ガブガブ噛まれても許しちゃう…何をされても許す飼い主をほっこりさせる猫さま

取材、文・Manabu Matsunaga — 2024.1.13
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第199回目はハチワレ猫のキャンキャン(Cancan)さま。

お刺身が大好物な猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.199
猫さまの話をもっと聞かせて!
キャンキャンさまは10歳の女性猫さま。


ハチワレ猫


<キャンキャンさまが語ります>
私は南仏の海風の入るアパートで暮らしていましたが、現在はパリの森近くのアパートで生活しています。起床は7時ごろで、せっせと飼い主を起こすところから始まります。夜ごはんが足りないときは、朝5時に起こします。猫パンチしたり、乗っかったり、泣きじゃくったりあの手この手で起こします。
ハチワレ猫

大好きなごはんを食べた後は、満足してまたすぐに寝ます。日中はほとんど寝ていて、夜8時になると活動開始。まず、お風呂タイム。お風呂場は苦手ですが、手ぬぐいでふきふきしてもらいたくて、飼い主を誘います。結構きれい好きなんです。そのあとは、家の中とアパートの廊下の見回り猫に徹します。安全を確認したら、かくれんぼ遊びです。10時になると、飼い主に一緒に寝ようと誘います。
ハチワレ猫

食事は飼い主のひざの上で体を撫でてもらってから飼い主の手にのったカリカリを食べます。好物はお刺身! そしてどんなおやつよりも猫草が大好き! 部屋の中で猫草を育てているので、いつでも食べたいときに食べられます。
ハチワレ猫

手作りブランケットの上がお気に入り。くつろぐときにブランケットもいっしょに毛づくろいしているので、どんどん猫のような毛並みになっていっています。遊ぶのは決まって人間の手。市販のおもちゃは一度遊ぶと飽きちゃうので、飼い主の手と戯れています。人間が大好きで、どんな人にも挨拶をしにいきます。飼い主が人と話していると、ちょこんと中央に座って話を聞いています。ベタベタくっつくのは嫌いだけれど、いつもそばにいてほしい寂しがり屋さんなんです。飼い主が外から帰ってくると、玄関までお出迎えします。特技は出会った人を虜にすること。人懐っこい性格なんです
<飼い主から見たキャンキャンさまとは>
幼少期から猫を飼いたかったものの、親から反対されて飼えないままフランスにやってきました。フランス在住もいつまで続くかわからなかったので、猫が飼えない日々でしたが、キャンキャンと出会ったころに長期滞在許可証をゲットできたので、思い切って飼うことを決意しました。
ハチワレ猫

出会いは、猫を手放したくて譲り先を探している人がいると知人から聞いて、興味本位で会ってみたことです。子猫だと思って会いにいったら、すでに大人の猫でした。出会った瞬間にキャンキャンにビビっときました。出会うべくして出会ったのだと即決で飼い主となることを決意し、30分後には一緒に住み始めました。
ハチワレ猫

私に似ているところもあります。それは気になる人に寄っていくところです。気に入らない人には近寄らないのもそっくりです(笑)。かまってほしいときに仰向けになって、こっちをみつめている姿はたまりません。おなかを撫でてほしいのかと思って撫でると、ガブガブ噛まれますがそんなところもすべてかわいいです。キャンキャンのためなら何でも頑張れてしまいます。愛そのものです。
ハチワレ猫

ある天気がいい日、キャンキャンがバルコニーに出たいというので、窓を開けてあげました。あまりにも静かなので昼寝でもしているのかな? と見てみると植木鉢の上で仰向けになって寝ていました。種を植えたばかりだったので少しショックだったのですが、あまりにも気持ちよさそうだったので気の済むまでいさせてあげました。
ハチワレ猫

キャンキャンからは、何をしなくても、何かができなくても、生きているだけでいいんだよということを教わりました。毎晩寝るときには「今日もありがとう、おやすみ」とキャンキャンに挨拶をしています。
――キャンキャンさまの大好物のお刺身のつまは、大根ではなくて猫草ですね。飼い主は寿司職人なので、きれいな盛り合わせでただいているのでしょうね。キャンキャンさまに夜の挨拶をすませて眠りにつく飼い主は、キャンキャンさまと一緒になれて毎日が幸せそうです。
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!