラダや社会的スペックや表面的な優しさをエサにして、恋愛ゲームの勝ち負けにこだわったり、モテや交際や結婚という“承認”のためにするセックスには、最良のオーガズムは訪れません。

セックスが楽しいのは、セックスが“やばいこと”だからです。パートナーと密室で行う悪徳の儀式だから、最高の興奮を味わえる。でもそのことに罪悪感を抱いてはいけない。だから愛する相手との共犯意識が必要なんです。浮気や不倫を勧めてるわけじゃありませんよ(笑)。ただ、結婚したり周囲公認の恋人となって、セックスが悪いことじゃなくなると、ドキドキもなくなり、本来の甘美な背徳感が失われてしまうでしょう? 世間から憧れられるキラキラなカップルが、じつはセックスレスという現象はとても多いんです。

けれど、同じ一人の“愛するパートナー”と豊かなセックスをし続ける方法はあります。社会的な体面を忘れて、あなたと彼だけの個人的な、お互いが満たされるような欲望に溺れることです。

男は案外、いいセックスは社会的なものではないということをわかっています。というのも僕らはオナニーするとき、自分には隠されたレイプ願望があるとか、逆にエロいお姉さんから誘惑されたいとか、興奮するオカズによって自分の欲望を具体的に知ることになるから。女性の中にもそれを知ってる人はいるけれど、「オラオラ系の男に強引にされるのがいい」とか「彼を感じまくらせてみたい」とか妄想することはあっても、そんな欲求を恥ずかしがりながらパートナーにちゃんと伝えられる女性は(とくに若い女性には)少ない。それはたぶん親から受けた「女の子は性に対して真面目じゃなきゃいけない、奥手じゃないといけない」という呪いのせい。その呪いが、女性にとっても“自分を解放できる時間”であるべきセックスを、中途半端なものにしているんです。そんな時間を持てるからこそ日常を続けていけるのに。

社会の通念として、女性は受け身な性です。その分、女性は自分の欲望に向かい合わずに成長し、積極的になろうとしても、女性として許される範囲の「まともさ」を志向がちです。

しかし人間がセックスに求めているのは、“無我”=個がなくなることです。あなたと私しかいない場所で、蕩(とろ)けて、いまだけの存在になる。「変性意識状態」と呼ばれる、エゴのコントロールが利かなくなるような一種のトランス状態です。どちらかが一方的に奉仕するのではなく、ふたりが溶けあって、あなたの“やりたいこと”が彼の“してほしいこと”になり、彼の欲望があなたの欲望になる。それがマッチングです。性愛の快楽は、手に手を取って共犯となり一緒に社会の外に出られるふたりにしか得られないのです。

にむら・ひとし 1964年、東京都生まれ。著書・共著に『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(イースト・プレス)、『オトコのカラダはキモチいい』(角川文庫)、『どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント』(KKベストセラーズ)ほか多数。

※『anan』2018年8月15・22日号より。インタビュー、文・三浦天紗子 写真・Getty Images

(by anan編集部)

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