「夏のボーナス、どうだった?」お金の教科書Vol.28 #リアルボイス

2023.9.17
毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「夏のボーナス、どうだった?」です。

夏のボーナス、どうだった?

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。家を買うべきか悩み中。

地道奈子(じみち・なこ/28歳・派遣社員) 既婚・子なしのDINKS。つみたてNISAは2年前にスタート。貯まったポイントを使った投資など、できる範囲で楽しむのが得意。

散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 5年交際中の彼と同棲中。貯めたい意思はありつつも、推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。

money

何を節約し、何に使うか。メリハリある使い道を。

好美:ね、未知子は今年の夏のボーナス、よかったんじゃない?

未知子:まぁ、ね(ニヤリ)。とはいっても、約3%のアップだよ。物価高の今、給料もボーナスも上がってくれないと困る!

奈子:それは確かにそうだよね。でもやっぱり、しっかりした企業の正社員は強いな~。企業規模が大きいほど、ボーナス額は増加傾向ってニュースで耳にしたもの。

好美:で、何買ったの? 前から「欲しい」って言ってたあのブランドのジュエリー、思い切った?

未知子:それも考えたんだけど、今年は貯金一択ですよ。

奈子:あら、意外。いよいよ家購入を本格的に検討し始めたとか?

未知子:それも頭の隅にはあるんだけれど、将来が不安すぎてパーッと使う気になれないんだ。

好美:まぁ、不安はあるけど、せっかくコロナも落ち着いたんだから、今まで我慢したぶん、使ってもいいんじゃない? 私はボーナスが出る身ではないけど、ここ数か月、ファンミーティングに参加するために何度か韓国まで遠征してる。ようやく推し活復帰です!

奈子:現地はすごいんでしょ?

好美:あの熱気だけを見ていたら、日本経済の低迷はちっとも感じられない(苦笑)。

未知子:きっとみんな、メリハリつけて楽しんでいるんだろうね。

好美:そう! それよ! 潤いのない人生なんてつまらない! お金の使い道は「貯金一択」なんて、寂しいじゃない。

「投資の元手にする」という声もこれまで以上に増加。

未知子:奈子の相方はボーナス出た? おたくは何に使うの?

奈子:出たけど横ばいよ。うちは夫の投資熱が加速中につき、そっちかな。来年から始まる新NISAの勉強もそろそろ始めなくちゃ。

好美:さすが! でも奈子のパートナーみたいに、ボーナスを元手に投資を始めるという人、増えていると思うな。

未知子:いい機会なことは確かだもんね。そっか、貯金ではなく投資かぁ。考えてもみなかった。

奈子:でも全額投資ってわけにはいかないと思う。住宅ローンの返済とか家電の買い替えとか、ちょっといいところで外食もしたら、あっという間に消えちゃう。

好美:家電や外食も軒並み価格が上がってるから、そうなるよねぇ。

奈子:欲しいものがあったら、まずはメルカリで検索、がもう普通になってきた(笑)。

未知子:そうかぁ。私は6割貯金して、残りはレーザーでのシミ取り費用に回そうと思ってる。それでもう終わっちゃうな~。

好美:未知子もこの連載での学びを生かして、貯金する6割のうち半分でも投資に回したら?

奈子:ただ銀行に寝かしておくだけの貯金はもったいないよ!

未知子:将来を見据えた上での前向きな投資ね…。考えてみるわ。

Q. 今年、夏のボーナスは出ましたか?

YES…30.67%

経団連が6月29日に公表した「2023年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(第1回集計)」によると、大手企業の夏のボーナスの平均額は95万6027円(!)。今回のananのアンケート調査(20歳以上39歳以下の女性300人が回答)では、その平均額は43万6976円。自分と照らし合わせると?

Q. 昨年と比べて夏のボーナスは上がりましたか? 下がりましたか?

1位:変わらない…70.66%、2位:下がった…15.67%、3位:上がった…13.67%

上記同様の経団連調査では、支給額は前年比3.91%増。業種別で見ると、「食品」「機械金属」「電機」「自動車」「造船」「商業」「鉄道」「情報通信」がアップ。一方で「非鉄・金属」「繊維」「印刷」「鉄鋼」「建設」などは前年比ダウン。コロナ禍が明け、日常に戻りつつあるが、流通や小売業界は復活に時間がかかりそう。

Q. 夏のボーナスの使い道は?

1位…貯金、2位…旅行、3位…買い物

→何%を貯金に回しましたか?
平均69.56%

「買い物」の中身は、服やバッグ、家電など人それぞれ。僅差の4位には「投資」がランクインし、「貯金」同様、「将来に備えたい」という思いは強い様子。5位以降は結婚式への出席などの「交際費」、次いで「日々の生活費の足し」という回答順に。

★次回は、2366号(2023年9月27日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年9月20日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)