朝食はパン、むくみやすい…「自律神経の乱れでイライラしやすい人」の特徴と対策

文・大久保愛 — 2023.7.14 — Page 1/2
ちょっとしたことでイライラしてしまう、最近特に怒りっぽいのは暑さのせい? 中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、イライラしやすい人の特徴とNG習慣、対策を教えてくれます!

最近、怒りっぽくなっていませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 222


暑い日が続きますが、頭までヒートアップしていませんか? 朝イチのメール、急な頼まれごと、仕事終わりの疲れなどをきっかけとしてイライラし始めたらとまらない! ということはないでしょうか。イライラして怒っているときには、冷静な判断ができないことがありますよね。少し時間をおいて、冷静に考えるとそこまでイライラする問題ではなかったり、きつい言葉を発してしまったことに深く反省することもあるかもしれません。

このイライラは、暑さが原因でしょうか。いいえ、それだけではありません。自律神経を乱してしまう、日ごろのあなたの行動も原因となっていることがあります。暑苦しく、面倒なことは後回しにして、その場しのぎで生きていたい気分になりますが、イライラが収まらない! という人は、一度日常生活の見直しをしてみるのもよいかもしれませんね。ということで、今週は、夏のイライラ対策となる食薬習慣を紹介します。

今週は、夏のイライラ対策となる食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
最近、イライラしやすいと感じることはないでしょうか。ちょっとした他人の言葉が記憶に残り、何度も思い出してはイライラして、ああ言い返せばよかったなどと頭の中をモクモクと怒りの感情が巡ることはないでしょうか。お天気では最近停滞前線が多いですが、それに伴い頭の中にも怒りの感情が停滞してしまうことがあるようです。

低気圧の状況下では、自律神経が乱れやすいのですが、漢方では水分代謝の悪い『脾腎』の働きが弱い人、甘いものやパンなどを食べ過ぎ『痰湿』がたまっている人、栄養バランスが乱れている『気血両虚』の人は、特にイライラ、頭痛、めまい、むくみ、寝つきが悪い、胃もたれしやすい、PMSなどの不調を強く感じることがあります。

イライラしているなと思い当たる人は、食事の内容、運動習慣、睡眠のパターンなどの見直しをしてみましょうね。と、言葉では簡単に改善策を話すことができますが、実際に行動することは至難の業かもしれません。暑苦しいなか、運動や睡眠の質を高めることは難しいと思うので、簡単にできる朝食に食べるとよい食薬を紹介したいと思います。『脾腎』の働きをサポートしながら『気血』を補う食薬です。

今週食べるとよい食材は、【鯖のトマトスープ】。逆にNGな習慣は、『気血両虚』の原因となる可能性のある【朝のパン】です。

食薬ごはん【鯖のトマトスープ】

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朝食は、暑苦しいと、パンや栄養ドリンク、コーヒーなどで終わらせることもあるかもしれません。ですが、それでは自律神経を整えるために必要な『気血』の摂取が不十分です。そんなときには、鯖缶のストックをしているととっても便利。心とカラダに必要なタンパク質、ビタミンB群、ミネラル、オメガ3脂肪酸など穏やかで元気に過ごすために必要な栄養を手っ取り早くとることができます。また、トマトのリコピンと合わせることで、1日のストレスや紫外線で発生する活性酸素の対策をすることができます。

<材料>
鯖の水煮缶   1個
トマトジュース 200ml
味噌      小さじ1 
<あれば>
玉ねぎ     1/2個(みじん切り)
トマト     1個(さいの目)

<作り方>
材料を煮込んだら完成。あっというまです。

NG行動【朝のパン】

朝のタイミングは、タンパク質と食物繊維、抗酸化物質の摂取が、心の安定、睡眠の質の安定、筋肉の構築、整腸作用、ストレス対策などによいと考えられています。そのため、朝にパンを食べる習慣がある人は注意が必要です。朝にパンを食べると多くの場合には、和食と比較するとタンパク質、食物繊維の量が減る傾向があるからです。毎日、パンにコーヒーという朝食が定番となっている人は注意しましょう。

イライラするのは夏だから、暑苦しくて睡眠不足だからと何かのせいにすることもありますが、イライラして一時の感情にまかせて人に強い言葉を投げてしまうと、傷つくのは後の自分かもしれません。心の状態も栄養状態で変わることがあります。心とカラダの平穏のために食薬をとりいれてみてはいかがでしょうか。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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