甘いもの大好き、酒をよく飲む…「ニキビや痒みなど肌が荒れる人」の特徴と対策 #221

文・大久保愛 — 2023.7.7 — Page 1/2
最近の暑さで心身がバテて、パフォーマンスの低下からストレスが溜まり、甘いものやお酒で発散していませんか。そんな人は肌トラブルが生じやすくなっているかもしれません。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、肌荒れするNG習慣と対策を教えてくれます!

最近、肌の調子が悪くありませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 221


7月に入りましたが、あつい、眠い、だるいの三拍子がそろい、もう溶けてしまいたい気持ちになることはないでしょうか。とりあえず、少し横になって動画など観て休んでから仕事をしようと、やるべきことを後回しにしたり、毎日のルーティンもいつも以上に時間がかかってしまう日ってありますよね。

心とカラダがバテていると何をするにも億劫になり、タイムパフォーマンスが悪くなってしまいます。そんな毎日では、ストレスがたまり、自然と何かで発散しようとすることもあるかもしれません。

最近、甘いものを食べる頻度はあがっていないでしょうか? 甘いものは、食べた瞬間から幸せになり、ストレスも和らぎますよね。ですが、それを継続しているとメンタルは逆に不安定になり、甘いものの食べ過ぎは、ニキビやかゆみなどの肌トラブルを悪化させてしまうことがあります。そこで、今週はニキビやかゆみなどの肌トラブルの対策となる食薬習慣を紹介していきます。

今週は、ニキビやかゆみなどの肌トラブルの対策となる食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
蒸し暑い日が続くと、汗や皮脂の分泌が増えたり、紫外線の刺激を受けることにより、ニキビやあせも、汗荒れ、日焼け、シミ、シワ、かゆみ、赤みなどの肌トラブルが増えていきますよね。この時期、紫外線対策やそれに伴う洗顔、保湿ケア、冷房による乾燥対策なども肌トラブルの対策として必須となりますが、内側からのケアも美肌を保つためには最も重要と考えられる時期となります。

日々の蒸し暑さやだるさなど夏バテにより、生活の質が落ちたり、仕事の効率が落ちることでストレスが増え、甘いものやお酒など、瞬時にリラックスできる食に走ってはいないでしょうか。食べ物の内容も美肌の維持には欠かせないものです。最近、ニキビや肌のかゆみ、赤ら顔などで悩むことはないでしょうか。

漢方では、ニキビやかゆみ、赤ら顔などの肌トラブルがある状態を『湿熱』『血熱』など慢性炎症を表す言葉で表現します。そこで、肌トラブルを感じたときには、炎症の原因となる腸内環境を整えたり、抗炎症作用のあるものをとることで、『清熱』していきます。そこで今週食べるとよい食薬は、【モロヘイヤとオクラのお浸し】です。逆にNGな習慣は、『湿熱』『欠熱』の原因となる可能性のある【グミの食べ過ぎ】です。

食薬ごはん【モロヘイヤとオクラのお浸し】

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モロヘイヤには、紫外線によるシミやシワの対策となる抗酸化作用の高いβカロテンやビタミンC、代謝に関わるビタミンB群も豊富です。
とくにβカロテンは乾燥肌に、ビタミンCはコラーゲンの生成に、ビタミンB群は肌荒れやニキビを防止のために役立ちます。 腸内環境を整えるオクラと一緒に合わせて、美肌を保ちましょう。

<材料>
モロヘイヤ   1束(固いところを除き3㎝切る)
オクラ     5個(一口大)
お酢・醤油   各大さじ1

<作り方>
モロヘイヤとオクラをレンジ(600w)で1分、それをお酢と醤油であえて完成。

NG行動【グミの食べ過ぎ】

ストレスがたまった時には、頻繁に甘いものを食べたくなることもあるかもしれません。最近では、固めのものを咀嚼することでストレスの緩和につながったり、ビタミンCや乳酸菌、コラーゲンなどを含むものもあり、いろんな種類のグミを食べ比べたくなりますよね。

ですが、そんなグミも美味しいからこそ、一度開けたら一袋食べきってしまったり、作業をしながら常に食べてしまったりと食べ過ぎてしまっては注意が必要になります。糖質過多になったり、腸内環境を乱す原因となってしまうことで、炎症体質となりニキビやかゆみなどの肌トラブルを感じることがあるからです。食べ過ぎに注意することで、癒しのアイテムとなるように距離感を保ちましょう。

夏は、紫外線や汗、冷房の刺激などで、肌トラブルが起こりやすいときでもあります。外的ダメージが増える時期には、内側からのダメージを極力へらしていきたいですね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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