特別に抱っこさせてあげる…猫さまが飼い主する特殊な愛情表現とは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2024.1.28
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第204回目は赤トラサビのラフィア(Rafia)さま。

愛情表現が特殊な猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.204
猫さまの話をもっと聞かせて!
ラフィアさまは3歳の女性猫さま。


紙袋の中に入る赤トラサビ猫


<ラフィアさまが語ります>
私たちは人口3000人の村で庭付きの家に住んでいます。ここにはキャットフラップがあるので、望むままに行ったり来たりすることができるんですよ。
赤トラサビ猫

冬はよく寝てよく食べ、天気がよければ少し外出します。晴れた日が来るとすぐに、外に出ます。私はハンターなので、たくさんのトロフィー(ネズミ、鳥、トカゲ、コウモリ…)を持ち帰ります。夏の夕方は庭の暖かい石の上に横になるのが好きです。
赤トラサビ猫

私の特別な食事はキャットフードです。普段はキャットフードを食べないのです。おやつはありませんが、ナチュラルヨーグルトのポットの端まで舐めまくるのが大好きです。
赤トラサビ猫

飼い主が仕事をしているときは隣で寝るのが好きで、特にリビングルームにある羊皮の肘掛け椅子が定位置です。また、近所の他の猫を監視するために2階の窓(庭側)にいることも多いです。不審者が通り過ぎるまでうなり声を上げて威嚇します。
お気に入りのおもちゃはひとつも持っていません。そこらにある「目立つ」もので遊び、それを隠すのが得意です。
<飼い主から見たラフィアさまとは>
ラフィアは私にとっての4匹目の猫です。1匹目は黒猫のオスでした。名前はレオ、当初は飼うつもりは全くありませんでしたが、友人が猫の里親を見つけている間、彼女の手伝いをするつもりで預かりました。しかし、レオを抱っこした瞬間、彼は私を完全に魅了したのです。レオとは10年間一緒でした。バンブーという名前の小さなメスの子は本当にとてもワイルドでしたが、残念ながら私の元に来てすぐに車に轢かれてしまいました。それから、ジプシー! すでに10歳ですが、今は私の父親と一緒に住んでいる、とても優しくてかわいい女性猫です。
寝ている赤トラサビ猫

私が離婚したとき、私は子どもたちのことを考えて、再び猫を迎えるまで3年待ちました。家の購入と新型コロナウイルス感染症による外出制限の後、広告でラフィアを見つけました。私は定期的にテレワークをしているので、猫とまた生活したいと思いました。
赤トラサビ猫

ラフィアは気まぐれで、とてもかわいいのですが、突然私を噛むことがあります。彼女の存在は私にとってとてもうよいことですが、なぜ彼女が時々私を噛むのかはまだ理解できません(笑)。
赤トラサビ猫

ラフィアはとても器用で、ドアを開けたりバランス感覚も優れて、遊びながら転がったりします。まるでサーカスの猫のようです! そして自分を理解してもらい、目標を達成するためによく鳴きます。そして偉大なハンターです。夏には畑のニンジンや他のものに隠れて何時間もそこにいて獲物を狙います。彼女が動いたり狩りをしたりすると、アニメ映画『ヒックとドラゴン』のトゥースレスのようにも見えます。
赤トラサビ猫

ときどき、ラフィアが優しい目をする時は抱きしめたりすることができます(特に食べ物が欲しいとき)。気質的な面はおそらく私と似ています。私は噛みつきませんが(笑)。ラフィアと一緒にいて幸せなひとときは、私がソファに横になるとやって来て私の上に横たわり、ゴロゴロと喉を鳴らす時! それから、かくれんぼ! 私がラフィアを見つけ出す15分間、小さな音を立てて私に探してってアピールする姿はとても愛らしいです。
ーー過去に3匹の猫さまを飼っていたラフィアさまの飼い主は、離婚や新型コロナウイルス感染症の大変な時期に猫さまの存在が必要だと思ったようです。今まで飼っていた猫さまと全く違った性格のラフィアさまの噛み癖はある種の愛情表現のように思われます。
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!