アソコの奥までグングン…本命彼女だからシたい「彼の極上エッチテク」

文・三松真由美 — 2021.2.18
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、元カレと再会し、体の関係だけを続けていた26歳女性。自分は彼にとってセフレだと思い込み、本当の気持ちを抑えていたが…。三松先生がセフレのデメリットをあらためて教えてくれます!

【レスなひとびと】vol. 108

チエリ(26歳)好きなのに本音レスで、自分はセフレと思い込んで損した1年…。

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早朝5時、チエリは1年間セフレ関係だった拓郎に言い放った。

「もう来ないから」

拓郎が住む豪徳寺のマンション503号室のドアをバタンと閉める。拓郎とは、長野の大学のスキーサークル交流会で出会った。チエリが就職で上京し、東京と長野の遠距離恋愛になったとたん、嫉妬が原因のけんかが増えて3年前に破局。

というものの1年前に、拓郎も東京の会社に勤めることになって再会。よりがもどるというより、必然的にエッチだけの関係に。自分では、割り切っているつもりだった。わたしと拓郎はもう恋愛関係じゃない。お互いにしたいときにエッチできる、サバサバした関係。周りの友達にも付き合ってはいないけど「やるだけ友達」とエッチしてる女子は3人いる。

昨夜は拓郎と一緒に豆乳鍋をつくって食べていた。鍋をつつきながらずっと誰かとLINEしている。イライラして、こっそり画面を覗き見た。

女の人からだ。ハートを持ったうさぎのスタンプ。

そういえば拓郎はインスタに小柄でショートカットの女とお酒を飲んでる写真をあげていた。拓郎が昔から好きなアイドルに似ている女。内心ムカついたからイイネは押さなかったけど、あれって、ふたりでデートだったのか。「モテモテじゃん」と茶化してみた。

「俺、もうすぐ彼女ができるかも」

拓郎から予想外の返し。それから頭の中がグルグルモヤモヤとして、全然楽しくない。でも、エッチはした。

普段はやさしい拓郎、夜は意地悪なのだ。大切なところをゆっくりしつこくかき回して、チエリをじらす。「気持ちいいから挿れてほしい」って言葉にしてせがまないと挿れてくれない。

ちゃんと言えたら「恥ずかしい言葉、よく言えたね」って頭を撫ぜながらグングン奥まで突いてくれる。最後は必ず強く抱きしめて、ほっぺとほっぺをくっつけて発射してくれる。昔っから最高に気持ちいいエッチ。

他にいい人ができたと言われてから自分の本音に気づくなんて。違う。自覚していた。拓郎のことが前からずっと好きなんだって。認めると片思いになって辛いから、気づかないふりをしていただけだ。

だって、1回別れた男じゃない。

503号室を出てから駅に着くまで、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら歩いた。コートのポケットが震えている。拓郎からの電話。涙を手の甲で吹いて電話に出た。

「もう来ないってどういうこと?」

「いい人がいるんなら、私もういらないよね。場つなぎの元カノだもん。ヤリ友関係は終わりだよね」

「え? 昨日のは冗談だって。あれはお世話になってる先輩からの業務LINE。俺は今でもチエリが好きだよ。一回別れたけど、より戻ったと思って付き合ってたんだけど。俺らヤリ友だったってこと?」

「え? じゃあ私だけが1年間ヤリ友ってことで過ごしたの? なんで言ってくれなかったの」

「言わなくてもわかってるかと…」

走ってマンションに向かう。拓郎がジャージに上着をはおっただけの姿で駆けてくる。チエリの冷えた身体を、ぎゅっと強く抱きしめながら、いつもみたいに頭をやさしく撫でてくれた。ふたりの勘違い関係が、軌道修正してスッキリした冬だった。


【三松さんからのコメント】

交際開始宣言とエッチの順番どっちが先がいいかという問題。番外編でも伝えましたが、真剣に交際、結婚を考える女性は、気になる相手と先にエッチしてしまうと目がくらんで、遊ばれてるのかどうかわからなくなります。

「恋愛にエッチは重要」と考える女性は付き合うかどうかを決める前に、エッチが合うかの合理的なアクションをします。自分のキャラと恋愛思考をわかったうえで、エッチが先か交際宣言が先か決めるのがベターです。

とは言っても、ガチで好きな人がセフレというのは、なかなか辛い恋路。相手はカラダだけが目的の可能性が充分ですから。今回の二人のように、セフレと思いきや実は両想いだったケースは稀でしょう。

昔いたした相手とベッドを共にするのは、ハードルが低いですから「リ・セックス」しやすい! セフレと割り切れない彼の本命女になりたいなら、セフレ関係を断ち切る勇気を。勝負に出て。本音をちゃんと伝えること。

彼があなたを失いたくないと思えばお付き合いがスタートするはず。それでサヨナラすることになってしまっても、新しい彼を見つける絶好の機会を自分で引き寄せたと思いましょう。

一途な恋愛をできるかどうかは、あなたの行動次第。セフレは悪縁です。悪縁は断ち切るのがハッピー恋愛への一歩です。

「セフレだ、ヤリ友だと自分をさげすむ前に、ズバリ本音を伝えよう。相手の本音も見えてくる」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。


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三松真由美 note 恋と結婚とエッチのテーマ更新中
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「君とはもうできない」と言われまして


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