アレを思い浮かべる…あなたの「理想のタイプ」の見つけ方 #70
【おおしまりえの恋愛道場】vol. 70
理想の彼がわからない時に見直したいたった1つのこと
理想の男性像を思い描こうとしたとき、ポツポツとイメージはできるけど、いまいち抽象的なままだったり、具体性がなかったりすることってありますよね。
実はしっかり指摘をされないと、問題の答えや理想を抽象的にイメージしたままのことはよくあるんです。例えば以前、「彼に愛されたい」と話す女性に、こんな質問をしたことがあります。「彼に愛されたいって、具体的にどんなこと?」すると彼女は「一緒にいて安心できる状態」「LINEの返事がちゃんと毎回返ってくること」と言っていました。
でもこれって、具体的に思えて抽象的です。一緒にいて安心できるって、それはどんなシチュエーションなの? LINEの返事は、どんな時も常に返ってこないとダメなの? などなど、言われてみれば具体性が少し足りないのもわかるかもしれません。では、今回のテーマである「理想の彼」について考える時はどうしたら良いのでしょう。
心から思う理想を視覚のイメージで埋めていく
先程、自分の理想の男性像には具体性が少し足りない場合が多いとご説明しましたが、 もちろん不正解というわけではありません。ただ具体性を持たせるとき、女性は男性に比べて感情表現が豊かなため、情緒(感情)が先行しすぎて具体性が後回しになってしまうことはよくあるんです。そんな裏事情を加味すると、今回の「理想の彼氏像」をテーマにするなら、こんな順番で考えてみるとスムーズかもしれません。
1:ウキウキする理想の彼氏のイメージを言葉にする
2:1で出した言葉をビジュアルで思い描けるかチェック
3:ビジュアルのイメージが浮かばなければ、もう少し頭と心を使って、状況を絞り込む
心の気持ちよさを中心に置き、思考でイメージを具体的に肉付けしていきます。こうすることで、心と頭、2つのバランスの取れた理想像が浮かび上がり、願望達成にも近づくかもしれません。
人は経験から描こうとするから迷う
こうしてイメージしてみると、理想の彼氏像が曖昧だったり、なんか変と感じる人もいるかもしれません。なぜなら人は、知らないことは具体的には描けない生き物だからです。
例えばまだ恋愛経験がそんなにない人は、彼氏という存在がどういうものかに偏りがあり、理想像を描けないかもしれません。逆に恋愛経験は豊富だけど幸せな恋愛をしてきていない人も、実は理想の彼氏像には偏りが出たりします。
私の知り合いには、理想の彼氏の条件に「LINEをきちんと返してくれる人」とあげた子がいました。でもちゃんと連絡が取れるのが理想って、「そんなレベルでいいの?」って思いますよね(笑)。
こんな感じで、理想を描くにしても、私達は過去の経験に引っ張られ、認知を歪ませて考えてしまいがちです。また同時に「自由に描いていい」といわれると、人は迷って答えを出せなくなる生き物です。選択の自由という言葉は、本質的には私達を自由にしないこともあるんです。
衣食住の重要度で価値観を絞る
自由に理想の彼氏を描くと、逆に描けなくなる。この問題を解決するには、適度な“しばり”を設けてあげるのが良いでしょう。そこでおすすめなのが「衣食住」の3つの切り口で考え、そして優先順位をつけてあげることです。
人は「食」が好きでも、その価値観はさまざまです。オイシイものを行列に並んでも食べたい人もいれば、手作りでオイシイものを楽しみたい人もいます。
以前ある女性から聞いた話に、こんな失敗例がありました。彼女は「日本酒が好き」という共通点で知り合った男性と付き合ったそうですが、よくよく一緒に過ごすと、彼女はオイシイ日本酒をゆっくり飲むのが好き。彼は安くてすぐに酔える日本酒をバカバカ飲んで明るく楽しむのが好きという、決定的な価値観の差があったそうです。
この2人はほどなくして別れたそうですが、当時を振り返り彼女は「『日本酒が好き』をもっとお互いがハッキリ理解して伝えていればしなかった失敗」と語ります。衣食住なら日常に根ざした理想像が描きやすいし、自分の生活をベースに考えられるので、ぜひやってみてください。
本当の理想は「愛し愛されること」を目指す
具体的なイメージ方法をご紹介していきましたが、少し自分の心と向き合ってみると、意外な発見があるかもしれません。最後にお伝えしておくのが、こうしてテクニックをお伝えしたものの、根底には「この人を愛し続けたい」というあなたの意志がないと、関係はうまくいかないということです。理想を描くことも大切ですが、描ききったらいったんとらわれずに手放す。そして素直な自分の気持ちに忠実になることで、道は開けていくと思うのです。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
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