同棲あるある…セックスレスになったら「改善」or「離別」正解は? レスなひとびと
【レスなひとびと】vol. 15
沙綾（28歳） 彼氏が同棲による萌え感レス。
このまま結婚してもいいものか悩み始める
お財布がないことに気づいたのはタクシーを降りる直前のこと。サブバッグごと居酒屋のトイレに忘れてきたのだ。沙綾は急いで創一に電話する。すぐにマンションの下に降りて来てくれた。創一は、同棲中の彼氏。タクシー代を支払ってもらい、事なきをえる。
創一は小言一つ言わず、にこにこしている。穏やかで、面倒見の良い自慢の彼氏だ。結婚相手としては不動の人気、安定感抜群の公務員。一重のタレ目は沙綾の好みド真ん中。スカイツリーソラマチで告白されたときは、天にものぼる気持ちだった。
ただ一つだけ、不満がある。それは、セックスレス。創一が「いつも一緒に寝てるから前みたいにムラっと萌えることなくなったなあ」と言い始めたのは半年前。
同棲前は、週に１回。一緒に住み始めるとみるみる減少している。月に１回→２カ月に１回→３カ月に１回。ここ半年はまったくそういう空気にならない。
寝室の照明を間接照明にしたり、ちょっとセクシーなランジェリーを身に着けてみたり。沙綾の工夫も一向に効果なし。創一の萌え感は蘇らない。
先週末はちょうど同棲３年記念日だった。おしゃれなダイニングバーで、クラフトビールを飲み比べ。一緒にマンションに戻る。さすがに記念日くらい何かあるかと期待したけれど、びっくりするほど何もなかった。もちろんキスも。創一はベッドに倒れ込み、いきなり爆睡。沙綾の目から大粒の涙が溢れ出る。もう、女としての私には萌えてくれないの……？
最近では、結婚の話も出てきている。先週末も、食事中に「どんな指輪がほしい？」なんて聞かれた。すごく嬉しいはずなのに、沙綾は100％の笑顔で返事ができない。
「同棲はセックスレスになりやすい環境を作る」。これは残念ながら、真実です。そりゃそうですよ。緊張感が失せる、相手のカッコ悪いところも全部見える、ヘンな癖も発覚する、ワンパターンセックスに飽きるなど、同棲にはレスにつながる危険性が盛りだくさん。同棲期間が長く、一緒にいることが「当たり前の日常」になっているカップルほどリスキーです。
「恋の賞味期限は3年」という言葉、聞いたことがあるのでは。人間の脳は、手に入らない相手にこそ燃える仕組みになっているようです。手に入った相手には興奮しない、萌えない、以前ほど大事にしない。「釣った魚に餌をやらない現象」。なんとも残酷な話です。
同棲にもメリットはあります。結婚生活シュミレーションができるので、夫としてOKか判断できるという。でも同棲中に”ほのぼの家族”になってしまってはダメ。「飽きない、飽きられれない工夫」をあちらこちらに散りばめる。意識しだいでいつまでも男女の関係でいることは可能です。
日常の会話で斬新なセックスの話題を提案しておくことも効果あり。「マンネリ対策でこんなことしてみない？」と、未体験のスゴイことをねだってみるとか。コスプレも、ごっこ遊びもなんでもあり。
ときには家から離れて、別の場所でトライもいいでしょう。残酷な話をしますが、交際中からセックスレスの場合、結婚後ウハウハに蘇ることはまずないので、もしも「彼、セックス苦手かも」と感じたらウダウダしてる場合ではありません。改善 or 離別。
「えー！ SEXないくらいで別れなくちゃだめなの？」
はい。結婚してからもセックスレスが続き、元気がなくなっている妻たちは星の数。あ！ 女性側もセックスが苦手なら全然問題ありませんので結婚して大丈夫ですよ。女性の性欲＞男性の性欲。この差がでかいと、永遠に壮絶な苦労を強いられます。
「交際中の彼氏が性欲ゼロなら、即刻改善 or 離別。決めるのは自分自身！ 子宮に手を当ててじっくり考えろ」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター４万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。
