サンドイッチ好き、水分不足…「お腹の調子が悪い人」の特徴と対策

文・大久保愛 — 2023.7.28 — Page 1/2
毎日、お通じはありますか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、夏は汗をかくことでの水分不足や、暑さにより食事を簡単に済ますことでの食物繊維不足などで便秘になりやすいのだそう。愛先生がNG習慣と対策を教えてくれます!

最近、お腹の調子はどうですか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 224


便がコロコロしたり、残便感があったり、お腹が張ったりとスッキリしない毎日を過ごししてはいませんか? 夏の環境は、便秘を助長する原因をたくさん秘めています。今、腸の調子があまりよくないなと感じている人は、夏はまだまだ続くので、何か工夫をして少しでも快腸、快適な時間を過ごしていきたいですよね。

夏は汗をたくさんかく毎日になりますが、水分補給が単純に足りず、カラダが水不足になっていることもあるかもしれません。料理するのも面倒になり、サンドイッチや総菜パン、レトルトなどで食事をすませ、食物繊維が不足することもあるかもしれません。これらの習慣は、腸に対してマイナス習慣となってしまいます。

便秘は、非常にメジャーなお悩みの一つだと思いますが、メジャーだから軽視していいというわけではありません。腸の状態は、お肌、免疫、メンタル、解毒システムなどさまざまな部分に影響してくるので、元気でキレイで若々しく過ごしたい人にとっては、絶対に整えておきたい部分でもあります。ということで、今週は腸内環境を整えコロコロ便対策となる食薬習慣を紹介していきます。

今週は、コロコロ便対策となる食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
夏本番ですね。夏祭り、花火、バーベキュー、フェスなど燦々と降り注ぐ太陽パワーを浴びながら、満喫している人も多いのではないでしょうか。夏しかできない楽しみは、できるだけたくさん経験しておきたいですよね。ですが、楽しい時間が終わると、どっとだるさを感じ、ヘロヘロになってしまうこともあると思います。

そうすると、面倒な作業は避けたくなりますよね。食事を準備するのも、食べるのも億劫になり、栄養状態が悪くなってしまうこともあるかもしれません。また、暑苦しい状況から一瞬で脱したいときには、アイスクリームやキンキンに冷えたジュースなどを飲むことで解放される人も多いかもしれませんね。胃腸から冷えて機能が低下してしまうこともあると思います。油断していると水分補給の量が足りていないときもあると思います。

漢方では、このような状態を便秘の原因となる「脾気虚」や「陰虚燥結」などと表現します。そこで、今週は「気陰」を補うことで胃腸を潤し、腸の動きをサポートする食薬を紹介します。今週食べるとよい食薬は、【リンゴとカボチャの腸活ソテー】。逆にNGな習慣は、「痰湿・湿熱」を生じ腸壁にダメージを与える【ランチのサンドイッチ】です。

食薬ごはん【リンゴとカボチャの腸活ソテー】

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ポリフェノールやペクチンを含むリンゴとβカロテンを含むカボチャは、抗酸化しながら腸を整えてくれる組み合わせです。この2つの食材を腸の働きをサポートする生姜やお酢、オリーブオイル、シナモンで味を整えることで、腸へのアプローチを強化したレシピです。

<材料>
カボチャ     100g(スライス)
リンゴ      1/2個(スライス)
オリーブオイル  適量
お酢(レモン汁) 大さじ1
生姜       1片(みじん切り)
シナモン     適量

<作り方>
カボチャとリンゴ、生姜をソテーして、お酢を加える。お好みでシナモンをかけて完成。

NG行動【ランチのサンドイッチ】

時間がないとき、作業をしながら食事をとりたいときなど、どこでもすぐに手に入り、ラインナップも充実しているサンドイッチをチョイスすることはあると思います。動画を見ながら、SNSを見ながら、パソコン作業をしながら片手で食べられるサンドイッチはすごくコスパもタイパも高い魅力的なランチだと思います。ですが、腸の調子を整えたいと考えている人にとっては注意が必要です。

小麦粉に含まれるグルテンには、腸にダメージを与える“ゾヌリン”を増やしてしまう作用があるからです。また、依存性もあるためパン食や麺類などの小麦製品をチョイスする傾向が高まるので、腸へ負担がかかる食習慣を定着させてしまう可能性があります。腸を元気にしたいなと考える人は、忙しいときにはサンドイッチではなくてお握りのチョイスがおすすめです。

腸のコンディションを整えておくことは、健康や美容のために必ずしておくべき初歩的な行動です。便秘は女性によくあるものだから仕方ないとあきらめてしまったり、便秘薬に頼る日々を送っている人は、腸だけではなく全身的に体調がゆらぎやすくなっているかもしれません。ちょっと腸の調子がおかしいなと感じている人は、今日から美腸生活を始めてみてくださいね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


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