「撮影中は目まぐるしくて、洗濯機でグルグル洗われているみたいだった」と言う石橋さんに、撮影当時の想いを聞いた。
「監督から“もっとがんばれ”“負けるな”と言われ続けてぺしゃんこでした。何をどうがんばればいいのか、どっちの方向に走っていくのが正しいのか、迷いに迷って。現場では息抜きできるような時間はゼロ。共演の池松壮亮さんがガス抜きしてくれたのですが、私は力みが取れぬまま。映画が完成した今も悔しくて」
朝早く電車に乗って現場に出向き、渋谷や新宿の街中で撮影。まわりはスクリーンで見た大物俳優ばかり。密度の濃い3週間を過ごした。
「家に帰るのが嫌でした。美香の生活の大変さが彼女の性格を作っていると思ったので。家に帰ると気持ちが断ち切れちゃいそうで怖かったんです。なので、どこにいても気持ちが休まらないようにしていました」
苦しみながらも、役を掴んだ手触りが「ひとつだけあった」という。
「美香を演じ始めて、喉の奥が詰まったように痛みだしたんです。ポリープかと思ったけど違って。言いたいことを上手く言えず、自分を表現できない彼女の心の苦しさが、私の喉を詰まらせたんだって。美香を体で感じられて嬉しかったです」
こうして話す姿は孤独を抱えて生きる美香とは違って柔和だ。しかし、石橋さんの中にも美香のような鋭さや強さがある。監督はそれを知って叱咤激励を続けたのではないか。ダンスで培った身体感覚と負けない心を武器に、石橋さんはひとつひとつの作品と全力でぶつかっていく。
「今回は緊張ばかりしていたけど、次は失敗を恐れずのびのびやりたい。挑戦するのだけはやめません」
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